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自然公園区域 してよい行為/ダメな行為

所有する山林が東京都の自然公園区域内にあるので、自然公園区域でしてよい行為/ダメな行為を整理していく。

自然公園区域とは

日本には自然公園法という法律がある。この法律の目的は「優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることにより、国民の保健、休養及び教化に資するとともに、生物の多様性の確保に寄与すること」だ。簡単に言えば自然を守りながら利用していきましょうというものなのだが、国立公園は自然公園法の中で、都道府県の自然公園は各都道府県がその基準を条例で定めている。ここで定められた区域が自然公園区域である。

私のように山林を購入するとき、その土地が自然公園の区域に含まれていることは珍しくない。今回は都道府県立自然公園について示す。理由は国立公園は数が限られており、その区域内の制限を考える機会は一般にないと考えたからである。ただ環境省によると国立公園の約1/4は私有地なので、運良くまたは運悪く国立公園に指定された土地を入手される方もいるのかもしれない。そのあたりは別を参照されたい。(とここまで書いて記事を寝かせておいたら国立公園の区域内に建築物を建てる計画が湧いてできた。。)

国立公園は約1/4、都道府県立自然公園に至っては約1/2が私有地である(環境省HPより)

都道府県立自然公園は、都道府県が自然公園の区域を指定する。さらに自然公園の区域内には特別地域を指定することができるが、特別地域以外の地域は普通地域となる。この地域は宅地だろうと山林だろうと地目が公園であるものに限らず指定される。都道府県立とはいうものの、実際約1/2の土地は個人が所有する土地だったりする。これは先の表でも確認ができる。私の所有している山林は都立自然公園区域のうち普通地域内にある。特別地域の方がより厳しい制限を受けることになるので、特別地域でできることは普通地域でもできると考えて良い。今回は東京都を例にして、してよい行為・だめな行為を整理する。

都立自然公園区域内で、してよい行為

東京都の自然公園

東京都には自然公園として3つの国立公園、7つの国定公園および都立公園が存在する。
東京都の西側はかなりの広い範囲が自然公園の区域となっていることがわかる。23区を除いたら半分以上が自然公園の区域になりそうだ。この中でも都立の自然公園についてみていく。

東京都立自然公園については、「東京都自然公園条例」「東京都自然公園条例施行規則」で基準が定められている。見出しを「してよい行為」としたが、届出をすれば基本的にしてよいことになるものが多い。なので届出を要しない行為について示していく。

A:普通地域

普通地域内において、条例第13条第1項に掲げられている行為は届出が必要な行為である。逆にこの条文に定める行為以外の行為であれば、届出は不要である。

(普通地域)
第13条第1項
都立自然公園の区域のうち特別地域に含まれない区域(以下「普通地域」という。)内において、次に掲げる行為をしようとする者は、知事に対し、規則で定めるところにより、行為の種類、場所、施行方法及び着手予定日その他規則で定める事項を届け出なければならない。

一 その規模が規則で定める基準を超える工作物を新築し、改築し、又は増築すること(改築又は増築後において、その規模が規則で定める基準を超えるものとなる場合における改築又は増築を含む。)。
二 特別地域内の河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
三 広告物その他これに類する物を掲出し、若しくは設置し、又は広告その他これに類するものを工作物等に表示すること。
四 水面を埋め立て、又は干拓すること。
五 鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
六 土地の形状を変更すること。

東京都自然公園条例抜粋

上記の1から6号までが届出が必要な行為である。ただし、条例第13条第7項より、条例第13条第1項に掲げる行為であっても、届出が不要となる場合がある。

第13条第7項
次に掲げる行為については、第一項及び第二項の規定は、適用しない。

一 都公園事業の執行として行う行為
二 第十八条第一項の規定により締結された風景地保護協定に基づいて同項第一号の風景地保護協定区域内で行う行為であって、同項第二号又は第三号に掲げる事項に従って行うもの
三 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であって、規則で定めるもの
四 都立自然公園が指定され、又はその区域が拡張された際既に着手していた行為
五 非常災害のために必要な応急措置として行う行為

東京都自然公園条例抜粋

この中でも特に第3号の「通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であって、規則で定めるもの」とあるのは、規則第28条に具体的な内容が示されているので確認していく。

(普通地域内における届出を要しない行為)
第二十八条 条例第十三条第七項第三号に規定する規則で定める行為は、次に掲げるものとする。
一 第二十五条第一号から第二十七号まで、第四十一号から第四十四号まで、第五十五号から第六十号まで、第八十号第八十一号又は第九十四号から第百号までに掲げる行為

