ドイツ・スイスから知る絶望と希望④
このnoteはこんなあなたにオススメ。
1:これから住宅・建築の新築やリノベーションを予定している。
2:欧州のエネルギー政策について知りたい。
3:欧州の建築や都市計画について知りたい。
フライブルク市役所
街を歩き、フライブルクの歴史について伺いながら、市役所に向かう。
フライブルク市役所は、この視察の中でも最も刺激的な存在のひとつとなった。
再生可能エネルギー(ここでは太陽光パネル)をファサードデザインに見事に落とし込んだ事例。
市役所のエネルギー需要が大きい時間帯を考慮し、朝・夕の発電効率を最大化するような建物形状とパネル角度。
その場で「サンサーベイヤー」を起動して、建物の角度や太陽の角度を視覚化するとこんな感じに。
発電需要を考慮すると南面が細く、東西の面が大きくなる方が良いという事だ。
フライブルク大学(の図書館)
公共建築としてはフライブルク大学の図書館の事例も「ある意味」面白い。
フライブルク大学は歴史ある大学で、その中に入ると厳かな雰囲気が漂っていたのだが、道路を隔てて新築された図書館棟は全面ガラス張りの建築だった。
以前から「エネルギーに厳しいドイツでこういう建築ができるのはなぜ?」と疑問だった。
ガラス面のエネルギーロスは非常に大きいからだ。
質問してみてわかったのは、まずはガラスの断熱性能が高いからこそだという事。
それ以外にもドイツの建築のエネルギー基準によるところが大きく、意外にも外皮の断熱性能が高くない建築物も多いようだ。これは日本にいたら知る機会がなかったかも知れない(日本でドイツ建築の話になると断熱性能が高いのは当たり前だという話になるので)。
これだけ聞くと断熱性能を上げなくても良いように聞こえてしまうが、そんな甘い話ではないので誤解しないでほしい。
まず、そもそものベースとなる断熱レベルが高いので「断熱性能が高くない」と言っても日本のそれよりは遥かに良い。
あくまで「断熱は手段」で、その不足を補う創意工夫が施されている。
ただ実際のところ、この事例では日射取得熱過多で室内がとても暑くなってしまっているのだとか。
まだまだ続く環境先進都市フライブルクの旅
このあとはフライブルクのとある街を散策してきたが、まちづくりとエネルギーの思想として非常に参考になる事例だった。
続く。