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【保存版】Japan Mobility Show 2023を100倍楽しむ観光ガイド

【最終更新日時:2023/10/11 23:00】

皆さんは、今年の10/26(木)~11/5(日)の11日間東京ビッグサイトにて開催される「ジャパンモビリティショー2023」をご存じだろうか?

これまで「東京モーターショー」として2年に1度開催されてきたイベントの後継イベントにあたり、前回の2021年はコロナ禍で開催中止となったため、今回は2019年以来4年振りの開催となる。主催の日本自動車工業会(JAMA)は8/30に入場チケットを発売開始し、その後徐々にプログラムが公開され、10月に入りOEM各社も出展概要を公開し始めている。

本イベントの事前情報は以下の公式特設サイト、各種メディア、OEM各社のニュースルームに散在しており、まとまったサイトが見当たらなかったため、一介の車好きとして「モビリティショーを100倍楽しむ観光ガイド」をコンセプトに、イベントの背景や事前情報を私なりの解釈も加えてまとめた次第である。是非本エントリーを「ジャパンモビリティショー2023」を楽しむ際の一つの参考情報としてお使い頂けると幸いである。
※なお、情報収集には細心の注意を払っているが、以下の情報は筆者が独自にまとめたものであり、筆者自身は本イベントや主催団体と一切関係が無く、情報の正確性についてなんら責任を負いかねることはご了承頂きたい


「東京モーターショー」の凄さ

皆さんは、日本で一番集客力のあるイベントが何かご存じだろうか?以下は2023年時点で直近開催された、日本の展示会規模ランキングTOP10である。

1位:東京モーターショー(2019年) | 130万900人
2位:食博覧会・大阪(2017年) | 62万1,195人
3位:ふるさと祭り東京(2023年) | 33万7,436人
4位:大阪モーターショー(2019年) | 24万8,119人
5位:東京インターナショナル・ギフト・ショー(2023年) | 22万9,968人
6位:大阪オートメッセ(2023年) | 20万5,462人
7位:名古屋モーターショー(2019年) | 18万3,250人
8位:コミックマーケット(2022年) | 18万人
9位:東京オートサロン(2023年) | 17万9,434人
10位:東京ゲームショウ(2022年) | 13万8,192人

出所:LED TOKYO『日本の展示会規模ランキング!来場者数トップ5を紹介』

前回の東京モーターショー2019には130万人が来場しており、文字通り「桁違い」の集客力を誇る。更にTOP10には自動車関連イベントが5件ランクインしている。昨今はオンラインイベントも一般的だが、リアルイベントのコンテンツとして「モーターショー」の人気がいかに根強いかが分かるだろう。

世界的にも、東京モーターショーは「世界5大モーターショー」の一つに数えられる、世界最大規模の自動車展示会である。残る4ヵ所の2019年の来場者数は、デトロイト:77万人、ジュネーブ:60万人、フランクフルト:56万人、パリ(2018年):106万人と、5大モーターショーの中でも更に最大規模を誇るのが、我らが東京モーターショーというイベントである。

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このような圧倒的な集客力を誇る東京モーターショーだが、果たして今後も安泰か?と問われれば、残念ながら決してそうではないのが現実である。その背景には、大きく次の2つの理由が挙げられよう。

不安要素その1:自動車離れ
真っ先に不安要素として想起されるのは「自動車離れ」である。東京モーターショーは1954年の開始以来、戦後のモータリゼーションと共に来場者数を伸ばし、1970年代に一時落ち込むも1991年には最多の201万人を動員した。その後は一転バブル崩壊に伴う景気低迷や娯楽の多様化もあり、来場者数は減少の一途を辿ってきた。2010年代は70-80万人規模まで縮小した。

東京モーターショーの来場者数推移

不安要素その2:新興国のモーターショー
国内のみならず世界的に見ても、東京モーターショーの地位は全く安泰とは言えない。実は現在世界最大の集客力を誇るのはタイの「バンコクモーターショー」であり、2023年3月にはなんと162万人を動員している。続く4月の中国「上海モーターショー」では90万人を動員、また同年1月の「インドオートエキスポ2023」は規模こそまだ63万人だが過去最高を記録するなど、アジア圏のモーターショーが大いに活況を呈している。

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このように自動車の成長市場が先進国から新興国にシフトする中、「自動車離れ」が進む日本で「モーターショー」に求められる価値は何だろうか?

