新しいリフティング仲間ができた
先日、公園でリフティング練習をしていると、小学生の男の子に声をかけられました。
「今やってたもの、教えてください」
教えてほしいなんて言われたのは、これまで1年3ヶ月取り組んできて、初めてのことです。
*
その男の子は3年生くらいです。わたしたちから少し離れたところで、お父さんと一緒にブレイブボードでずっと遊んでいました。
ボードに乗って、バランスを取りながら円を描くように進んだり、お父さんに両手を掴んでもらいながらゆっくりと移動したりと、それは楽しそうに。そしてお父さんは、おそらくわたしたちと同世代です。
主人は「うちらも初心者だから、教えられるほどではないけれど。やってみる?」と誘い、一緒に練習が始まりました。男の子に一番小さい水色のリフティングボールを渡して。
その子はサッカースパイクのような靴をはいています。「サッカーやってるの?」と声をかけると「ううん」と首を横に振りました。「じゃあ、わたしとおんなじだね!」
一緒にボールを蹴りながら話をしてわかったのは、その子は「みんなで楽しむスポーツよりも、個人のスポーツが好きで、しかも何か技ができるようになりたい」ってこと。
そしてブレイブボードは楽しいけれど、技の種類も多くなくて大会もあんまりないんだ、とも言っていました。
それならと「フリースタイルフットボールは小学生もやってるし、どこでも遊べて楽しいよ。世界大会もあるよ」と小学生のリフティング動画を2人に観てもらいました。
「おおー、こんな小さい子も。すごい!」お父さんも興味津々でした。
*
男の子は、アラウンド・ザ・ワールドというボールの周りで足を一回転させる技に興味を持ったようで、わたしたちと同じ動きを繰り返します。何度も、何度も。
そして「こうかな?」と考えるポーズを取りながら。
男の子は普段ブレイドボードで遊んでいるからか、ひとつのことに取り組む集中力がとても高かったです。
途中でやめてしまうこともなく、ほんとずーっと体を動かしてるんです。お父さんも「こんなに集中しているのは初めてかもしれない」と言うほどでした。
頑張る姿にこちらも熱が入り「そうそう!」「あと少し!」
そうしているうちにコツをつかんできたようで、細い足をくるりと回してそのままボールを蹴ることができるようになりました。「やったね!」
わたしが何日もかかってできた動きを、ものの数十分で。いやーすごいです。
だんだん楽しくなってきたのか、男の子はあれこれ自分で技を考え始めました。
まず、ボールの上に乗って、バランスを取ってみる。ボールの空気もそれほど入っていないし、なにせ彼はバランス感覚が抜群なので、なんとこれも出来ちゃった。
お次は、バウンドさせたボールにジャンプして乗る。なんてアクロバティックなの…! さすがにこれは難しかったようで、お父さんと向かい合って手をつないでジャンプ。そのままボールの上に乗っていました。
(ちなみに、わたしブレイドボードに初挑戦しました。これって左右の足が安定しないんですね。あやうく尻もちをつきそうになりましたよ。)
楽しく遊んで、気が付けば運動公園に照明が灯り始めました。午後6時。男の子に水色のボールをプレゼントして「またね」と解散しました。
*
わたしたちは、フリースタイルフットボールというジャンルのスポーツをしているけれど、結局はすでに完成された技を習得しようとしている。
彼は、自分でアイデアを出してチャレンジしている。できないなんて思っていない。
わたしたちよりも楽しそうで、ずっとずっと「フリースタイル」だったなあ。