一般社団法人レジリエンス協会 組織レジリエンス研究会

一般社団法人レジリエンス協会(https://resilience-japan.org)での研究会活動として、災害などに対する組織のレジリエンスを評価する手法に関する研究に取り組んでいます。ここでは研究会メンバーが持ち回りで、組織のレジリエンスに関する様々な記事を執筆します。

一般社団法人レジリエンス協会 組織レジリエンス研究会

一般社団法人レジリエンス協会(https://resilience-japan.org)での研究会活動として、災害などに対する組織のレジリエンスを評価する手法に関する研究に取り組んでいます。ここでは研究会メンバーが持ち回りで、組織のレジリエンスに関する様々な記事を執筆します。

最近の記事

誰にとってのレジリエンスか?

組織レジリエンス研究会の北郷陽子です。 普段は事業継続マネジメント(BCM)にかかわる仕事をしています。 以前、「レジリエンスという言葉」という記事で、レジリエンスには様々な定義があり、言葉の解釈に関する議論が続いているということを紹介しました。今回は、「誰にとってのレジリエンスか?」というテーマで、レジリエンスの持つ意味を考えてみたいと思います。 レジリエンスは誰にとっても平等なものか?「レジリエンスを高める取り組み」という表現を聞くと、何となく良いこと、プラスの結果を

    • 組織のレジリエンスを理解するためのアプローチの例と当研究会の方向性

      組織レジリエンス研究会座長の田代邦幸です。 事業継続マネジメント(BCM)や災害対策などに関するコンサルティングを生業としており、そのために必要なノウハウを蓄積するために、関連分野の調査研究に従事しています。 まずは先人に学ぶ以前の記事「災害や事故などに対する組織のレジリエンスを評価したい」(注1)では、我々が組織のレジリエンスを評価したいと考えている理由や問題意識について述べた。また、そのような評価手法が今のところ確立していないことを指摘した上で、新たに評価手法を開発する

      • 介護・福祉事業者の BCP 策定の義務化について - (2)介護・福祉事業者への BCP 策定の義務化

        組織レジリエンス研究会 石井洋之 Ph.D. (中小企業診断士・ITコーディネータ) 組織レジリエンス研究会メンバーの石井洋之と申します。 静岡市在住で中小企業診断士・IT コーディネータとして、中小・小規模企業を対象に BCP 策定支援等で活動しています。 介護保険法による令和3年の介護報酬改定では初めて「感染症や災害への対応力強化」が第一の項目として示された。令和2年より続くコロナ禍の猛威の中で、近年、続いている自然災害による高齢者の被災増加を背景とした改定内容である

        • 災害や事故などに対する組織のレジリエンスを評価したい

          組織レジリエンス研究会座長の田代邦幸です。 事業継続マネジメント(BCM)や災害対策などに関するコンサルティングを生業としており、そのために必要なノウハウを蓄積するために、関連分野の調査研究に従事しています。 なぜ組織のレジリエンスを評価したいのか当研究会は、組織のレジリエンスを評価する手法を開発することを目的として活動している。その中でも特に、組織が災害や事故などによる影響から立ち直っていくためのレジリエンスを評価することに主眼を置いている。 ここで本稿における「組織の

          介護・福祉事業者の BCP 策定の義務化について - (1)リサーチクエスチョン「なぜこの業界に義務化されたのか?」

          組織レジリエンス研究会 石井洋之 Ph.D. (中小企業診断士・ITコーディネータ) 組織レジリエンス研究会メンバーの石井洋之と申します。 静岡市在住で中小企業診断士・ITコーディネータとして、中小・小規模企業を対象にBCP策定支援等で活動しています。 平成17年8月に内閣府が公表した事業継続ガイドライン以来、日本のBCPの歴史が始まった。大企業、中堅企業においてはその必要性と有効性が広まりBCPの策定は進んでいるが、中小企業のBCP策定率は未だ14.7%と低調で策定率は

          介護・福祉事業者の BCP 策定の義務化について - (1)リサーチクエスチョン「なぜこの業界に義務化されたのか?」

          レジリエンスという言葉

          組織レジリエンス研究会メンバーの北郷陽子と申します。 普段は事業継続マネジメント(BCM)にかかわる仕事をしています。 私が初めてレジリエンスという言葉に出会ったのは 2015 年でした。 2015 年は、仙台防災枠組、持続可能な開発目標(SDGs)、パリ協定と、災害リスクマネジメントに関係する複数の国際的な枠組みが採択された年で、それらの枠組みの中でもレジリエンスという言葉が多く登場していました。ただ、レジリエンスという言葉の定義を辞書で確認しても、登場している文脈に合う

          「レジリエンス」と向き合う意義を共有したい

          一般社団法人レジリエンス協会で「組織レジリエンス研究会」の座長を務めております、田代邦幸です。 このページにたどり着いた皆様であれば、既に「レジリエンス」(resilience)という言葉について、何らかの知識やイメージ、お考えをお持ちなのではないかと思います。 もともとは、何らかの外力を受けて変形した(またはダメージを受けた)ものが、その外力がなくなった後に復元していく力を指す言葉です。日本で「レジリエンス」という言葉が広く使われるようになってきたのは、恐らく 2011

          「レジリエンス」と向き合う意義を共有したい