東京都自然公園条例施行規則抜粋

ここで、規則第25条を参照しているので抜き出す。

第25条
条例第十二条第六項第三号に規定する規則で定める行為は、次に掲げるものとする。

一 溝、井せき、とい、水車、風車、農業用又は林業用水槽等を新築し、改築し、又は増築すること。
二 門、生け垣、その高さが三メートル以下であり、かつ、その水平投影面積が三十平方メートル以下であるきん舎等を新築し、改築し、又は増築すること。
三 社寺境内地又は墓地において、鳥居、灯ろう、墓碑等を新築し、改築し、又は増築すること。
四 道路その他公衆の通行し、又は集合する場所から二十メートル以上の距離にあって、かつ、その水平投影面積が千平方メートル以下である炭がま、炭焼小屋、伐木小屋、造林小屋、畜舎、納屋、肥料だめ等を新築し、改築し、又は増築すること(改築又は増築にあっては、改築又は増築後において、その水平投影面積が千平方メートル以下であるものに限る。)。
五 ひび、えりやな類、漁具干場、漁舎等を新築し、改築し、又は増築すること。
六 条例第十二条第一項の許可を受けた行為又はこの条の各号に掲げる行為を行うために必要な工事用の仮工作物(宿舎を除く。)を新築し、改築し、又は増築すること。
七 河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第三条第二項に規定する河川管理施設(樹林帯を除く。)、砂防法(明治三十年法律第二十九号)第一条に規定する砂防設備、森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第四十一条第一項若しくは第三項の規定により行う保安施設事業に係る施設、海岸法(昭和三十一年法律第百一号)第二条第一項に規定する海岸保全施設(樹林を除く。)、地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)第二条第三項に規定する地すべり防止施設又は急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和四十四年法律第五十七号)第二条第二項に規定する急傾斜地崩壊防止施設を改築し、又は増築すること。
八 下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)第二条第三号に規定する公共下水道、同条第四号に規定する流域下水道又は同条第五号に規定する都市下水路を改築し、又は増築すること。
九 港湾法第二条第五項に規定する港湾施設又は同条第三項及び第四項に規定する港湾区域若しくは臨港地区以外の場所に設置する航路標識その他船舶の交通の安全を確保するために必要な施設若しくは廃油処理施設、航空保安施設、自記雨量計、積算雪量計その他気象、地象若しくは水象の観測に必要な施設又は鉄道若しくは軌道のプラットホーム(上家を含む。)を改築し、又は増築すること。
十 漁港漁場整備法(昭和二十五年法律第百三十七号)第三条第一号に掲げる施設若しくは同条第二号イ、ロ若しくはハに掲げる施設(同号イに掲げる施設については駐車場及びヘリポートを除き、同号ハに掲げる施設については公共施設用地に限る。)又は沿岸漁業(沿岸漁業改善資金助成法(昭和五十四年法律第二十五号)第二条第一項に規定する沿岸漁業(総トン数十トン以上二十トン未満の動力漁船(とう載漁船を除く。)を使用して行うものを除く。)をいう。以下この号において同じ。)の生産基盤の整備及び開発を行うために必要な沿岸漁業の構造の改善に関する事業に係る施設を改築し、又は増築すること。
十一 信号機、防護柵、土留擁壁その他鉄道、軌道又は自動車道の交通の安全を確保するために必要な施設を改築し、又は増築すること(信号機にあっては、新築を含む。)。
十二 文化財保護法第百十五条第一項の規定により史跡名勝天然記念物の管理に必要な施設を新築し、改築し、又は増築すること。
十三 道路の舗装及び道路のこう配緩和、線形改良その他道路の改築で、その現状に著しい変更を及ぼさないもの
十四 宅地又は道路に送水管、ガス管、電線等を埋設すること。
十五 野生鳥獣の保護増殖のための巣箱、給餌台、給水台等を設置すること。
十六 測量法(昭和二十四年法律第百八十八号)第十条第一項に規定する測量標又は水路業務法(昭和二十五年法律第百二号)第五条第一項に規定する水路測量標を設置すること。
十七 境界標(不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)第七十七条第一項第九号に規定する境界標をいう。)を設置すること。
十八 受信用アンテナ(テレビジョン放送の用に供するものに限る。)を設置すること。
十九 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第二条第四号に規定する無線設備を改築し、又は増築(新たに増築する無線設備の高さが、既存の無線設備の高さ又はそれが付帯する工作物の高さのうちいずれか高い方の位置を超えないもので、かつ、増築部分の最高部と最低部との高さの差が二メートル以下であるものに限る。)すること。
二十 既存の電線、電話線又は通信ケーブル(以下これらを「電線等」という。)を改築すること又は既存の電線等に沿って電線等を新築若しくは増築すること(既存の電線等の色彩と同等と認められるものに限る。)。
二十一 既存の電線等に付帯する工作物を新築、改築又は増築すること(既存の電線等の色彩と同等と認められるものに限る。)。
二十二 変圧器その他の電柱に付帯する設備を改築又は増築すること(当該電柱の高さを超えないものに限る。)。
二十三 支持物から他の支持物を経ずに需要場所の引込口に至る電線等及び引込みに要する設備を設置すること。
二十四 野生鳥獣による人、家畜、農作物、森林又は生態系に対する被害を防ぐためにカメラを設置し、又は柵、金網その他必要な施設(その高さが三メートルを超えない施設であって、道路その他公衆の通行し、又は集合する場所から二十メートル以上離れているものに限る。)を新築し、改築し、若しくは増築すること。
