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天 翔るひと
舞いられた 舞いられた
殺伐とした世に アナタ様 参られた
純白の翼を 大きく羽ばたかせ
翔けて駆けて 降臨された
ここは深い森の湖 静寂と霧が包みこむ
太古の昔からある聖域
誰も 踏み入れたことはない
真空は何処までも澄みわたり清廉
開け放たれし闇に 望む月は煌々と水面を照らす
始まりと終わりを繰り返す月の乱舞は 静
精霊 光へ木霊する
白き御足をシャラリ…と鈴音色に弾ませながら湖畔へ浸かる
金粉ふりまく美しい鬣を 涼風にたなびかせ しばし休息
嗚呼、身体から放たれる御光は強く輝き 霧は濃密さを増す
上空 振りかえれば月光 虹貝色の角に宿らせ
異世界の幻想を集めながら
月人へ
アナタ様 白銀の竪琴を持ちて深呼吸すると 美しい指先で刹那の音を奏でられた
届かない永遠の今が 響きわたる
聖なる音霊に 生き物らは命奮い立たせ光となる
その 儚げな神秘の頂きに呼応す
光 絶頂へ満ちてゆく
時 刻まれし 今
天翔けるひと 飛翔する
水面に 静 の波紋を残して