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お独り様の老後〜入院時の疑問と対策
最近、あるSNSサイトで呟いた事が、とても反響が大きかったのでビックリした事がある。
それは、父母を最後まで世話した私が、ふと疑問に思ったことで、「身寄りのいない高齢のお独り様が入院する事になったら、保証人や身の回り品の準備などを含め、様々なことをどうするのか?そもそも入院出来るのか?」というもの。
きっと皆さんも興味のあるお話かと思うので、こちらにまとめてみようと思います。
はじめに
まず、疑問に思った経緯ですが、私は二女で長女が日本にいない状態でした。
そのため、両親を二女の私が介護して、病院で看取り、入院中は家と病院の往復で仕事もままならず、とても大変だった経験から、いくつか疑問が浮かんだ次第です。
これからの世の中、独り身の人が増えて行くし、高齢者も増えていますので、親戚や子供に頼れる時代では無くなっていく気がします。
そうなった時に、今の医療現場はちゃんと対応出来るのだろうか?と素朴な疑問でした。
第一章 各疑問に対する回答まとめ
特に重篤な状態や認知症だったり、身体が不自由だったら?と、以下の点で特に気になり聞いてみました。
1、入院した時の書類へのサイン。
2、保証人はどうするのか。
3、入院費用の支払い方法。
4、入院時のオムツや身の回り品の準備。
看護師さんから「必要になったので買って来て下さい。」と言われた時。
5、亡くなった時の手続き。
これらの事について、現場の皆さんからのご意見をいただき、分かったのが以下となります。
1-1、医療機関のサポート
病院側が身寄りのない患者に対して、ソーシャルワーカーを介してサポートを提供することがよくあります。ソーシャルワーカーは、患者が適切な支援を受けられるように、手続きや制度の利用について案内します。これには、生活支援を行う団体やNPOが含まれることがあります。
1-2、成年後見人の選定
成年後見人は、財産管理や医療の同意などを行うことができます。
2、保証人の代行
保証人がいない場合、自治体や福祉団体が介入することがあります。一部の自治体では、保証人の役割を果たす「保証人代行サービス」や、福祉サービスを通じた支援が提供されています。
3-1、成年後見制度
本人が暗証番号を忘れたり、判断能力が失われている場合、お金の引き出しや財産管理は次のような方法で対応されます。
本人の判断能力が著しく低下している場合、家庭裁判所に申請して成年後見人を選任してもらうことができます。
成年後見人は、本人の財産を管理し、必要な費用の引き出しや支払いを行う権限を持ちます。
これには、銀行口座からのお金の引き出しや支払いの手続きを代行することが含まれます。
3-2、特別代理人の選任
成年後見制度を利用しない場合でも、家庭裁判所に申請することで特別代理人を選任してもらうことができます。特別代理人は、一時的に財産管理や特定の法的手続きを行うことができる人です。
3-3、福祉的支援
経済的な困難や判断能力の低下が認められた場合、市役所や福祉事務所が生活保護などの福祉支援を提供し、医療費や生活費をカバーすることができます。
4-1、成年後見人の選任
判断能力が低下している場合、着替えやその他の生活必需品を手配するための決定を行う成年後見人が選ばれることがあります。
4-2、生活保護
生活保護を受けられている場合は、福祉サービスの一環として日常生活の支援(衣類や生活用品の提供)が受けられることもあります。
5、死後の対応
万が一、入院中に亡くなった場合、身寄りがない場合は自治体が遺体の引き取りや葬儀の手配を行うことになります。自治体が葬儀を行うこともあります。
以上のことから、何とかなるというのは分かりました。
しかし、特に気になったのは、現場からの悲痛な声。
なんと!「一番困っているのが、お金持ちでも貧乏でもなく、そこそこ貯金のある中間層のお独り様らしい。」という事。
この層は、そこそこプライドもあって、親戚は頼りたくないと言って聞かない方もいらっしゃるようです。
第二章 経済的中間層の課題
確かに、経済的に中間層にいる人々、つまり収入がそこそこあるけれども十分な貯蓄や資産がないという状況の人々は、一番サポートが受けにくい状況にあるかもしれません。
この「中間層の課題」は、以下のような理由で特に難しいと感じられます。
1. 福祉制度のギャップ
生活保護などの公的支援は、収入や資産が一定の水準を下回る人が対象です。
そのため、基準に達しない限りは公的支援の対象外となる可能性があります。
一方で、民間のサポートサービスや介護費用などは、財産がそれなりに必要なため、十分に利用できないケースがあります。
このギャップが、経済的に中間層にいる人にとっては負担となることが多いです。
2. 自己負担が重く感じられる
中間層の人々は、公的支援を受けられない一方で、生活費や医療費、介護費用などの自己負担が重くのしかかります。
例えば、成年後見人を頼むにも費用がかかり、また入院中のサポートや生活支援サービスも安価ではありません。
これが蓄えが少ない人には経済的に厳しい現実です。
3. 選択肢が限られる
中間層の場合、富裕層のように選択肢が多くないため、使えるサービスが限られることもあります。
お金に余裕があれば幅広いサービスを受けることができますが、限られた財産だと利用可能なサービスも制約を受けます。
結果として、必要なサポートを全て受けられない可能性が高まります。
まとめると、確かに中間層は富裕層と貧困層の間で、サポートが手薄になりやすい層ですが、早めの計画やコミュニティの力、共済などの利用をうまく組み合わせることで、将来の不安を少しでも軽減することができるかもしれません。
もし入院が長期化したり、特別な支援が必要になる可能性がある場合は、前もってソーシャルワーカーや法律の専門家に相談することが望ましいですね。
それでは使えるサービス等を次の章で詳しく見ていきましょう。
第3章 対策として使えるサービス