二十五 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成十六年法律第七十八号)第二条第一項に規定する特定外来生物(以下この条において「特定外来生物」という。)の防除又は保安の目的で、カメラを設置すること。
二十六 知事が指定する地域以外の地域において既存の建築物の屋根面に太陽光発電施設(当該施設の色彩及び形態が、都立自然公園の風致の維持に支障を及ぼすおそれがないものとして、知事が指定する色彩及び形態であるものに限る。)を設置すること。
二十七 都が、都立自然公園の保護若しくは適正な利用の推進のために人の立入りを防止するための柵又は都立自然公園の利用者数を計測するための機器その他の仮設の工作物(高さが三メートル以下であり、かつ、その水平投影面積が三平方メートル以下であるものに限る。)を新築し、改築し、又は増築すること。
四十一 土地の形状を変更するおそれのない範囲内で、鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
四十二 道路その他公衆の通行し、又は集合する場所から二十メートル以上の距離にある地域で、鉱物の掘採のため試すいを行うこと。
四十三 宅地又は田畑内の池沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
四十四 特別地域が指定され、又はその区域が拡張された際既にその新築、改築又は増築に着手していた工作物を操作することによって、河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
五十五 地表から二・五メートル以下の高さで、広告物等の建築物の壁面に掲出し、又は広告その他これに類する物を工作物等に表示すること。
五十六 法令の規定により、又は保安の目的で、広告物に類するものを掲出し、若しくは設置し、又は広告に類するものを工作物等に表示すること。
五十七 鉄道若しくは軌道の駅舎又は自動車若しくは船舶による旅客運送事業の営業所若しくは待合所において、駅名板、停留所標識、料金表又は運送約款若しくはこれに類するものを掲出し、若しくは設置し、又は工作物等にこれらを表示すること。
五十八 森林又は野生動植物の保護管理のための標識を掲出し、又は設置すること。
五十九 漁港漁場整備法第三十四条第一項の規定により定められた漁港管理規程に基づき、標識その他これに類する物を掲出し、若しくは設置し、又は工作物等に表示すること。
六十 特定外来生物の防除の目的で、標識その他これに類するものを掲出し、若しくは設置し、又は工作物等にこれらを表示すること。
八十 都市公園法(昭和三十一年法律第七十九号)第二条第一項に規定する都市公園又は都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第六項に規定する都市計画施設である公園若しくは緑地を設置し、又は管理すること(都市公園法施行令(昭和三十一年政令第二百九十号)第五条第六項に掲げる施設のうち、園内移動用施設である索道、鋼索鉄道、モノレールその他これらに類するもの(以下「園内移動用施設である索道等」という。)及び都市計画法第十八条第三項(同法第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により国土交通大臣に協議し、その同意を得た都市計画に基づく都市計画事業の施行として行う場合以外の場合における高さが十三メートルを超え、又は水平投影面積が千平方メートルを超える工作物(園内移動用施設である索道等を除く。)を新築し、改築し又は増築すること(改築又は増築後において、その高さが十三メートルを超え、又は水平投影面積が千平方メートルを超えるものとなる場合における改築又は増築を含む。)を除く。)。
八十一 前各号に掲げるもののほか、工作物等を修繕するために必要な行為をすること。
九十四 公園管理団体が行う条例第二十五条第一項各号及び第二項各号に掲げる業務のために必要な行為であって、その行為の内容及び実施期間を記載した書面が十四日前までに知事に提出されたものを行うこと。
九十五 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七十五号)第十条第一項の規定による環境大臣の許可に係る行為として、条例第十二条第一項各号に掲げるものを行うこと。
九十六 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律第四十七条第一項に規定する認定保護増殖事業等の実施のために必要な行為として、条例第十二条第一項各号に掲げるものを行うこと。
九十七 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律第三章の規定による防除の実施のために必要な行為として、条例第十二条第一項各号に掲げるものを行うこと。
九十八 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)第二十八条の二第一項から第五項までの規定による保全事業の実施のために必要な行為として、条例第十二条第一項各号に掲げるものを行うこと。
九十九 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第九条第一項の規定により、知事の許可に係る行為として、条例第十二条第一項各号に掲げるものを行うこと。
百 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第十四条の二第一項の規定による指定管理鳥獣捕獲等事業による指定管理鳥獣の捕獲に伴う行為として、条例第十二条第一項各号に掲げるものを行うこと。

