膠水の作り方【補足等】
ご覧いただきましてありがとうございます。
今回の記事はこちらの動画の補足になります⬇︎
膠水(にかわすい)とは?
まず膠水とは日本画の絵具に必要な糊です。顔料(色の粉)に膠水を混ぜ込み絵具になります。膠水がなければ画面(紙)に定着せずにとれてしまいます。
日本画では濃度約10%で膠水を作り、絵具に使用するのがスタンダードです。私の場合は8%〜12%で調整します。
膠の種類
膠は動物性のタンパク質です。牛、鹿などが使われることが多く、皮や骨から採取して加工したものです。
膠にはいくつか種類があって動画で使用しているものは三千本膠になります。他には鹿膠、板膠、粒膠などがあり、接着の強さや凝る温度、色、匂いなどが違ったりします。
三千本膠は最もポピュラーな膠であり、良く日本画でも使用されます。
三千本膠⬆︎
動画に沿って必要な部分の解説
①用意するもの
ここで膠水を作るにあたって必要なものを載せていますが、基本的には同じ様なものでしたら代変え可能です。(例えば 絵皿→プラスチックのカップ、紙コップ。瓶はどの様なものでも大丈夫です。)
タオルは固形の膠を折る際に手を怪我しない様に使用しています。固形に膠は折った部分が鋭利なので怪我することがあります。折る際に力が必要なので、女性の方でしたらペンチを使っておると折りやすくなります。
②膠に熱を加えて溶かす
動画内では電子レンジを使用して膠を溶かしています。
本来は膠を煮るための専用小鍋がありますが、こちらの方が経験上手軽なので紹介しました。十分にふやかしてあれば30秒もかからない内に溶けてしまいますので、長くチンしすぎない様に注意が必要です。
鍋に水を張って、コンロで冷水から加熱しても出来ます。
③溶かした後よくかき混ぜる
レンジから取り出した後、割り箸等でよくかき混ぜてください。
瓶の底に膠が溶け切らずに沈殿していることがありますので、ここできちんと溶かしきります。(溶けきらないと膠の濃度が変わってしまいます)
④不純物を取り除く
膠には不純物(ゴミ)が含まれていることがありますので、それを確認します。不純物が含まれていると、絵具にもゴミが混ざりますのでそれを避ける為にもこの段階で取り除きます。あと保存時の腐りやすさにも影響します。
動画内では茶こしを使用していますが、漏斗(ロート)などを使ってもできます。茶こしは割と目が細かいので使いやすいです。
今回の膠からは結構細かいゴミが取れています。
膠水の不純物を取り除けたら完成です。この状態から使用可能です。
⑥保管について+注意点
保存する際には瓶にフタをして冷蔵庫に保管します。冷蔵庫に入れないとすぐに腐ってしまいます。冷蔵庫に入れるとゼリー状になります。再度使用する場合は同じ様にレンジで20秒程チンします。
〈注意点〉
・膠の種類にもよりますが、約20°以下になると固形化していきますので、冬場は凝ってゼリー状になりやすいです。制作時には室温注意です。
・保管していても約1週間程度で膠は腐るので、期限をつけて早めに使うことをおすすめします。特に夏場は注意です。
・冷蔵庫に入れてもゼリー状態にならない時は腐っているということになります。匂いもキツくなるので処分しましょう。
補足は以上になります。
Amazonにもありましたので、下記にリンク貼っておきます。
⬇︎5本セットの飛鳥、三千本膠です。の三千本膠では最も
(現行品の三千本膠では最もポピュラー。使いやすいのでおすすめです。)
⬇︎こちらは透膠液という商品ですが、液体の膠として販売されています。動画の様に自作しなくても良いので楽ちん、しかもすぐに使える。保存もしやすです。
京都府在住。画家(アクリルor膠彩画)。現代社会に生きながら、人々の痕跡を見て暮らしています。人が沢山いる所に居ても、なぜか寂しくなるだけ。だから『何か』をして楽しみたい!というのが行動動機です。