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サトイモ・ザ・ワールド。世界最大級の花ショクダイオオコンニャク ~5月の植物園めぐり~
ショクダイオオコンニャクの花が咲いたとニュースで知り、茨城県つくば市にある筑波実験植物園へ行ってきました。
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筑波実験植物園は、国立科学博物館が植物の研究を推進するために設置した機関です。園内には日本に生育する代表的な植物をはじめ、世界の熱帯や乾燥地に生育する植物や、熱帯雨林、サバンナ、水生などの温室があります。
受付を済ませ、ショクダイオオコンニャクの花が咲く熱帯雨林温室へ。
サトイモ科の絶滅危惧植物
温室の入口には、ショクダイオオコンニャクに関する展示がありました。
ショクダイオオコンニャクは、インドネシア・スマトラ島の限られた場所に生えるサトイモ科の絶滅危惧植物です。
土の中にあるイモから芽が出て、葉の生育と休眠を繰り返しながら、数年おきに花を咲かせるそうです。
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巨大な花の集まり(花序)は大きいものでは高さ3m、直径1m以上。なお、現在の日本最高記録は2014年に筑波実験植物園で開花した2m72cmなんですって。
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今年花が咲いた個体はふたつあり、それぞれのプロフィールがありました。大きい個体は小石川植物園生まれの31歳で、開花は6回目。
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小さい個体は京都府立植物園からやってきて、初めて花が咲いたそうです。イモの植え替えをすると、花芽が出やすいのかな。
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パネルのそばには、塊茎(イモ)の模型がありました。
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まるで巨大な石。よいしょと持ち上げても、手前側がかすかに浮いただけでした。
どんなにおい?
ショクダイオオコンニャクの花は、とても臭いと聞いていました。
しかしながら花のにおいは無くなってしまったそうで、代わりに人工的に作られたにおいを嗅ぐことができました。
職員の方曰く、くさいという人と、たくあんのいい香りという人がいるとのこと。おっかなびっくり、透明ケースをくんくん。
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あれ、思ったよりいいにおい……
たくあんのような、小バエ取りの粘着テープのようなにおいがしました。
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この独特のにおいに誘われたシデムシの仲間が、受粉のお手伝いをしてくれるんですって。
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いざ温室へ!
外階段を登り、2階から熱帯雨林の温室の中へ入ります。
ちなみに、4月30日に訪れたときのショクダイオオコンニャクは、たけのこみたいでした。
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むわっとした温室の細い通路を進んでゆくと、下の方でざわめきが起こっています。
あーっ、ショクダイオオコンニャクの花、発見!!!!!
2階にまで届きそうなほどの大きさは想像以上で、ちょっと面食らいました~!
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そして小さいショクダイオオコンニャクは、花の部分がパタリと倒れていました。
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階段を降りて、ショクダイオオコンニャクの近くまできました。
高さ190cmの花序付属体は倒れていましたが、それでも見上げるほどの高さです。
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花序のまわりを覆う仏炎苞は、赤紫色の白菜みたい。近くへ寄ってにおいを嗅いでみると、かすかに独特のにおいがしました。
仏炎苞にある四角い穴から、巨大な花の集まり(花序)を覗くことができました。
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赤い部分が雌花で、つぶつぶした白い部分が雄花。大きな花ですが、花の中はとても繊細です。
また、葉が成長したショクダイオオコンニャクもありました。茎は直径10cmほど、高さは3mほどあったように思います。
大きな黄緑色の葉がきれい。
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何かに似ている……そうだ、つるむらさきだ。
つるんとした茎が枝分かれしている感じや肉厚な葉の質感が、つるむらさきによく似ていました。ショクダイオオコンニャクの花も葉もどこか野菜っぽさがあって、おいしそうに見えます。えっ、わたしだけですか。
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大きな葉っぱや花に囲まれて、ジャックと豆の木の世界にいるみたい。
そしてお待たせしました。開花したショクダイオオコンニャクです!
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高さ2m63cm、大迫力のフォルムです!!
背伸びをしながら花序付属体の中を覗くと、蜘蛛の巣のような透明なひだが生えていました。
手を伸ばして、真下から激写!
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大きさが伝わりますように……笑
世界最大級のショクダイオオコンニャクの花は、見るひとをあっと驚かせる、神秘的で不思議な花でした。
また熱帯雨林の温室には、ショクダイオオコンニャクと同じサトイモ科の植物が数多く展示されていて、まさにサトイモ・ザ・ワールドでしたよ。
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おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
ちなみに、撮影した翌日の5月29日未明に、大きな個体の花序付属体が倒れてしまったそうです。数年後にまた会えるといいな。
ショクダイオオコンニャクの開花状況を確認したい方は、こちらの公式サイトをどうぞ。しおれてゆくさまも、見ごたえがありそうです。
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