そのヒントは、前回の2019年にあるのかもしれない。実は上図の通り、2019年の来場者数はなんと前々回の2017年対比で+70%の大幅増を記録し、大盛況が各種メディアで驚きをもって報じられた。これには様々な見方があるが、既存のモーターショーの常識を打破する様々な取り組みにより、これまでのメイン層以外のターゲットの集客にも一定の成功を収めた、とする見方が多いようである。その取り組み事例は、以下のようなものだ。

  • トヨタブースに量産モデルが一台も展示されず

  • 未来を感じられるエンタメ空間「Future EXPO」を無料開放

  • KidZaniaコラボなど「体験型イベント」充実

  • e-Motorsports/ドローン等の最新テクノロジー活用

これらの取り組みもあり、公式発表では「特に14歳以下の来場者の割合は前回比で約7割増加」したそうである。これまでの「新型車の見本市」的な位置づけから「モビリティ」にテーマを拡張し様々な「体験」を通して未来を感じさせるイベント―これが東京モーターショー2019が提示した「新しいモーターショーの形」と解釈できよう。

2019年の方向性は正しかったのか?モーターショーはどうあるべきか?ここまで続けてきたチャレンジは、コロナ禍で2021年開催が見送られた今、まさに装いを新たにした「ジャパンモビリティショー2023」の場で披露されようとしている。部分的に情報が解禁されつつある中、垣間見えるその様相は、既に前回からも大きく変容を遂げている。

ジャパンモビリティショー2023では、参加企業が475社(10/4 現在)と、2019年の192社、過去最高だった1995年の361社を大幅に塗り替えた。内訳は完成車/部品メーカー200社に加え、スタートアップ90社、プログラム参画企業200社と、従来の顔ぶれから大きくフルモデルチェンジを果たしている。

このチャレンジをより抽象的に捉えれば「ジャパンモビリティショー2023」はこの時代における移動の意義、自動車の意義、モーターショーの意義、リアル開催イベントの意義、成熟市場での開催意義といった幾重にも重なる問いかけに対するチャレンジと言え、この問題提起は自動車業界以外にも通底するテーマである。世界に冠たる日本の自動車産業は、今年の秋、我々にいかなる答えを提示するのか?閉塞感に活路を見出すアイデアを、そしてショーが提示する「未来」を、現地で肌で感じたいと思う。

JAPAN MOBILITY SHOW 2023

ショーコンセプト:みんなで一緒に未来を考える場

「乗りたい未来を、探しにいこう!」というミッションステートメントのもと、ジャパンモビリティショー2023ではFUTUREGREENDREAMの3つのキーワードを軸に、モビリティ産業、他産業やスタートアップが一体となり、来場者と双方向で未来を考える場を提供する。

開催概要

  • 会期:2023年10月26日(木)~11月5日(日)

  • プレスデー:10/25(水) 8:00~18:00、10/26(木) 8:00~13:00

  • オフィシャルデー(招待状が必要):10/26(木) 13:30~18:00

  • 特別招待日:10/27(金) 9:00~18:00

  • プレビューデー:10/27(金) 12:30~18:00

  • 一般公開日:
    (月~土、祝) 10/28(土)、10/30(月)~11/4(土) 9:00-19:00
    (日) 10/29(日)、11/5(日) 9:00~18:00
    ※9:00-10:00の時間帯は、アーリーエントリーチケットのみ入場可

【チケット情報】
購入サイトはこちらから。

【アクセス】
東京ビッグサイト
(〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1)
りんかい線「国際展示場駅」より徒歩約7分
ゆりかもめ「東京ビッグサイト駅」より徒歩約3分

主催者プログラム

Tokyo Future Tour (西展示棟 1F)

モビリティが変える未来の東京」を体感できるエリア。入口のシアターでモビリティが変革する未来の東京を、光と音と映像がシンクロした空間で体感し、そこから「LIFE & モビリティ」「EMERGENCY & モビリティ」「PLAY & モビリティ」「FOOD & モビリティ」の4テーマ毎の未来の街を見て、実際に触れ、子どもから大人まで幅広い世代が楽しめる構成となっている。自動車業界だけでなく他産業もスタートアップも多く参加し「フルモデルチェンジ」を体現する今までにない企画を多く実施。

Startup Future Factory (西展示棟 1F)

