ドイツ・スイスから知る絶望と希望②
このnoteはこんなあなたにオススメ。
1:これから住宅・建築の新築やリノベーションを予定している。
2:欧州のエネルギー政策について知りたい。
3:欧州の建築や都市計画について知りたい。
フランクフルトの街並み
成田発フランクフルト着。約14時間のフライト。
フランクフルトに着いたのは夕方でまだ外は明るかったので、電車でフランクフルト中央駅へ。中央駅はドイツ国内やその他欧州都市へのハブになっている主要駅で大変混雑していた。
意外だったのは、道端にポイ捨てされたタバコの吸い殻。こっちはどこで吸っても全然OKらしい。厳格な気質がある国民性と合わない気もするがこれはありなんだな。
フランクフルトの集合住宅
街をうろうろしていると集合住宅が見えてきた。
その窓廻りは日本と大きく異なる。壁面から窪んだ位置に取り付く窓の上部には日射を遮るための外付けのブラインドが仕込まれている。北海道・東北と同様の気温になるドイツだが、近年の温暖化の影響は大きいようで室温上昇を抑えるために日射熱を室内に入れない措置が必要となっている。
近くに寄って外壁を軽くノックしてみる(良い子はマネしないでね)。軽い材料を叩いている感覚、外壁材はEPS断熱材でその上に塗装を施しているようだ。およそ200mm程度の厚みの断熱材に周囲を包まれた建物という事になる。
そして、この国ではそれが当たり前に普及している。
ドイツの省エネルギー政策は有名で、建築のエネルギーロスも少ない。そこに至る歴史の話は割愛するが、日本と比べて遥かに優れたエネルギー性能が求められる。
ショーウィンドウから知る圧倒的な差
ドイツの窓は非常に性能が良い。
断熱性能も高いし、日射取得率も高い。
街を歩きながら、小さな路面店のショーウィンドウをじっくりと眺める。
ショーウィンドウの奥の商品も多少気にはなるが、一番気になっていたのはショーウィンドウのガラスそのもの。
どのガラスもペアガラスかトリプルガラス。
シングルのガラスはよほど昔から存在している建物(老舗の路面店とか教会とか)以外では見られなかった。
日本の住宅の窓性能は多少マシになってきたが、その他建築物の窓はまだまだ。
欧州の外壁や窓が高性能なのは日本にいながらも知ることはできるし、今の日本はそこから学んでいるものが多分にある。しかし、このような路面店の窓にまで徹底されている様を見ると
「日本はこれまで何をやっていたんだ・・・」
という気持ちにもなる。
この外壁(正確には屋根なども含めた外皮)と窓の違いだけでエネルギーロスがどれだけ抑制されているのだろうか。
仮に日本でここまでできていたら建築のエネルギー・CO2排出量の問題(実はとても遅れている)はもっと解決に向かってるし、「ヒートショック」などで亡くなる事例やそこに関連する病気の事例もだいぶ少なくなるだろうに。
まだまだ絶望は続く
なんとなく出歩いた街中ですでにこんなショックを受けているので、この先の視察(まだ視察はじまってない!)ではどれほどのものに出会えるのだろうかという期待感でいっぱいの初日となった。
つづく。