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届くもの、届かなかったもの
ワールドカップまっただ中です。
グループステージを終え、各国チームの戦いはさらにヒートアップ。思わぬジャイアントキリングや番狂わせがあったり、素晴らしいプレーに感動したりと、ますます目が離せません。
さて、我らが日本代表はグループステージ第2節のコスタリカ戦では攻守が噛み合わず、まさかの敗戦。ノックアウトステージ進出に黄色信号が灯りました。
そして迎えた運命のスペイン戦。
勝ち点差や得失点差を考えるのではなく、とにかく勝つのみ。願いはひとつでした。
現地には多くの日本人サポーターが集い、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)名誉総裁の高円宮妃久子さまも、スペイン戦を観戦されたそうです。
🏆FIFAワールドカップカタール2022
— AFCアジアカップ公式 (@afcasiancup_jp) December 1, 2022
🇯🇵#日本、ラウンド16進出!
🥳おめでとうございます🎉#サッカー日本代表#SAMURAIBLUE#FIFAWorldCup #Qatar2022#AFC🇶🇦🇯🇵🇮🇷🇰🇷🇦🇺🇸🇦 pic.twitter.com/cf5KCd0KxI
色鮮やかなサムライブルーのお召し物と青いネイル、よく見るとキーパー柄のマスクも。まさに日本代表一色で、こちらまで嬉しくなります。
今大会わたしが注目している日本選手は、前田大然(まえだ だいぜん)選手です。前田選手については、こちらをどうぞ。
前田選手はドイツ戦以来のスタメンでの出場。コスタリカ戦の悔しさを力に変えて、思いきりプレーしてほしい。
しかしながら、相手はやはり強豪スペイン、立ち上がりに先制を許してしまいます。その後も苦しい展開が続きましたが、前田選手はピッチを駆けまわり、献身的なプレーをしていました。
そして後半早々に、日本にチャンスが訪れました。
同点弾となった堂安選手の豪快なゴールは、前田大然選手や伊東純也選手たちの、相手への執拗で猛烈なプレスにより生まれたものだと思います。
そして世界をあっと驚かせた、あのシーン。
ペナルティーエリア内右から堂安選手がグラウンダーのクロスを送ると、大外にいた三笘薫選手が折り返し、田中碧選手が押し込みゴールを決めました。
三笘選手の折り返しはVAR(Video Assistant Referee・ビデオ・アシスタント・レフェリー)によりインプレーと判定され、ゴールは認められました。
【W杯】日本の決勝点は紙一重「ボールインプレーおよびボールアウトオブプレー」1ミリの境目 #FIFAワールドカップ #W杯 #Qatar2022 #森保ジャパン #サッカー日本代表 https://t.co/UOcv1p8rfk
— 日刊スポーツ (@nikkansports) December 1, 2022
三笘選手の最後の1ミリまで諦めない、強い気持ち。そしてゴールを決めたのは、三笘選手と子どもの頃からずっと切磋琢磨してきた、元チームメイトの田中選手。運命的で、奇跡のプレーでした。
しかしながら、わたしは何度も流れるあの映像を見るたびに、やるせない気持ちになります。
前田選手の足が、届かなかったから。
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スポーツは結果がすべてです。
折り返しだったのか、シュートだったのか。
届いたとしても、シュートを狙うコースは限りなく狭かったと思います。それに、ゴールになる確率はどれだけあったのか、素人には知る由もありません。
でも、このときゴールの一番近くにいたのは前田選手で、ボールにあと一歩届かず空を切る左足を見るたびに、胸がぎゅっと苦しくなります。
届くもの、届かなかったもの。
その差はほんの僅かだけど、残酷なほど大きい。
結果的にこのゴールが決勝点になって、日本代表はノックアウトステージへ進出することになり、日本代表の運命を、そして選手たちの運命を変える重要な局面になりました。
その後も献身的なプレーを続けた前田選手は、後半17分で交代。ピッチを後にする際の表情が印象的でした。怒ったような、厳しい表情をしていて。
何を思っているのだろう。
できるならいつか、その胸のうちを聞いてみたいです。
チームに貢献していた前田選手。
よくやった、お疲れさまという気持ちと、でも悔しかったよね、まだまだそんなものじゃない、もっといけるという気持ちがあります。
クロアチア戦でもピッチを駆けまわり、まわりをあっと驚かせ、そしてゴールを決める姿を見せてほしい。
いよいよノックアウトステージへ進む日本代表チーム。これまでチームが果たせなかったベスト8という新しい景色は、手の届くところまできています。
こころをひとつに。これからも応援しています。
もっと行こう、もっと行こう。
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