モビリティ産業の未来を担うスタートアップ、日本を代表する企業、来場者が出会い、新たな未来への火種を創り出し、モビリティ産業を拡張・加速させるエリア。そのために必要となる資金調達、商談機会、PRなどの側面を5つのゾーンで支援。

Pitch Contest & Award :11/4(土)に開催予定。多彩な業界/フェーズのスタートアップ15社が登壇し、スタートアップに精通した有識者と共に、厳正なる審査の下、アワードを決定。

ビジネスマッチング:会期中に5回開催。防災/少子高齢化/地域創生/環境・カーボンオフセット/ウェルビーイングなど各テーマに沿い、モビリティ関連企業と最新技術とアイデアをもつスタートアップ企業とを引き合わせ、新規ビジネス創出、モビリティ産業の拡張加速を目指す。

スタートアップストリート:モビリティの未来を担うスタートアップがブース出展し、様々な製品・技術・サービスでお出迎え。空を飛ぶドローンのみならず、水上を進むドローンや、ロケットではなく気球で宇宙観光を目指すスタートアップなど未来のモビリティ産業にココロ弾む場に。

Japan Future Session (西展示棟 1F)

カーボンニュートラルやモータースポーツなど、モビリティにまつわる世の中に伝えたいメッセージをテーマにトークショーを連日開催。世界的にも関心の高いトークテーマを取り上げることで、世界から注目されるグローバルイベントを目指す。左脳的な難しいテーマだけでなく、右脳的な柔らかいテーマもお届けし、子どもから大人まで楽しめるトークショーを開催。

トークセッションの最新スケジュールは以下のリンクから

H2 Energy Festival (南展示棟 1F)

今回の新たな試みとして開設する有料エンタメエリア。モビリティの未来を支える水素エネルギーを使った特設ステージにて、数々のアーティスト・お笑い芸人のライブや、この祭典をさらに盛り上げるコンテンツを実施。

ライブの最新スケジュールは以下のリンクから

その他の企画

公式アプリ・公認アプリ

  • 推しモビを探せる公式アプリ「推しモビ図鑑」※10/16(月)からDL可

  • 体験を記録する公認アプリ「PAZR(パズル)」※10/13(金)からDL可

「推しモビ図鑑」はJapan Mobility Showのキャッチコピーである『乗りたい未来を、探しにいこう!』を、来場者が体験できるようモビリティ・製品・サービスなどを、検索・案内・紹介する図鑑のようなアプリ。

「PAZR」はNUNW社が制作・提供する、体験したコンテンツをライフログとして記録するアプリ。各エリアを体験すると体験証明書となる「ピース」を取得することができるだけでなく、フードコートではお得なクーポンとして利用することができる、店舗ごとの「ピース」を提供。

参加企業の出展概要

ジャパンモビリティショー2023では、歴代最多となる475社(10/4時点)の参加を予定。以下では、OEM各社を中心に公式に開示されている出展概要を随時更新していく。最新の参加社リストは以下のリンクから。

トヨタ:新型Crown、Lexus BEV他、未来のモビリティも登場

展示ブースのテーマは「クルマの未来を変えていこうーFind Your Future」
先日公表の新型Crownに加え、未来のモビリティを体験できるコンテンツも充実させる。Lexusでは、BEVブランドへの変革を目指すコンセプトモデルラインアップを世界初出展予定。

トヨタはグローバルBEV販売台数目標を2026年:150万台→2030年:300万台とし、2026年までのBEV150万台はe-TNGAとマルチパスウェイP/Fで実現させ、2030年には次世代BEV専用P/Fで170万台、e-TNGAとマルチパスウェイP/Fで180万台の合計350万台の達成を目指す、としている。

日産:クロスオーバーBEVコンセプトカー、90周年記念車

日産はクロスオーバータイプのコンセプトBEV「ニッサン ハイパーアーバン」の展示を予定。BEVから建物へ送電するV2X機能を付与。運転者と車の間で情報をやりとりするヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)を搭載し、運転者の気分に合わせてディスプレーの演出を変えることができる。