東京都自然公園条例施行規則抜粋

上記の行為は、「通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であって、規則で定めるもの」であって、届出が必要ない。掲げられている行為をみていくと多くの行為が届け出不要となることがわかる。
当然のことだが、ここでの届出不要というのはあくまで自然公園法上の届出が不要ということであって、自然公園法以外の法律や条例については必ず確認が必要である。

B:特別地域

同様に特別地域もみていく。まずは条例から。

(特別地域内における行為の制限)
第十二条 特別地域内においては、次に掲げる行為は、知事の許可を受けなければ、してはならない。ただし、当該特別地域が指定され、若しくはその区域が拡張された際既に着手していた行為、第六号に規定する物が定められた際既に着手していた同号に掲げる行為又は非常災害のために必要な応急措置として行う行為は、この限りでない。

一 工作物を新築し、改築し、又は増築すること。
二 木竹を伐採すること。
三 鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
四 河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
五 広告物その他これに類する物を掲出し、若しくは設置し、又は広告その他これに類するものを工作物等に表示すること。
六 屋外において土石その他の規則で定める物を集積し、又は貯蔵すること。
七 水面を埋め立て、又は干拓すること。
八 土地を開墾し、その他土地の形状を変更すること。
九 高山植物その他の植物で規則で定めるものを採取し、又は損傷すること。
十 山岳に生息する動物その他の動物で規則で定めるもの(以下「指定動物」という。)を捕獲し、若しくは殺傷し、又は指定動物の卵を採取し、若しくは損傷すること。
十一 屋根、壁面、塀、橋、鉄塔、送水管その他これらに類するものの色彩を変更すること。
十二 道路、広場、田、畑、牧場及び宅地以外の地域のうち知事が指定する区域内において車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
十三 主として歩行者の通行の用に供する道路であって舗装がされていないもののうち知事が指定する道路において車馬を使用すること。

東京都自然公園条例施行規則抜粋

上記の行為はすべて知事の許可が必要な行為だ。第1項の条文からわかるように、特別地域は普通地域よりも厳しい条件の地域となっている。
法律の基礎知識として、届出とは一定の事項を通知するもの、申請は許可/不許可の処分を前提としたもののとなるが、特別地域では行為の前に申請が必要となり、内容が厳しく審査される。審査を経て許可がおりたら初めて行為に着手できる。一般にこうした審査はうまくいって1ヶ月程度かかるとみたほうがよいだろう。また書類の不備などがあれば当然修正を求められるためさらに時間がかかることになる。つまり、なにか目標の期日があって行為に着手したい場合はこうした申請にかかる期間から逆算して計画する必要があるのだ。

特別地域にも普通地域と同様にただし書きがある。

第十二条
6 次に掲げる行為については、第一項及び前三項の規定は、適用しない。
一 都公園事業の執行として行う行為
二 第十八条第一項の規定により締結された風景地保護協定に基づいて同項第一号の風景地保護協定区域内で行う行為であって、同項第二号又は第三号に掲げる事項に従って行うもの
三 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であって、規則で定めるもの

