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【フェリーに】徳島旅行記 (前編、東京→徳島フェリー編)【乗ってみた】
こんにちは。先日徳島に旅行をしてまいりました、dylaです。
かねてより徳島の鳴門に位置する「大塚国際美術館」という美術館へ訪れたいと考えていた私は、どうにか手に入れた束の間の休息期間を存分に活用するべく、この旅行を敢行することにしました。その、旅行記です。
徳島旅行記の前編 [東京→徳島フェリー編] では、東京在住の私が徳島へ行くために何故かフェリーすなわち船を使って移動をした話です。
今回の旅行のスケジュール感
今回私は5泊6日の旅行で、うち前半3日間を徳島旅行に当てました。
後半3日間は京都で紅葉を見ていましたが、本旅行記では割愛します。
DAY.1
17:30 東京駅八重洲口 発
18:00 フェリー乗り場(東京(有明)のりば)着
19:00 乗船
19:30 フェリー、東京港 発
DAY.2
13:20 フェリー、徳島港 発
14:00 徳島駅 着
=== 前編↑↑・↓↓後編 ===
15:00 鳴門駅 着
DAY.3
10:30 大塚国際美術館 着&入館
15:30 大塚国際美術館 退館&発
18:30 京都駅 着
DAY.0 フェリーを予約する
よく旅行系YouTuberの動画を見ている私は、夏頃に徳島から東京へフェリーで行ったYouTuberの方の動画を見つけました。
皆さんは長距離フェリーに乗ったことがありますか?
国内旅行をしていると、広島と宮島を結ぶだとか、九州本島と離島を結ぶだとか、そういう乗船時間1, 2時間程度のフェリーに乗ることはちょこちょこあります。
ですが、なかなかフェリーで泊まるような経験はないのではないでしょうか。
私自身、新潟県という皆さんからしてみれば雪と米と酒しかないような都道府県でわんぱくに育っていた頃に一度だけ、新潟から北海道へ行く長距離フェリーに乗ったことはありました。
しかし既にそこから十数年の長い月日が流れ、既に記憶というよりもむしろ淡い思い出になりつつあり、そのYouTuberの方の動画は気になりすぎるには十分でした。
ぼく .。oO( え、おもしろそ。乗るか。
その動画は徳島→東京のフェリー動画でしたが、来るモノがあれば行くモノもある。「オーシャン東九フェリー」という会社 (?) が運営する東京→徳島のフェリーの存在に辿り着きました。
↓↓ オーシャン東九フェリー さん。HPがおしゃれ。↓↓
該当のフェリーは、東京(有明) - 徳島 - 福岡(北九州、新門司)を結ぶ便でした。すなわち徳島は経由地なわけですね。基本的に1日1便各港から出発していました。
後々判明したことで、このフェリーはどちらかというと観光とかビジネスインフラとかというより、長距離トラックで物資の移動をする方々がショートカットとして利用するもののようです。
片道料金は、いちばん安い部屋ですと、2022年11月現在、
[東京→徳島] の大人料金:14,050円 / 人
[東京→福岡] の大人料金:20,030円 / 人
でした。学生の場合、ここから約3,000円ほど安くなります。
*そこから更に、良い感じの部屋にすると部屋代が、そしてこのフェリーはカーフェリーに当たるため車や自転車のような乗り物と同乗させるとその同乗代がかかります。
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いちばん安い部屋の当たる「2等洋室(相部屋)」という部屋のイメージは相部屋という名ではあるものの、カプセルホテルを想像してくれると最も近いです。詳しくは後ほど。
予約締切に関しては、Webで予約する場合は乗船の2日前まで、電話や港で直接予約する場合は乗船当日まで可能なようでした。
ちなみに、Webや電話からの予約の場合はキャンセル料がかからないとのことでした。すごい。太っ腹。
私は、この [東京→徳島] 便のいちばん安い「2等洋室(相部屋)」のチケットを予約しました。
DAY.1-0 フェリーに乗船する
当日、まずフェリーの乗り場へ行く必要があった。
東京の乗船場所は有明の港。
TOKYOベイエリア在住の私は一瞬で「お、ゆりかもめがベターか?!」と思いついたものの、まさかのゆりかもめはトラップ。
![](https://assets.st-note.com/img/1669711610222-C0MOeXDzGG.png?width=1200)
天下のGoogleMapさん < 最寄りのビックサイト駅から徒歩22分やで〜〜
KUSOデカスーツケースを持っているぼく .。oO( 阿呆かぁぁぁぁぁァァァァ!!
