― 「ところかまわずナスかじり」第235話 浮き沈み ―
ひいっく!
うい~・・・
あのよぉ、どんなヤツにもよぉ、‟良い時”もありゃ‟悪い時”もあるっていうじゃんかよぉ。
俺、産まれた瞬間に捨てられてよぉ~。
山に。
ひいっく!
親切なヤギに育てられたんだがよぉ。
そのヤギがクマに殺されてからは一人ぽっちでよぉ~。
ひいっく!
で、人間に発見されたのが一昨年前でよぉ~。
俺が大切に持ってた綺麗な石とか金色の石とかをよぉ~。
ひいっく!
こんなでっけぇ袋にいっぱい入った紙切れと交換させられてよぉ~。
いや、紙切れをそんなにいっぺぇ持っててもしょうがねぇべ?
近くに居たヤツが欲しそうにしてるから、ケツでも拭きたいのか?と思って全部やったんだ。
そのお礼にこんなへんな飲みもんくれてよぉ~。
まぁ、なんかフワフワしてオモろいけんどな。わっはっはっはっは!
ま、いっかぁ!
よぐ考えてみだら、俺の人生もけっこう捨てたもんぢゃねぇな!
なぁ?
あ、今日、泊めてくんねかな?