
山田 望 ペラギウス派と古代東方神学 1 プロローグ(1)――自由意志と恩恵の協働
やまだ・のぞむ●教皇庁立ラテラーノ大学附属アウグスティニアーヌム教父学研究所客員教授を経て、現在、南山大学教授。
研究のきっかけ
私が南山大学の恩師、ハンス・ユーゲン・マルクス教授の「恩恵論」という授業の中で、ペラギウスとアウグスティヌスとのいわゆる「ペラギウス論争」について初めて学んだのは、一九八八年、今を去る三六年前のことであった。授業の中でマルクス教授が、「これまでにペラギウスやペラギウス派の研究をやろうという日本人は一人もいなかったので、誰かにやってもらいたいと思っている。」と話された時、「よし、それでは自分がペラギウス研究を手がけてみよう」、そう思って決意したことを、私はつい昨日のことのように覚えている。
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