東京都自然公園条例抜粋

再び規則をみていく。

(特別地域内における許可又は届出を要しない行為)
第二十五条 条例第十二条第六項第三号に規定する規則で定める行為は、次に掲げるものとする。
一 溝、井せき、とい、水車、風車、農業用又は林業用水槽等を新築し、改築し、又は増築すること。
二 門、生け垣、その高さが三メートル以下であり、かつ、その水平投影面積が三十平方メートル以下であるきん舎等を新築し、改築し、又は増築すること。
三 社寺境内地又は墓地において、鳥居、灯ろう、墓碑等を新築し、改築し、又は増築すること。
四 道路その他公衆の通行し、又は集合する場所から二十メートル以上の距離にあって、かつ、その水平投影面積が千平方メートル以下である炭がま、炭焼小屋、伐木小屋、造林小屋、畜舎、納屋、肥料だめ等を新築し、改築し、又は増築すること(改築又は増築にあっては、改築又は増築後において、その水平投影面積が千平方メートル以下であるものに限る。)。
五 ひび、えりやな類、漁具干場、漁舎等を新築し、改築し、又は増築すること。
六 条例第十二条第一項の許可を受けた行為又はこの条の各号に掲げる行為を行うために必要な工事用の仮工作物(宿舎を除く。)を新築し、改築し、又は増築すること。
七 河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第三条第二項に規定する河川管理施設(樹林帯を除く。)、砂防法(明治三十年法律第二十九号)第一条に規定する砂防設備、森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第四十一条第一項若しくは第三項の規定により行う保安施設事業に係る施設、海岸法(昭和三十一年法律第百一号)第二条第一項に規定する海岸保全施設(樹林を除く。)、地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)第二条第三項に規定する地すべり防止施設又は急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和四十四年法律第五十七号)第二条第二項に規定する急傾斜地崩壊防止施設を改築し、又は増築すること。
八 下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)第二条第三号に規定する公共下水道、同条第四号に規定する流域下水道又は同条第五号に規定する都市下水路を改築し、又は増築すること。
九 港湾法第二条第五項に規定する港湾施設又は同条第三項及び第四項に規定する港湾区域若しくは臨港地区以外の場所に設置する航路標識その他船舶の交通の安全を確保するために必要な施設若しくは廃油処理施設、航空保安施設、自記雨量計、積算雪量計その他気象、地象若しくは水象の観測に必要な施設又は鉄道若しくは軌道のプラットホーム(上家を含む。)を改築し、又は増築すること。
十 漁港漁場整備法(昭和二十五年法律第百三十七号)第三条第一号に掲げる施設若しくは同条第二号イ、ロ若しくはハに掲げる施設(同号イに掲げる施設については駐車場及びヘリポートを除き、同号ハに掲げる施設については公共施設用地に限る。)又は沿岸漁業(沿岸漁業改善資金助成法(昭和五十四年法律第二十五号)第二条第一項に規定する沿岸漁業(総トン数十トン以上二十トン未満の動力漁船(とう載漁船を除く。)を使用して行うものを除く。)をいう。以下この号において同じ。)の生産基盤の整備及び開発を行うために必要な沿岸漁業の構造の改善に関する事業に係る施設を改築し、又は増築すること。
十一 信号機、防護柵、土留擁壁その他鉄道、軌道又は自動車道の交通の安全を確保するために必要な施設を改築し、又は増築すること(信号機にあっては、新築を含む。)。
十二 文化財保護法第百十五条第一項の規定により史跡名勝天然記念物の管理に必要な施設を新築し、改築し、又は増築すること。
十三 道路の舗装及び道路のこう配緩和、線形改良その他道路の改築で、その現状に著しい変更を及ぼさないもの
十四 宅地又は道路に送水管、ガス管、電線等を埋設すること。
十五 野生鳥獣の保護増殖のための巣箱、給餌台、給水台等を設置すること。
十六 測量法(昭和二十四年法律第百八十八号)第十条第一項に規定する測量標又は水路業務法(昭和二十五年法律第百二号)第五条第一項に規定する水路測量標を設置すること。
十七 境界標(不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)第七十七条第一項第九号に規定する境界標をいう。)を設置すること。
十八 受信用アンテナ(テレビジョン放送の用に供するものに限る。)を設置すること。
十九 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第二条第四号に規定する無線設備を改築し、又は増築(新たに増築する無線設備の高さが、既存の無線設備の高さ又はそれが付帯する工作物の高さのうちいずれか高い方の位置を超えないもので、かつ、増築部分の最高部と最低部との高さの差が二メートル以下であるものに限る。)すること。
二十 既存の電線、電話線又は通信ケーブル(以下これらを「電線等」という。)を改築すること又は既存の電線等に沿って電線等を新築若しくは増築すること(既存の電線等の色彩と同等と認められるものに限る。)。
二十一 既存の電線等に付帯する工作物を新築、改築又は増築すること(既存の電線等の色彩と同等と認められるものに限る。)。
二十二 変圧器その他の電柱に付帯する設備を改築又は増築すること(当該電柱の高さを超えないものに限る。)。
二十三 支持物から他の支持物を経ずに需要場所の引込口に至る電線等及び引込みに要する設備を設置すること。
二十四 野生鳥獣による人、家畜、農作物、森林又は生態系に対する被害を防ぐためにカメラを設置し、又は柵、金網その他必要な施設(その高さが三メートルを超えない施設であって、道路その他公衆の通行し、又は集合する場所から二十メートル以上離れているものに限る。)を新築し、改築し、若しくは増築すること。
二十五 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成十六年法律第七十八号)第二条第一項に規定する特定外来生物(以下この条において「特定外来生物」という。)の防除又は保安の目的で、カメラを設置すること。
二十六 知事が指定する地域以外の地域において既存の建築物の屋根面に太陽光発電施設(当該施設の色彩及び形態が、都立自然公園の風致の維持に支障を及ぼすおそれがないものとして、知事が指定する色彩及び形態であるものに限る。)を設置すること。
二十七 都が、都立自然公園の保護若しくは適正な利用の推進のために人の立入りを防止するための柵又は都立自然公園の利用者数を計測するための機器その他の仮設の工作物(高さが三メートル以下であり、かつ、その水平投影面積が三平方メートル以下であるものに限る。)を新築し、改築し、又は増築すること。
二十八 宅地内の木竹を伐採すること。