日産は2030年までにグローバルでBEV19モデルを含む27車種の電動車の販売、30年度までにグローバル新車販売の55%電動化を目標に掲げる。

ホンダ:BEVを中心に幅広い次世代もビリティを展示

展示ブースのテーマは「Honda DREAM LOOP」
時間・空間などの制約から解放し、人の能力を拡張する未来のモビリティがテーマ。回収した使用済みアクリル樹脂を車体に再利用したBEVは、今後の資源の再循環の考え方を示すコンセプトモデルになるとしている。

市販予定車では、24年春に国内で発売を予定する軽商用BEVのプロトタイプも出展。二輪車では電池交換式のコンセプトモデルなどが目玉になる見通し。ホンダは40年に全ての新車をBEVかFCVにする方針を掲げる。

マツダ:世界初のコンセプトカーを展示へ

展示ブースのテーマは「『クルマが好き』が、つくる未来。」
マツダが考える未来の提案として「前向きに今日を生きる人の輪を広げる」というマツダの企業理念を具現化した5つのテーマ展示を予定。更に、今回のテーマを象徴するコンセプトモデルを世界初公開も予告された。

SUBARU:目玉は電動スポーツカーのコンセプトモデル

SUBARUのブースでは、SUBARUが目指す未来のモビリティや、社会とのつながりを強める取り組みの発信によって、今と、そしてこれからの時代における「安心と愉しさ」を表現する。目玉となる「SUBARU SPORT MOBILITY Concept」の他、今秋投入予定の新型Levorg、更に当社初のグローバルBEVであるSolterraなどが出展される。更に、会期初日のプレスデーには大崎篤代表取締役社長が登壇するプレスカンファレンスも行われ、その模様はスバル公式YouTubeチャンネル『SUBARU On-Tube』でも配信される予定。

三菱自:冒険心を呼び覚ます心豊かなモビリティライフ

展示ブースのテーマは「冒険心はいつもあなたの中にある。いつだって誰だって、どこにいたって冒険はできる。」
三菱自ならではの冒険心を呼び覚ます心豊かなモビリティライフを提案。

スズキ:SUV・軽乗用・軽商用のBEV3車種、水素バイク

展示ブースのテーマは「世界中に、ワクワクの、アンサーを。」
温暖化ガス排出の実質ゼロに向けた取り組みを紹介。初公開となる軽BEVコンセプト「eWX」は航続距離が230kmで、日産「サクラ」を3割弱上回る想定。1月にインドで披露したSUV小型BEV「eVX」はインドや欧州に加えて日本に投入する方針で、内装は初公開。

水素を燃料にして二酸化炭素を排出しないバイクも展示。スズキは5月、ヤマハ発などと二輪車向け水素エンジンの研究開発で協業すると発表。

ヤマハ発:電動二輪を始め6モデルをワールドプレミア

ブースのテーマは"「生きる」を、感じる"
世界初披露のワールドプレミア6モデルを含むモーターサイクルや電動コミューター、eBike(電動アシスト自転車)などを出展。また、YAMAHAブランドをともに使用するヤマハの協力により、同社の音響技術や製品等を紹介するほか、ふたつのヤマハの先進技術を活かしたステージ演出等を実施。

いすゞ:UD Trucksと初の共同展示

テーマは「INNOVATION FOR YOU ~加速させよう、「運ぶ」の未来。~」
未来のサステナブルな都市をイメージした「View Point」と、未来の物流をイメージした「Warehouse」エリアを展開。いすゞ/UD両ブランドの商品やソリューションを「INNOVATION FOR EARTH / SOCIETY / LIFE」の3つのカテゴリーに分け展示する。

「FOR EARTH」では、いすゞとホンダが共同研究を進める燃料電池大型トラック「ギガ FUEL CELL」が初の実車展示。「FOR SOCIETY」では2024年問題やドライバー不足などに象徴される物流課題解決に向けた取り組みを紹介。「FOR LIFE」では未来の人々の豊かな暮らしに繋がる「運ぶ」を提案。新たに開発した車両・ソリューション2点がワールドプレミアされる。

日野:小型BEVトラック、大型FCVトラックを出展予定

ブースのテーマは「人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献する」
「2024年問題」など物流課題の解決に貢献する車両・技術・ソリューションなどの展示が行なわれる。出展車両は小型BEVトラック「日野デュトロ Z EV」、燃料電池大型トラック「日野プロフィア Z FCV プロトタイプ」


事前情報は本エントリーに随時更新し、実際に参加してみての現地の様子や感想は、後ほど別エントリーにて紹介させて頂く予定である。

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