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宇都宮に帰ってきた! 3年ぶりのジャパンカップサイクルロードレース
宇都宮に
ジャパンカップが
帰ってきたー!!
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2022年10月14日から3日間、栃木県宇都宮市において、アジア最高位の自転車ロードレース「ジャパンカップサイクルロードレース」が開催されました。
コロナの影響により2020年、2021年大会が中止となり、3年ぶりの開催です。サイクルファン歴11年で栃木県民のわたくし。今日はジャパンカップサイクルロードレースの紹介とともに、大会の様子を独自の視点でお届けしたいと思います。よろしくお願いします。
アジア最高位のワンデイロードレース
ジャパンカップサイクルロードレースは、1990年に宇都宮市で開催された世界選手権自転車競技大会のメモリアルレースとして、1992年に創設されました。
現在、日本で唯一、国際自転車競技連合(以下UCI)により、ワールドツアーに次ぐ「プロシリーズ」に認定されている、アジア最高位のワンデイロードレースです。
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国内チームはもちろん、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアといった、ヨーロッパで開催されるプロロードレースで活躍する有名チームや選手たちが出場し、3日間にわたって熱戦が繰り広げられます。
1日目は出場チームがステージにそろう、華やかなチームプレゼンテーションが行われます。そして2日目は宇都宮の中心地を周回する、ジャパンカップクリテリウム。3日目は宇都宮市森林公園から古賀志山を走り抜ける、ジャパンカップサイクルロードレース。
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チーム・スカイとリッチー・ポート(Richie Porte)選手(左から3番目・おりちゃ撮影)
公式サイトによると、2019年大会には3日間で延べ14万人を超える観客が宇都宮市に駆け付けたとされています。
毎年ジャパンカップが近づいてくると、宇都宮の街は地元ロードレースチーム「宇都宮ブリッツェン」のチームカラーである、赤色に染まります。
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大通りを駆け抜けるクリテリウム
はじめに、2日目に行われた「ジャパンカップクリテリウムレース」をご紹介します。
クリテリウムとは、ツール・ド・フランスのような長距離のロードレースとは異なり、距離の短い周回コースを何度も走ります。目の前をハイスピードで疾走する選手たちと、目まぐるしく変わるレース展開。一瞬たりとも見逃せない、ホットでエキサイティングなレースです。
会場は、JR宇都宮駅から東武宇都宮駅へ向かう大通り。
公道を封鎖して作られた1周2.25kmの特設コースを、選手たちは15周、総距離にして33.75km走ります。
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華やかなパレードラン✨
交通規制が始ると、沿道に徐々に人が集まってきます。
高校生やガールズケイリンのレースが行われ、2021年に現役引退された別府史之さんの引退セレモニーがありました。
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そしていよいよメインレース。
スタート前には、出場する16チーム、92名の選手たちによるパレードランが行われます。選手たちのリラックスした表情をたくさん見ることができる、貴重な時間です。
UCIワールドチーム
まずは世界のトップカテゴリー、UCIワールドチームの登場です。登録されている18チームのうち5チームが宇都宮へやってきました。
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さすが世界のトップレーサー、お腹やお尻の筋肉のつき方がちがいます。
UCIプロチーム
そして、UCIワールドチームに次ぐカテゴリー、UCIプロチームの登場です。
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UCIコンチネンタルチーム
続いて、各国の自転車競技連盟から認可を受けた、UCIコンチネンタルチームです。
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パレードランには競輪選手や宇都宮市長のほか、弱虫ペダルの著者渡辺航先生の姿もありました。
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クリテリウムスタート🔥
「5、4、3、2、1、スタート!」
スタート地点から、わあっと拍手が沸き上がります。
そして数分後。見えてきました。
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パレードランとは全く異なるスピードです。
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通り過ぎると、手前にはすでに先導バイクが来ています。
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選手だけでなく、残り周回やタイム差を知らせるオフィシャルバイクやオフィシャルカーが、びゅんびゅん走ります。
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うおお、選手がきましたーーーっ! 連写しちゃう!!
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1周2.25kmのコースを約3分弱のペースで走り、選手たちが通ったあとは、びゅーんと強い風が吹きます。
めまぐるしく変わる展開
レース中盤。
集団から飛び出した選手たちが、スプリント賞を狙います。
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メイン集団はスローペース。ふうっと、息をととのえる。
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フィニッシュ地点は、二荒山神社前です。
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ワールドチームが、仕掛ける!
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2チームが追う!