(参考として、徒歩22分というのは、新宿駅南口から原宿駅の手前までの距離感と近いです。)
という感じでゆりかもめを利用する方法は却下となった。
どうもオーシャン東九フェリーさんの公式サイトを見ると、公共交通機関を利用する場合はJRの高速バス [東京駅八重洲南口 → 東京港フェリーターミナル] 路線がおすすめとのことでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1669711904886-NAwaskja7G.png?width=1200)
八重洲南口からフェリー乗り場の施設まで所要35分ほどで行けるようでした。しかも高速バスのためスーツケースを格納できるバスです。
↓↓ JRバス該当路線HP ↓↓
ひとつだけ面倒だなと思ったことで、オーシャン東九フェリーさんの公式HPでは「出発の1時間前くらいに到着してほしい」との旨がある、すなわち平日ダイヤ [19:30出港] から逆算して18:30頃にフェリー乗り場に到着したいことに対して、この高速バスはどんなに遅くても17:30発→18:05着が限界でした。
ちょっとスケジュール的に早い。
* ちなみに繁忙期は18:20発→18:55着のバスや20:00発→20:35着のバスもあるようなのですが、どちらにせよ18:30頃には到着したいのでちょうど良い便はありません。
ビックサイトの駅から徒歩22分と比べればまだ良いので、これを利用します。
DAY.1:17:15頃、東京駅八重洲南口にある、東京駅のマクドナルド周辺の出口を出てすぐ右にある、ガラス張りの切符発見場へ行きました。
画像はありませんが、「JR 高速バスのりば」とめちゃめちゃ大きい文字の建物に入ると券売機があります。
新幹線の切符を買うのと同じ感覚で切符を買った後、該当の乗り場へ行きました。
短距離路線すぎる便なものの、まさかの「大阪行き」とか「仙台行き」とかと一緒のバス乗り場で、正直なところ焦りました。その日は6番のりばでした。(日によって違うらしい。)
大体10分前くらいにバスが来て、乗れました。
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DAY.1:17:30、定刻通りバスが出発しました。
一応、定員に達した場合は乗車不可とのことでしたが、定員数十人に対して乗車人数は私を含めても5人ほどでした。なので恐らくそのへんはあまり気にせず大丈夫。
* 万が一、ここで乗れなくても、東京駅→(JR)→新橋駅→(ゆりかもめ)→東京ビックサイト駅→(徒歩22分)→フェリー乗り場、という手段が所要1時間弱程度なので余裕だと思います。
天下のGoogleMap先生上とは少し異なる下記のようなルートを通りました。
![](https://assets.st-note.com/img/1669713736347-Zh0ybP0Uec.png?width=1200)
車内は普通の修学旅行で観光案内をしたり空港から大きめの駅まで繋いでいたりするタイプの短距離型高速バスでした。充電用のUSB端子あり。
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バスは東京駅八重洲口を出発した後、国際展示場駅やビックサイトで停留した後、目的の東京港フェリーターミナルへと向かいます。
東京港フェリーターミナルは有明の島を抜けた更に奥にぽつんとある島に位置しております。この島に入ると "人が住んでいる" という気配は全く無く、見えるのはコンテナや大型トラックそして港の出入り口と港関連であろう簡素な建物ばかりでした。
DAY.1:18:05、約30分ほど走った高速バスは定刻通り東京港フェリーターミナルへと到着しました。
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バスの到着地点は東京港フェリーターミナルの建物の目の前でした。入り口まで徒歩15秒。
当日は真っ暗だったので建物の外観はよく見えませんでしたが、視認できた範囲でもこの建物も埠頭内の他の建物と同じく旧ソ連時代の建物なのではないかと思うほど簡素なコンクリート造りの物寂しい建物でした。観光用だからもう少し豪華な感じでもよくないか?
