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イベント企画書の書き方は? ポイント解説と無料テンプレート【企画書編:2】
イベントづくり先生のオーガナイザーM(@organizermanual)です。
前回から自分の中で考えた企画を見える化する企画書について説明しています。未読の方はぜひこちらからお読みください。
第1回では、初心者オーガナイザーが企画書を作る時に覚えておくべき鉄則を紹介しました。企画立案編から続いためんどうな能書きはこれで終了!
今回は、実践的なWord企画書の書き方について、実際に渡しが良く使っているテンプレートをお見せしながらご説明します。
それでは行ってみましょう!
テキストベースの企画を書くためのツール
さて、ここまで当たり前の「Word」企画書」と言ってきましたが、「Word」というのはPC向けOSのWindowsシリーズ等で知られるMicrosoft Officeが提供している文書作成ソフトです。
ビジネス現場ではMicrosoft Officeを使わないことのほうが珍しいですが、プライベートではMac OSの方やスマホしか使わないから、「Word」なんて触ったことがないという方も増えていて、「Wordじゃなきゃダメなの?」と思われるはずです。
答えは「Wordじゃなくて良いけれどWordである方が望ましい」です。
イベントはたとえ小規模であっても多くの人が関わります。だから用いるツールは可能な限り多くの人が使っているものの方が便利です。
これは企画書以外にも言えることなのでぜひ覚えておいて下さい。
ちなみに、無料で使える「Googleドキュメント」をはじめ、「Word」を使わなくてもWordと互換性のあるファイルを作成できるソフトはいくつもありますし、最近はMicrosoft自身がオンライン版の「Word」を無料公開しているので、ぜひ活用してみて下さい。
メモアプリで企画書を作るのはダメなの?
文書作成ソフトと似たものにメモアプリがあります。各スマホに標準セットされているし、Googleキープ等の便利なアプリも多数公開されています。こういうメモアプリで企画書を書いてはダメなのでしょうか?
これは下書きには良いけれど、清書としてはNG。
メモアプリはそもそも誰かに見せることを想定していません。企画書の本質は、あなたの頭の中を(最初の読者であるあなた自身を含めた)誰かに見せて理解してもらうことですから、用途が異なります。
いきなりプレゼン用ソフトで企画書を作っては行けないのと同じ理由です。
イベント企画書を書く時の初心者向けポイント
それでは、いよいよWord企画書の書き方です。
最初に、企画書づくりの初心者が失敗を避けてスラスラと書いていくコツを3つ伝授します。
1.箇条書きにしない
初心者が一番やりがちな失敗が無理に箇条書きにしようとして意味の伝わらない内容になってしまうことです。
箇条書きにしようとすると、本来伝えたいことを短い言葉に要約するので、その過程でどうしても色んなことを省略してしまいます。文書のメリットは詳細を余すことなく語れることなのに本末転倒です。
まずは、自分の伝えたいことをしっかり書き出すことを意識しましょう。
しっかりと企画書ができたら、それを箇条書きにまとめた「要約版」や「概要版」は後からいくらでも作れます。
2.まずは見出しを書き出す
ここまで「8W1H」で企画を作ってきたあなたなら、書き散らかしたメモからまとまったテーマを拾えばそこに書くべき見出しは直ぐに思いつくはずです。
はずみをつけるには先ずやりやすいところから手をつけるのが鉄則。一旦、最後まで見出しを並べてみましょう。
今回紹介するテンプレートを参考にすればもっと楽ちんです。
3.Word企画書は誰かに手紙を書くように
企画書の内容は、それを見て欲しい相手によって異なります。
最初に企画を腹落ちさせる必要があるあなた自身、側近的な立場で関わってくれる大切な仲間、もう少し外側から協力してくれる運営チームのメンバー、出店や出演で関わってくれるメンバー、お金や資材でサポートしてくれる協賛者。
