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信用創造をもっと探求しよう.1―現金の消滅―
■発端
ある人と少し信用創造について議論をしたのですが、信用創造を肯定していながら税収は財源である、という固定観念を絶対に捨てるつもりが無いようで、この人を転向させるにはどうすれば良いのだろう?と、悩みました。
とりあえず今回は、
「民間銀行の預金受付カウンターのこっち側と向こう側」
というストーリーを考えてみました。数回に分けて投稿しようと思います。
■注意
物語の中で、「銀行預金と日銀当座預金(準備預金)が必然的に連動している」ように見えますが、実際には必然的な連動はしていません。銀行預金を発生させている民間銀行の信用創造と、日銀当座預金を発生させている日銀の信用創造という個別の動きが、法制度によって連動させているのが必然的な動きに見えるだけです。
■現金貨幣の機能の消滅
ある日、民間銀行Aにある人物Aがやってきて、労働市場で得た100万円を預ける、とします。
この100万円は現金貨幣と言われる種類の貨幣です。紙幣だったり硬貨だったりする物質的貨幣です。その人物Aが生活する労働市場での商品・サービス売買に活用されます。
さて、預けられた瞬間、紙幣や硬貨といった物質的貨幣は民間銀行Aの受付窓口のカウンターの向こう側に行きます。そして、もう一度カウンターのこちら側に戻ってこない限り、現金貨幣は「労働市場」で使用することはできません。
これは
「労働市場の現金貨幣」は受付カウンターの向こう側に移動することで労働市場で使用することができる機能を「消滅」させた、と表現することもできます。
実はこの時、受付カウンターの向こう側に行った現金貨幣を正式に「日銀当座預金(準備預金)」と言います。
■現金貨幣の持っていた貨幣の価値は銀行貨幣へ乗り移ります
さて「現金貨幣」は消滅しましたが「現金貨幣の持っていた価値」は「銀行預金」という別の種類の貨幣になります。
銀行預金は銀行のカウンターのこちら側、その人物Aが生活する労働市場での商品・サービス売買に活用されます。
例えばA人物がB人物から30万円の商品を購入する時、人物AはA銀行の自分の口座からB銀行の人物Bの口座に30万円を振込みをすることで売買を成立させます。
さて、次はこの銀行振込を通じた売買の詳細を見てみるとしましょう。