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物寂しさを感じながら中に入ってみると、意外と屋内の案内掲示板は青地に白文字というなんとも港の香りがするオサレ仕様でした。
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3階建ての建物と言えど、鉄道の駅や空港とは異なり建物内の施設は券売機と待合室と自販機と化粧室という本当に必要最低限のものでした。
どうも軽食の取れる飲食店のようなものの形跡はあるのですが、こういうご時世だからなのか、採算が取れないからなのか、夜だからなのかよくわかりませんが営業はしていませんでした。
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DAY.1:18:15、ちょっとした散策を終えた私は、乗船までにやっておかなければならない唯一の作業、乗船券の発券を行いました。
入り口が1Fで、入り口すぐのエスカレーターを上がって2Fに行くと券売機があります。券売機は空いていて、1分くらいで発券完了。
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乗船券が発券できたらあとは乗船するのみ。
待合場がこの1階上の3Fにあるので、上がる。正直なにも無い建物ではあるものの、一応途中で散策をした。
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ここに来て見返してみると、待合場の写真が無かった。残念。星野源さんが写っているAppleMusicの広告の感じだと思ってくれれば良い。たくさんの椅子と大きな窓があった。
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画像引用元:星野源さんの公式Instagram
DAY.1:18:30、うん、暇だ。出港が19:30で「出発の1時間前くらいに到着してほしい」しっかり守りちゃっかり30分前行動までしたのに、暇だ。
その文言を書くのだから1時間前くらいに乗船が開始されるか或いは乗船にかなり面倒な手続きがかかるか或いは羽田空港の如くいくらでも暇つぶし可能な施設かと思ったが、そのどれでもなかった。特になにもなかった。
お役立ちtipsで、パッと見コンセントやUSB穴は無かった。もしかしたらどっか特定のところにはあるのかもしれないが、このへんは空港の待機場と同じ感じだ。
とりあえず大きな窓の奥に居る恐らくこれから乗船するのであろうクソデカフェリーがずっと目にチラつくので、眺めることにした。
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ずっと眺めていると今までの人生で見た中で最大サイズであることが容易に想像されるクソデカトラックが何台も船の尾らしき場所へと吸い込まれていった。たまにショベルカーのような重機を背に乗せたトラックもいた。
クソデカトラックの後は数台一般車が吸い込まれていった。たぶん船の世界というものは、飛行機でビジネスクラスパーソン・身体が不自由な方やお子さん・一般人という序列があるように、トラック・一般車・人類というカーストが定められているのだろう。
DAY.1:19:00、約30分間に渡りトラック様を眺めていた我々人類が遂に乗船の時間となった。うん、次から18:45とかにこの建物に着いても大丈夫なんじゃないか?(ただし公式HPには繁忙期は混むとあった。)
飛行機のような手荷物検査があるわけでもなく、待合場の奥の方で先程発券した乗船券のQRコードを係員さんの持つ端末で読み取ったら乗船手続きは完了だった。
長い連絡橋を抜け、いざ、乗船である。
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DAY.1-1 いざ、フェリーの旅→夜編
DAY.1:19:05、乗船完了。
フェリーに乗ったらまずはスーツケースを置くためにお部屋を探す。
船内地図を眺めるとフェリーの中は、船首方向(下の地図だと左側)から順に、休憩エリア・客室エリア①・洗面所やトイレや風呂のエリア・客室エリア②・食堂エリア、と大別されているようだった。
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乗船した場所は上の地図でいう右上、すなわち食堂エリアのあたりだった。
私の部屋はちょうど真ん中あたりの客室だったのでそこをめがけて向かった。
部屋へ向かう途中、屈強な半袖のオッさん一行がなんのために使うのかもよくわからない複数のクーラーボックス食堂のテーブルにおいているのが見えた。
客室のゾーンは割と普通だった。ホテルに近い。敢えてホテルと違うというのであれば、床がツルッツルなことだ。
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自分の部屋を見つける。B20号室の046だ。
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どうもこのフェリーの最安運賃というのはカプセルホテルのような仕様になっており、1つの部屋に2段ベッド的な構造体が6〜8台設置されている。海外でよくある激安ホステルみたいなそういう感じだ。
