― 「ところかまわずナスかじり」第百六十七話  白浜で出会った子供たち ―

 はあ、もうオラ、ほぉんとアホらしくてよ。
 だってそうでねぇか。
 せぇっかく助けてあげたってぇのによぉ、あのバカカメ・・・

 昨日の話だべ。
 オラ、浜を歩いていただわぁ、一人でなぁ。
 で、向こうのほうさ、ガキが五、六人も集まって騒いどるわけさ。
 
 オラ、ピィンってきたんだ。
 だってオラのじいちゃんのじいちゃんが昔よ、カメを助けてピンクのいいとこ連れられて、そりゃあもう、極楽だったって聞いてたからよ。
 オラもさ、一度でいいからそんなとこ行ってみたいべ?
 でずにーらんどとかよ。

 で、まぁ、ガキたちんとこ行ってよ、上からのぞき込んだらやっぱりカメでねぇか。
 オラ、(やったべ!)って思ったべ。な?あんたもそう思うべ?

 で、オラのなけなしの小遣いの千円をガキどもにやってよ、カメを助け出したんだぁ。
 そぉしたらよ、そのカメ、なんて言ったと思う?

 『プレイのじゃましないでください』って言ってよぉ、海に帰ろうとしやがんのさ!
 オラ、腹ぁ立って、腹ぁ立って。な?わかるべ?

 で、そいつをよぉ、ワシッて掴んで家に持って帰って食ったわけさ。

 そぅしたら、ほぅれ!
 ここんとこ見てみれ、ほぅれ!
 もっと下だぁ。
 ほれ、な?
 カメの頭が生えてんのさぁ!
 あのバカカメ!
 なんだべ、これ?!
 女だと思ってバカにしくさってぇ!

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