まずは、成年後見人制度に掛かる費用を含めて紹介します。
1. 成年後見制度
成年後見制度を利用する場合、裁判所に申請して成年後見人を選任する必要があります。
1-1、成年後見人制度にかかる費用
費用には以下のようなものがかかります。
•申請手数料: 数千円程度の裁判所費用
•成年後見人の報酬: 選任された後見人には報酬が発生します。
報酬は後見人の業務内容に応じて裁判所が決定し、通常は年間数十万円程度です。
報酬は本人の財産から支払われます。
成年後見制度は、判断能力が不十分になった場合に利用する制度なので、認知症や精神的な障害などで判断能力が低下している状況が必要です。
ただし、必ずしも重度の認知症になってからでないと利用できないわけではありません。
1-2、成年後見人制度の種類
成年後見制度には、利用状況に応じて3つの種類があります。
① 法定後見制度
これは、すでに判断能力が不十分な場合に利用する制度です。
認知症や知的障害、精神障害などにより、日常生活の意思決定が難しくなった時に利用します。
裁判所が本人の状況に応じて「後見」「保佐」「補助」の3つの区分のうち、適切なものを選びます。
•後見: 判断能力がほとんどない場合
•保佐: 判断能力が著しく不十分な場合
•補助: 判断能力が一部不十分な場合
この制度は、認知症などの進行が進んだ後に申請することが一般的です。
②任意後見制度
任意後見制度は、判断能力があるうちに、自分で信頼できる人を後見人としてあらかじめ指定しておく制度です。
将来的に自分の判断能力が低下した時に備えて、前もって契約を結んでおくものです。
任意後見契約を結んだ人が後に認知症などで判断能力が低下した時に、契約が発動されます。
③補助人や保佐人の選任
法定後見制度の一環として、軽度の判断能力低下の場合には「補助」や「保佐」といった軽度の支援が選ばれます。
これらは本人の能力がまだある程度残っている時に利用されるため、完全な認知症でなくてもサポートが受けられます。
結論として、成年後見制度は認知症になってからでなくても利用できる場合があります。
特に任意後見制度は、判断能力が十分あるうちに自分の意思で準備できるため、将来に備えて早めに検討することができます。
2、サポートサービス
次にサポートサービスですが、利用には内容や提供する団体・企業によって費用が大きく異なります。以下にサービスごとの費用の目安を紹介します。
2-1、終身サポートサービス(民間のサポートサービス)
民間の終身サポートサービスや高齢者向けの生活支援サービスは、提供されるサービスの内容によって費用が異なります。
例えば、以下のようなケースがあります。
①基本的な生活支援
定期的な安否確認や日常生活のサポート(買い物、掃除など)は、月数万円程度からのサービスもあります。
②終活サポートや見守り契約
終末期のケアや葬儀手配、遺品整理を含むサービスは、契約時に数十万円から、年間費用として数万円〜十数万円程度かかることがあります。
③財産管理や後見代行サービス
財産管理や法的な手続きを含む場合、年間の手数料として数十万円かかる場合もあります。
2-2、 公的支援(福祉サービスや生活保護)
経済的に厳しい状況にある場合、生活保護や福祉サービスを利用できる可能性があります。
これらの公的支援は基本的に無料で提供されるか、非常に低額な自己負担で利用できるため、民間のサービスよりもコストが抑えられます。
ただし、サービスの内容は限定されることが多いです。
2-3、信頼できる知人やNPOの利用
NPOやボランティア団体による見守りや生活支援もあります。
これらの団体は無償または低額でサポートを提供することが多いですが、内容は地域や団体によって異なります。
必要なサポートがどの程度カバーされるか確認が必要です。
全体として、民間のサポートサービスは確かに一定の費用がかかることが多いですが、財産がある程度ある人はこういったサービスを利用することで、安心して生活を送ることができます。
一方で、経済的な余裕がない場合は、公的な福祉サービスや地域のサポートに頼ることが現実的です。
今後、こうしたサポートを利用するかどうかを考える場合は、具体的にどんな支援が必要かを見極め、費用とのバランスを取ることが重要です。
第4章 対策のまとめ
以上の事から、いくつかの対策が考えられます。
1、早めの計画と節約
将来に備えて早い段階から計画を立て、貯蓄を少しずつ増やすことが大切です。
また、終活の一環として、必要なサービスを前もって調査し、どの程度の費用がかかるか見積もることが有益です。
2、共済や民間保険の活用
民間の共済や介護保険に加入することで、将来の介護費用や医療費に備えることができます。
これにより、突然の支出に備えることができ、財産を守る一助となります。
3、コミュニティや地域のサポートを利用
地域で行われている無償や低額のボランティアサービス、シニア向けの生活支援などをうまく活用することで、費用を抑えつつ生活のサポートを得ることが可能です。
特に地方自治体やNPOが行う地域サービスは、中間層の人にとって利用しやすいものがあります。
4、信頼できる人とのネットワーク作り
身寄りがない場合でも、友人や近所の人とのつながりを築いておくことで、いざという時に助け合える可能性が増えます。
費用をかけずに支援を得るためには、こうしたコミュニティの力が重要になるかもしれません。
最後に
以上の事から良く分かったのは、人はどんなに一人で頑張って生きていても、ずっと一人だけでは生きられないということ。
いつか必ず誰かのお世話になるのであれば、早めに手を打っておくべきなのでしょうね。
とはいえ、私もですが、、
「まだまだ、そんな先の話しは...。」と、ついつい後回しにしてしまいがちですよね。。
「気付いたら、あっという間に10年が過ぎて老後になっていた。」って事になりそうなので、気を付けなくちゃ!ですね⭐︎
この記事が、皆様の老後対策の参考になれば幸いです♪
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