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画像引用元:オーシャン東九フェリー 公式HP
自分は2段の上段だった。この便の乗船人数はベッド数に対して相対的に割と少なかったからか、どうも我が部屋は全員上段のようだった。
カプセル内部は、布団・ライト&コンセント・ハンガー・簡易的な小物置き、といった風に通常のカプセルホテルと殆ど同じ設備だった。
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入ってみると、温度や湿度は適度だった。
消防法的なものはここにも適応されているのか知らないが、普通のカプセルホテル同様に部屋の仕切りはあくまでカーテンであって、扉のようなしっかり閉じるタイプのものではなかった。
ちなみに窓は、無い。
スーツケースは流石に大きすぎるなと思い食堂エリアにある返却式コインロッカーを使おうと思った。
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この旅行はトータル7泊だったので80Lのかなり大きいスーツケースで来たところ、全くもって入らなかった。
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乗務員の人に聞いてみると、コインロッカーはここだけなので諦めてカプセルのそばに置いてくれとのことだった。私は止む無くカプセル上段に上がる小階段の狭い踊り場にスーツケースを置いておいた。
DAY.1:19:30、出港。
一通り身支度を済ませたころには出港の時間になっていたので、デッキに上がることにした。
デッキに上がる階段はかなり急だった。御老体だったらコケて命の危険があるような気配がするレベルだった。
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11月末だったので流石に東京の湾上は寒かった。
この日は曇りで小雨だったのでベイエリアを眺めてもあまり綺麗ではなかった。
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5分くらいデッキ上にいたら風邪を引きそうな気配がしたのでさっさと船内に戻った。靴が濡れていて滑るせいでさっきの急な階段を降りるときかなり怖かった。
DAY.1:19:45(出港から15分)、割と良い感じの時間になったのでご飯を食べることにした。
今回の目玉、それがフェリー飯である。
この東京→徳島→新門司フェリーは長距離にも関わらずレストランが無い。その代わり、全て自販機で食事を賄うフェリーとして名を馳せている。
食堂には10台以上の様々な自販機が置かれている。全て中身は違うのだ。
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おにぎりやパン、弁当、おつまみ、お菓子、お湯を入れるタイプの食べ物、普通のドリンク、アルコール類、アイス、なんでもある。
酒はアサヒスーパードライから金麦、氷結、ストロングゼロ、角ハイ、ほろ酔い、とレパートリ豊かなのは想像できるが、特筆すべきは弁当類である。
長期保存ができ、なおかつレンジで温めれば熱々で食べれるものが揃っているのだが想像を超える。
そばうどんみたいななんともありそうなのは勿論のこと、カレー、中華、ビビンバ、からあげ、ガパオライス、なんでもある。流石に驚いた。
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ちなみに、全て現金払いである。当たり前である。Suicaもクレカもidも使えてたまるか、現金の無いやつはすなわち空腹に苛まれる道なのである。
この最初のご飯はパッと見で美味しそうだったお好み焼きと肉まんにした。
自販機のそばに電子レンジが10台ほど置かれている。うち6台ほどは自販機1台1台と対応しており、1つの自販機で売っている各食品がレンジの各ボタンに対応しており、それを押すと適切な時間で温めてくれるというやつだ。
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弁当類は温めるのに3分ほどかかるので夕食時と次の日の朝食時といった混雑時間帯は若干待機が必要となったりもする。
温めが終わると、電子レンジの近くに紙皿や割箸やプラスチックのフォークスプーンといった使い捨てカラトリーが置かれているので必要なものを取って好きな席へ向かう。ちなみに松屋で置かれているようなタイプのお茶も出る無料セルフ水も置いてある。
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食堂の席は全て自由席で、一人用だったり二人用だったり四人用だったり様々だった。この時間帯は8, 9割の席が埋まっていた。
船すげーなと思ったことで、椅子は基本的に固定されているか床にロープで繋げられていた。揺れてどっか行っちゃうのだろう。
ご時世らしくアルコールとかがいっぱい置いてあった。壁に面した席は大抵コンセントがあった。
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せっかくだったので窓に面した一人席に座った。離岸からそれなりに経ったので東京ベイエリアがだいぶ遠くなっていた。
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ということで、温めたお好み焼きと肉まんを開封した。美味そう!