何となく顔ぶれがイメージできるのではないでしょうか。
Word企画書は、その中であなたがイベントを伝えたい相手に向けた手紙のつもりで書きましょう。きっと、難しい言葉や表現は避け、なるべく簡潔に、理解しやすい文章になるように気をつけるはずです。
あなたの熱量が伝わりやすいのもWord企画書のメリットです。
おすすめWord無料テンプレートを使ったイベント企画書の基本構成と書き方
最後に、あなたに無料で差し上げるイベント企画書Wordテンプレートの使い方をご説明します。テンプレートはこちらからダウンロードしてご利用ください。
※スマホなどでWordが開けない場合はこちらのPDF版をご覧ください。
テンプレートは3ページ別れています。(もちろん完成段階で無理に3ページに抑える必要はありません)
1ページ目
■目的(ミッション)
・現状・課題
・このイベントで実現すること
■参加者(ターゲット)
■体験(提供コンテンツ)
■実施概要
・開催日時
・開催場所(アクセス)
・主催者、協力者
・参加方法(参加費等)
1ページ目は、このイベントを開催する意義についてまとめる前半と概要情報をまとめる後半に分かれています。<>で括った赤文字にある通り、それぞれが「8W1H」の企画に対応しています。
重要なのは前半で、しっかりと参加者がこのイベントで何を体験できて、どんなことで満足できるのかのストーリーを描くことです。
この部分は企画者であるあなたにしか表せないイベントの核になる価値観であり、参加者もスタッフも協力者も、この価値観を拠り所に集まってくることになります。
何度も練り直して良いので、なるべく端的に、しかし十分に、あなたがこのイベントにかける想いが伝わるステートメントを発してください。
2ページ目
■イベントの詳細
・開催規模(動員目標)
・実施企画
→個別企画とその効果
・宣伝媒体、動員計画
→個別媒体や活動とその効果
・収支計画
→収入
→支出
・スタッフ、運営体制
2ページ目から後はまるごと「How」の領域です。
1ページ目で述べたステートメントや概要に沿ったイベントとするために、具体的に何をどうするかという話をまとめる項目です。
内容は、イベントによって異なりますが、大まかには①どの程度の規模を想定しているのか、②イベントの目的を達するために具体的に何をするのか、③そのために必要な参加者を集めるために何をするのかという3点はほとんどのイベントに共通するはずです。
また、①〜③を実現するには、どんな収支計画で、どんな人員や体制を整える必要があるのかも、付随して共通項目となってきます。
3ページ目
■イベントの詳細
・全体スケジュール
・主要タスク
3ページ目は2ページ目の内容に時間軸を持たせて、①開催からの逆算でいつまでに何をするか、②克服すべき課題解決に誰がいつまでに取り組むかを列挙するものです。
運営メンバーをこれから集めていく段階であれば、どんな人がスタッフとして求めているかなどもこの段階で確認しておくと良いでしょう。
企画書の中に時間軸があると一気に具体性が高まり、読み手に対してもそれだけ本気であることを伝えることができます。
まとめ
フルバージョンのWord企画書はイベントづくりの骨格になる資料です。
お気付きの通り、お見せしたテンプレートの中には、相手によっては見せる必要がない(または、見せない方が良い)項目も含まれています。例えば、お客さんに収支計画は関係ないし、協賛をお願いする相手に深闇に課題を見せるのは悪手になるかもしれません。
そうした項目はケースバイケースで編集して、見せ方を変えていきます。
途中で述べたように、企画書はイベントを伝えたい相手に対する手紙のようなもの。見せる相手の数だけ企画書は必要です。
そうした中で、特にイベントへの賛意表明や資金・人材提供等の協力を引き出す等、説得を目的とした企画書が提案書です。
次回は、「パワーポイント」等のプレゼン用ソフトを用いた提案書づくりについて説明します。
ぜひ、最後までお付き合いください!
最後にもう一度、テンプレートを置いておきます。
※スマホなどでWordが開けない場合はこちらのPDF版をご覧ください。