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メイン集団。レースは終始、白いジャージに赤いバイクのチーム、トレック・セガフレードがコントロールしていました。
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がんばれ~!
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ワールドチームは隊列を組み、エースを守りながら走っていました。
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中央の赤と黒のジャージは、地元宇都宮ブリッツェンの小坂光選手です。現シクロクロス全日本チャンピオンで、宇都宮市の職員でもあります。
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黄色い車はオフィシャルサポートカー。パンクやメカニックトラブルにすぐに対応できるよう、バイクを積んでいます。
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逃げていた選手たちは集団に飲み込まれ、いよいよレースも終盤へ。最終コーナーに向かって、激しい位置取り争いが始まります。
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高まる緊張感。そして最後は、大集団でのゴールスプリントとなり、優勝したのはトレック・セガフレードのエドワード・トゥーンス選手でした。
ジャパンカップクリテリウム、制したのはトレックのトゥーンス!2連覇!#JCUtsunomiya pic.twitter.com/jcjasgKC4j
— Japancup Official (@Japancup_ofc) October 15, 2022
レースのアベレージスピードは49.1km/h。ヘアピンコーナーのたびに減速したうえでの50km/hですから、かなりの高速レースでした。
レース後の風景。
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ジャパンカップサイクルロードレース
最終日は、宇都宮市森林公園周回コースにてロードレースが行われました。1周10.3kmのコースを14周する、総距離144.2kmの長距離レースです。
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このコースは、地元サイクリストの定番の練習コースになっています。なんといっても、山岳賞ポイントへ向かう古賀志林道。九十九折りの途中には最大勾配14%を超える激坂区間があり、みんなを苦しめます。わたしも、以前ヨボヨボになりながら時速7キロで登った記憶があります。歩いた方がはやいです…笑
苦しい坂道がありますが、牧場の前を通ったり、ワインディングロードがあったりと、走って気持ちのよい周回コースです。
観戦は、下り坂のある立ち入り禁止区間以外、ほぼ自由にできます。場所を移動しながら観戦するのも、フェスのようでなかなか楽しいです。今年も古賀志林道には、たくさんの人が集まりました。
思わぬ展開
レースが始まって30分経った頃に、会場に到着しました。しばらく沿道で選手たちを待っていると、思わぬ光景が目に飛び込んできました。
10名から20名ほどの小さな集団が複数でき、選手たちはバラバラになっていました。下りで大きな落車があったのかしら。
全力の先頭集団。
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先頭集団を追いかける第2集団は、ピリピリしています。
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通常、ロードレースは少人数の逃げ集団と、穏やかなメイン集団によってレースが展開されます。ボランティアスタッフの方に聞くと、どうやら序盤から激しいアタック合戦があり、選手がバラバラになったようでした。ジャパンカップを10回近く観戦していますが、このような展開は初めてかもしれません。
白バイがにこやかに走ります。手を振ってくれてうれしい。
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レース中盤。バラバラだった小集団がひとつになり、落ち着いた様子。選手たちが横に広がっているときは、ペースが落ちています。
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集団が縦に伸びているときは、ペースアップしています。昨日に引き続き、白いジャージに赤のバイクのチームトレック・セガフレードがレースを支配していました。
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進化するジャパンカップ
これまで、詳しいレースの模様はラジオ放送でしか知ることができませんでしたが、なんと、今大会より公式YouTubeチャンネルでのライブ配信があり、リアルタイムでレースを見ることが出来ました! カメラもヘリコプターからドローンへ。3年の間に、大会がどんどん進化していました。
レースは残り2週でEFエデュケーション・イージーポストのニールソン・ポーレス選手が集団を抜け出し、そのまま単独で逃げ切り、優勝!
優勝タイムは3時間37分49秒。出走93名のうち完走者は41名という、サバイバルレースを見事制しました。
【ロードレース速報】ラスト2周回の後半区間で抜け出したニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)が残り1周強を逃げ切り、優勝を果たしました。速報レポートをお届けします。https://t.co/BCGmG56IUX
— Japancup Official (@Japancup_ofc) October 16, 2022
ステージでは表彰式が行われています!#JCUtsunomiya pic.twitter.com/OlRMFsBPeB
— Japancup Official (@Japancup_ofc) October 16, 2022
3年ぶりのジャパンカップサイクルロードレースは、宇都宮の街を華やかに、そして熱くした、素晴らしい大会でした。
おわりに
大好きな自転車競技。力が入って、なんと3,900字を超えてしまいました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ハイライト動画はこちらです。
自転車レースの記事はこちらのマガジンにあります。よろしければどうぞ。
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