勿論味は美味かった。
盲点で、お好み焼きのタレはレンチン不可だったのでそのままにしていたところ、しっかり凍っていた。どうにか予熱で溶かしたが、なんか妙な食感だった。
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食べながら船内を眺めていると、乗船した最初のとき見かけた半袖のオッさん一行も健在で、何のために使うのかわからなかった複数のクーラーボックスから無限に酒と氷をテーブルに出していた。ああ、酒盛りガチ勢なのか。
自分はと言うと、酔い止めを飲んだばかりだったので酒は一旦遠慮しておくことにした。
DAY.1:20:15(出港から45分)、ゆっくりご飯を食べ終えた頃にはスマホの電波がほぼ0になっていた。窓の外を眺めると陸はそのへんに見えるが、それでも電波は届いてくれなかった。
とりあえず満足したので、一旦部屋に戻った。
部屋に戻って気づいたことがある。少し、揺れる。船の中で読もうと思ってkindleに本を入れていたのだが、酔い止めを飲んでも流石にそれは厳しそうな気配がした。
諦めて予めスマホにダウンロードしておいたNetflixの作品を観た。
ちなみに船内に娯楽はあるのかというと、若干ある。
まず共用テレビだ。風呂エリアにある。
イメージとしてはスーパー銭湯とかによくあるちょっとしたあのテレビである。リモコンがそのへんに置いてあって、誰でもチャンネルを変えられる。常にヌシみたいな爺がリモコンを握っていたので私はあまり使わなかった。
このテレビは東京湾を超えて陸が見えなくなったころには映らなくなっていた。意外と楽しめる時間は短かったようだ。
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そしてちょっとしたゲーセンがある。移動距離の長い船というのは往々にしてゲーセンが存在するイメージがある。
ジャグラーとかスロットが置いてあった。
しかしながら乗船中、誰もゲーセンで遊んでいる人を見つけることはできなかった。
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こんな感じで共用テレビとゲーセンはあるが、逆に言えばそれ以外は無い。一応ちょっとしたお土産売り場とかはあるものの、娯楽と言えるほどの娯楽は無い。
……みんな何してるの?!
結局下船までの約18時間、この疑問は解決できなかった。
DAY.1:20:50(出港から1時間半)、頃合いかと思い風呂に入ることにした。
風呂用のタオルはお土産売り場に売っていた。数百円だったと思う。このタオル、返却口が無く、持って帰って良いものなのかどうなのかよくわからなかった。
アメニティ類は共用テレビ裏の自販機群に売っていた。タオルだけは例外だが、基本的にそれ以外のものはこのフェリーにおいて自販機調達なのだ。
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生活に必要なものは大抵販売している。酔い止めとかアイマスクとかスリッパとかも売っていた。フェリーっぽい。
サンダルとか特に持って来なかったので風呂上がり後のことを考えてスリッパを買った。
風呂はけっこう綺麗だった。白と青を基調としており、洋風とも和風とも言えない不思議な雰囲気だった。
私が入ったとき入浴客は他にだれも居なかった。
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画像引用元:オーシャン東九フェリー 公式HP
船の構造を生かしており、湯船の幅は長いのに奥行きが異常に狭かった。イメージでいうと、銭湯とか温泉とかの寝て入るタイプのあれの幅感だ。
身体を洗っているとめちゃくちゃジャッパーンという音が聞こえる。一体なんなのかと思って湯船を見ると、船が揺れるせいで最も傾いた直後盛大に湯船のお湯が飛び出し溢れる音だった。
成分もKUSOも無いただのお湯ではあったが、けっこう良い湯だった。窓はあってもこの時は夜で殆ど何も見えなかったため、明日朝になったらまた入ろうと思った。
DAY.1:21:30(出港から2時間)、風呂から上がりさっぱりしたのでせっかくだったので自販機の旅Part.2を敢行した。
今回はモツとビールである。
沖に出てから更に揺れが酷くなり、酒を本当に飲んでよいのかという思いはあったものの、そんなのは関係ない。旅は情緒なのだ。
勿論、美味かった。美味くないわけがない。
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DAY.1:22:00(出港から2時間半)、消灯の時間だった。
消灯とは言っても、各部屋の電気だとか廊下の電気だとかをちょっと小さくするだけで、別に必ず寝なければならないだとかそういうのでは無い。まあ、明るいと寝づらいからだろう。
どうも外はシケているようで揺れが更に酷くなってきたので自分も歯を磨いたりしてから寝ようと思った。
洗面所はめちゃめちゃ綺麗だった。勿論このフェリーはどこもそれなりに綺麗なのだが、洗面所は突出して綺麗だった。なんでここだけこんなに綺麗なんだ。
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歯を磨いたりなんだりした私は部屋に戻り、寝た。
DAY.2-1 いざ、フェリーの旅→朝編
DAY.2:7:30(出港から12時間)、起床。
なぜか健康的に目が覚めた。
電波は通っていなかったがGPSは効いていたので見たところ、紀伊半島沖にいた。
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とりあえずなんか朝ごはん食べに行くかということで毎度おなじみ食堂エリアへ行った。