二十九 自家用のために木竹(別表第一に掲げるものを除く。)を択伐(塊状択伐を除く。)すること。
三十 生業の維持のため、必要な範囲内で竹(高さが五十センチメートル以内のものに限る。)を伐採すること。
三十一 施設又は設備の維持管理を行うため必要な範囲内で竹(高さが三メートル以内のものに限る。)を伐採すること。
三十二 桑、茶、こうぞ、みつまた、こりやなぎ、桐、果樹その他農業用に栽培した木竹を伐採すること。
三十三 枯損した木竹又は危険な木竹を伐採すること。
三十四 森林の保育のために下刈りし、つる切りし、又は間伐すること。
三十五 電線路の維持に必要な範囲内で木竹を伐採すること。
三十六 道路(主として歩行者の通行の用に供するものを除く。)、鉄道又は軌道の交通の障害となる木竹を伐採すること。
三十七 牧野改良のためにいばら、かん木等を除去すること。
三十八 牧野その他の草原の維持のために必要な範囲内で竹又はかん木を伐採すること。
三十九 別表第一に掲げるものの保護増殖のために必要な範囲内で竹又はかん木を伐採すること。
四十 宅地内の土石を採取すること。
四十一 土地の形状を変更するおそれのない範囲内で、鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
四十二 道路その他公衆の通行し、又は集合する場所から二十メートル以上の距離にある地域で、鉱物の掘採のため試すいを行うこと。
四十三 宅地又は田畑内の池沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
四十四 特別地域が指定され、又はその区域が拡張された際既にその新築、改築又は増築に着手していた工作物を操作することによって、河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
四十五 耕作の事業に伴う汚水又は廃水を排出すること。
四十六 森林施業に伴う汚水又は廃水を排出すること。
四十七 漁船から汚水又は廃水を排出すること。
四十八 養魚の事業に伴う汚水又は廃水を排出すること。
四十九 漁港漁場整備法第二十五条の規定により指定された漁港管理者が維持管理する同法第三条に規定する漁港施設から汚水又は廃水を排出すること。
五十 宅地内で行う家畜の飼育に伴う汚水又は廃水を排出すること。
五十一 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第三十一条第二項に規定する 屎し 尿浄化槽(建築基準法施行令第三十二条に規定する処理対象人員に応じた性能を有するものに限る。)から汚水又は廃水を排出すること。
五十二 住宅から汚水又は廃水( 屎し 尿の排出を除く。)を排出すること。
五十三 河川法第三条第二項に規定する河川管理施設、砂防法第一条に規定する砂防設備、森林法第四十一条第一項若しくは第三項の規定により行う保安施設事業に係る施設、海岸法第二条第一項に規定する海岸保全施設、地すべり等防止法第二条第三項に規定する地すべり防止施設又は急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第二条第二項に規定する急傾斜地崩壊防止施設から汚水又は廃水を排出すること。
五十四 下水道法第二条第三号に規定する公共下水道若しくは同条第四号に規定する流域下水道へ汚水若しくは廃水を排出すること又はこれらの施設から汚水若しくは廃水を排出すること。
五十五 地表から二・五メートル以下の高さで、広告物等の建築物の壁面に掲出し、又は広告その他これに類する物を工作物等に表示すること。
五十六 法令の規定により、又は保安の目的で、広告物に類するものを掲出し、若しくは設置し、又は広告に類するものを工作物等に表示すること。
五十七 鉄道若しくは軌道の駅舎又は自動車若しくは船舶による旅客運送事業の営業所若しくは待合所において、駅名板、停留所標識、料金表又は運送約款若しくはこれに類するものを掲出し、若しくは設置し、又は工作物等にこれらを表示すること。
五十八 森林又は野生動植物の保護管理のための標識を掲出し、又は設置すること。
五十九 漁港漁場整備法第三十四条第一項の規定により定められた漁港管理規程に基づき、標識その他これに類する物を掲出し、若しくは設置し、又は工作物等に表示すること。
六十 特定外来生物の防除の目的で、標識その他これに類するものを掲出し、若しくは設置し、又は工作物等にこれらを表示すること。
六十一 一・五メートル以下の高さで、かつ、十平方メートル以下の面積で物を集積し、又は貯蔵すること。
六十二 耕作の事業に伴う物の集積又は貯蔵であって、明らかに風致の維持に支障のないものを行うこと。
六十三 森林の整備又は木材の生産に伴い発生する根株、伐採木又は枝条を森林内に集積し、又は貯蔵すること。
六十四 木材の加工又は流通の事業に伴い発生する木くずを集積し、又は貯蔵すること。
六十五 河川法第三条第一項に規定する河川その他の公共の用に供する水路の管理のために必要な物を集積し、又は貯蔵すること。
六十六 砂防法第一条に規定する砂防設備の管理又は維持のために必要な物を集積し、又は貯蔵すること。
六十七 海岸法第二条第二項に規定する一般公共海岸区域又は同法第三条第一項に規定する海岸保全区域の管理のために必要な物を集積し、又は貯蔵すること。
六十八 地すべり等防止法第三条第一項に規定する地すべり防止区域の管理のために必要な物を集積し、又は貯蔵すること。
六十九 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第三条第一項に規定する急傾斜地崩壊危険区域の管理のために必要な物を集積し、又は貯蔵すること。
七十 港湾法第二条第五項に規定する港湾施設において荷役の目的に必要な物を集積し、又は貯蔵すること。
七十一 宅地内において別表第一に掲げるものを採取し、又は損傷すること。
七十二 農業を営むために必要な範囲内で別表第一に掲げるものを損傷すること。
七十三 牧野その他の草原の維持のために必要な範囲内で別表第一に掲げるものを損傷すること。
七十四 別表第一に掲げるものの保護増殖のために必要な範囲内で同表に掲げるものを損傷すること。
七十五 国、地方公共団体又は特定外来生物の防除を目的とする催し(国又は地方公共団体が実施するものであって、あらかじめ、その内容及び実施期間を記載した書面が、知事に提出されたものに限る。)に参加した者が、特定外来生物である植物(木竹を除く。)を採取し、又は損傷すること。
七十六 知事の指定する地域以外の地域において木竹を植栽すること。
七十七 宅地内に木竹を植栽すること。
七十八 桑、茶、こうぞ、みつまた、こりやなぎ、桐、果樹その他農業用に栽培する木竹又は現存する木竹の同一種類の木竹を植栽すること。
七十九 家畜を係留放牧すること。
