信用創造② ―「民間の信用創造」に込められた意志―
さて、前回は信用創造の全容を大雑把にご紹介しましたが、もう少し詳細を話しますと、「信用創造」には「2種類」あります。
「1.民間の信用創造」と「2.政府の信用創造」です。
これはややこしいことを言っているわけではありません。
構造は全く同じなのです。
「借金(負債)を申込めば、貨幣が創造される」
構造は本当にこれのみです。
ただ、同じ構造でも、登場キャラクターが異なれば生じる結果も違ってくる、という話なわけなのです。
それでは進めてまいりましょう。
先ず、「1.民間の信用創造」ですが、これは前回話した通り
「Aが、B.民間銀行に行き100万円の借用証書を渡す(借金の申し込みをする)と、Aの所持金として100万円が銀行口座に出現する。」
ということです。
しかし、何と言っても民間銀行からの信用創造、つまり借金で最も焦点が当たるのは「返済」です。
B.民間銀行は、貸し付けたAに対して「必ず返済を迫る」わけです。
当然ですね。
返済に対しては「金利」という「銀行員の所得が付随している」わけですから是非返済して欲しいわけです(金利・利子・利息については別に解説します)。
そして、それは返済が完了(完済)するまで求められるわけです。
これを見て分かる通り、
「民間銀行における信用創造」
というのは
「必ず返済が求められるもの」
であり、
最終的には「借金を0にすることが求められる」、
つまり
「1.民間の信用創造」には「『信用創造した貨幣を消滅させること』が『意志』として込められている」
というわけです。
Aはその返済の義務に答えるために、例えば100万円の資金で事業を起こし、110万円の稼ぎを得て100万円の返済と10万円の利子の支払いを行う、ということになるわけですね。
次回は「2.政府の信用創造」の話になります。