朝は少食なのでカレーパンとコーヒー粉と氷を買った。ちなみにカレーパンはもちろん要あたためである。
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私はアイスコーヒーが大好きなのでコーヒーの粉と氷でアイスコーヒーを作った。
あいにくの曇りではあったが、朝となり遂にはっきりと視認できるようになった広大な太平洋を眺めながら飲むアイスコーヒーは美味い。
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コーヒーを飲んでちょっと満足して自販機を眺めていたら「かつおスティック」という妙に塩分の足りない朝をざわめかすものを見つけてしまったので、買った。朝食その2だ。
これもめちゃめちゃ美味かった。このフェリーの中で食べたものはどれも美味かった中で、このかつおスティックと最初に食べた肉まんはぶっちぎりで美味かった。
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DAY.2:8:00(出港から12時間半)、朝食も食べなんか元気になったので未開の地、船首すぐの休憩エリアを探索しに行った。
船首すぐの休憩エリアはちょっとした長椅子がいくつか置いてあるだけだった。
ただ、今までと違ったことで、船の進む方向に窓があった。(今までは船の横?方向に窓があった。)
ちょっとおもしろかったのでその窓を眺めていたら最悪だった。
下の写真は同じ位置から撮影した別々のタイミングの写真だ。撮影間隔はだいたい30秒くらいだった気がする。
![](https://assets.st-note.com/img/1673783738519-DoS8SPfqgC.png?width=1200)
写真中央あたりの白い格子は船首デッキの柵である。左の写真は最も太い横に伸びた柵の上に境界線があるけど、右の写真は下にあるね。この境界線、水平線だね。うん。
たった30秒でめちゃくちゃ上下に揺れてるじゃねーか!!
専門用語でいわゆる「ピッチ」と呼ばれる縦方向の揺れがすんげーありました。まあ、昨日風呂に入った時点でわかってたけど、こうやってみると、さ。
なんか気持ち悪くなったので一眠りすることにしました。
DAY.2:12:00(出港から17時間半)、一眠りしたり二度目の風呂に入ったりした後、昼ごはんタイムがやってきました。13:20徳島港着なので、あともう少し。
途中、南紀あたりを過ぎたときはかなり陸に近づきました。
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お昼ごはんは気になっていたガパオライスと味噌汁にしました。
もうここまで来ると見慣れた光景になってきてましたね。うん。
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なんかガパオライスでフェリー旅が終わるの癪だなと思ったので、ラストフェリー飯、あんみつを食べました。美味い。この徳島旅ののち京都へ直行する予定でしたので、それがすごい楽しみになった。
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ご飯を食べた後、荷物を綺麗にして最後にまたデッキへ舞い戻りました。
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雨を浴びてびっちゃびちゃでしたが、なんか船旅けっこう楽しかったな〜とか思えたので、良かったです。
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DAY.2:13:00(出港から18時間半)、徳島港着岸。
ここから人が降りるための調整フェーズに船は入ります。
同じ頃、船内放送で徳島で降りる人たちは下船口に近い食堂に集まってくれというアナウンスがありました。
昼ごはんを食べているひとと相まって食堂はめちゃめちゃ混んでいました。今思うと50人くらいは乗船していたんでしょうかね。
50人くらいうち大半はガタイの良いラフな格好のおっちゃんで、おそらくトラックの長距離ドライバーなのだと思います。若者は私ともうひとりくらいでした。、年配のグループも数グループほどありました。
ありがとうフェリー。シケてたせいで揺れてめちゃめちゃ大変だったのはさておき、楽しい思い出になったよ。
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DAY.2:13:20(出港から19時間)、下船。徳島、上陸。
連絡橋を伝い、徳島のフェリー降り場へと行きました。
フェリー降り場の建物は地域の公民館みたいなすっげー簡素で小さい何階建てかの建物でした。
特に降り場に用はないのでさっさと出ました。
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すると出てすぐのところに徳島駅行きのバスが着いていました。おれたちのことを待っていたな。
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東京駅から東京港まで行ったときと異なり、ただのよく街に走っているバスでした。例の通り大きめのスーツケースを持参していたのでちょっと不便だった。
おそらくもう乗る客はいないだろうな?みたいな感じになったら出発しました。下船からけっこう余裕はあった。
出発後、30分だったか40分だったか徳島の街並みを走ると、徳島駅に着きました。
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しかし今回の目的は鳴門に位置する「大塚国際美術館」。ここから鳴門へ向かいます。
前半はここまで。後半……書くと良いけどな……