八十 都市公園法(昭和三十一年法律第七十九号)第二条第一項に規定する都市公園又は都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第六項に規定する都市計画施設である公園若しくは緑地を設置し、又は管理すること(都市公園法施行令(昭和三十一年政令第二百九十号)第五条第六項に掲げる施設のうち、園内移動用施設である索道、鋼索鉄道、モノレールその他これらに類するもの(以下「園内移動用施設である索道等」という。)及び都市計画法第十八条第三項(同法第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により国土交通大臣に協議し、その同意を得た都市計画に基づく都市計画事業の施行として行う場合以外の場合における高さが十三メートルを超え、又は水平投影面積が千平方メートルを超える工作物(園内移動用施設である索道等を除く。)を新築し、改築し又は増築すること(改築又は増築後において、その高さが十三メートルを超え、又は水平投影面積が千平方メートルを超えるものとなる場合における改築又は増築を含む。)を除く。)。
八十一 前各号に掲げるもののほか、工作物等を修繕するために必要な行為をすること。
八十二 森林施業のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
八十三 漁業を営むために車馬又は動力船を使用すること。
八十四 漁業取締りのために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
八十五 河川法第三条第一項に規定する河川その他の公共の用に供する水路の管理又はその指定を目的とする調査(同法第六条第一項に規定する河川区域の指定、同法第五十四条第一項の規定による河川保全区域の指定又は同法第五十六条第一項の規定による河川予定地の指定を目的とするものを含む。)のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
八十六 砂防法第一条に規定する砂防設備の管理若しくは維持又は同法第二条の規定により指定された土地の監視のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
八十七 海岸法第三条に規定する海岸保全区域の管理のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
八十八 地すべり等防止法第三条第一項に規定する地すべり防止区域の管理又は同項の規定による地すべり防止区域の指定を目的とする調査のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
八十九 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第三条第一項に規定する急傾斜地崩壊危険区域の管理又は同項の規定による急傾斜地崩壊危険区域の指定を目的とする調査のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
九十 土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第二条第二項第一号に規定する土地改良施設の管理のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
九十一 港則法(昭和二十三年法律第百七十四号)第二条に規定する港の区域内において動力船を使用すること。
九十二 海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第三条の規定により一般旅客定期航路事業の免許を受けた者、同法第二十条の規定により不定期航路事業の届出をした者又は同法第二十一条の規定により旅客不定期航路事業の許可を受けた者が当該事業を営むために動力船を使用すること。
九十三 国又は地方公共団体が法令に基づきその任務とされている遭難者を救助するための業務(当該業務及び非常災害に対処するための業務に係る訓練を含む。)、犯罪の予防又は捜査その他の公共の秩序を維持するための業務、交通の安全を確保するための業務、水路業務その他これらに類する業務を行うために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
九十四 公園管理団体が行う条例第二十五条第一項各号及び第二項各号に掲げる業務のために必要な行為であって、その行為の内容及び実施期間を記載した書面が十四日前までに知事に提出されたものを行うこと。
九十五 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七十五号)第十条第一項の規定による環境大臣の許可に係る行為として、条例第十二条第一項各号に掲げるものを行うこと。
九十六 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律第四十七条第一項に規定する認定保護増殖事業等の実施のために必要な行為として、条例第十二条第一項各号に掲げるものを行うこと。
九十七 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律第三章の規定による防除の実施のために必要な行為として、条例第十二条第一項各号に掲げるものを行うこと。
九十八 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)第二十八条の二第一項から第五項までの規定による保全事業の実施のために必要な行為として、条例第十二条第一項各号に掲げるものを行うこと。
九十九 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第九条第一項の規定により、知事の許可に係る行為として、条例第十二条第一項各号に掲げるものを行うこと。
百 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第十四条の二第一項の規定による指定管理鳥獣捕獲等事業による指定管理鳥獣の捕獲に伴う行為として、条例第十二条第一項各号に掲げるものを行うこと。
百一 道路、駐車場、運動場、芝生で覆われた園地、植生のない砂浜その他の原状回復が可能な場所において、地域の活性化を目的とする自然を活用した催しを実施するため、工作物を新築し、改築し、若しくは増築し、広告物等を建築物の壁面に掲出し、若しくは設置し、若しくは工作物等に表示し、小規模に土地の形状を変更し、又は屋根、壁面、塀、橋、鉄塔、送水管その他これらに類するものの色彩を変更すること(一時的に行われ、当該催しの終了後遅滞なく原状回復が行われるものであり、かつ、当該催しに関し、地方公共団体が作成する次に掲げる事項を記載した計画であって、当該催しの開始の日の三十日前までに知事に提出されたものに基づき行われるものに限る。以下この号において「工作物の新築等」という。)。
イ 催しの名称、概要、主催者名、開催場所及び開催期間
ロ 風致の維持のために行われる措置の内容
ハ 原状回復を確実に実施するための体制及び方法並びにその実施期限
ニ 工作物の新築等に着手する十五日前までに、その概要を知事に通知する旨
百二 前各号に掲げる行為に附帯する行為

東京都自然公園条例施行規則抜粋

普通地域では規則第25条からいくつかの行為を抜き出す形で軽易な行為が定められていたが、特別地域では規則第25条に掲げるすべての行為が軽易な行為となるようだ。特別地域は普通地域よりも厳しいのではなかったのか。これは具体的にみていけばわかる。
例えば普通地域では木竹の伐採はそもそも条例上で届出が不要である。対して特別地域では木竹の伐採に許可または届出が必要とされている。規則までいくと条例で必要とされている木竹の伐採のうち、例えば規則で定める「二十八 宅地内の木竹を伐採すること。」は許可または届出が不要であると読める。このように、規則第25条では条例で定めるもののうちの例外を示しているのであって、普通地域はそもそも条例で届出が不要であるため、例外を示す必要がないのである。

そのほか、特別地域では利用のための規制がある。

(利用のための規制)
第十七条 特別地域又は集団施設地区内においては、何人も、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
一 当該都立自然公園の利用者に著しく不快の念を起こさせるような方法で、ごみその他の汚物又は廃物を捨て、又は放置すること。
二 著しく悪臭を発散させ、拡声器、ラジオ等により著しく騒音を発し、展望所、休憩所等をほしいままに占拠し、嫌悪の情を催させるような仕方で客引きをし、その他当該都立自然公園の利用者に著しく迷惑をかけること。
三 野生動物(鳥類又は哺乳類に属するものに限る。以下この号において同じ。)に餌を与えることその他の野生動物の生態に影響を及ぼす行為で規則で定めるものであって、当該都立自然公園の利用に支障を及ぼすおそれのあるものを行うこと。
2 知事は、特別地域又は集団施設地区内において前項第二号又は第三号に掲げる行為をしている者があるときは、その職員をして、当該行為をやめるべきことを指示させることができる。
3 前項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

東京都自然公園条例抜粋

至極当たり前だが、ゴミを放置したり、悪臭や騒音を発生させたりすることはしてはならない。野生動物への餌やりも禁止されている。

まとめ

ここまで許可または届出が不要な行為について条例を読み解いてきた。しかし条例文を読んだだけではイメージするのが難しい。これを実際に絵にするとどうなるか一例を作成したのでみてほしい。

東京都自然公園条例やってよいこと普通地域編

この絵では主に普通地域で届出が不要な軽易な行為の一部を示している。各要素に引き出し線で漢数字を記しているが、この漢数字は条例規則第25条の号数に対応している。
ここで示す行為はあくまで自然公園法で許可または届出不要とされる行為であって、その他の法律について必ず確認する必要がある。この絵で言えば、小屋を建てる際に建築確認の要否を確認する必要があるし、景観条例や屋外広告物条例についても許可や届出が必要な場合があるので、注意をしてほしい。

しかし改めてみていると大きな制限はないように感じられる。絵には表現しきれなかった行為も多くあるし、許可や届出を行えばさらにやってよいことのバリエーションは増えていく。もし購入しようとする土地が自然公園の区域内だったとしても特に普通地域の場合はマイナス要素として捉える必要はないのかもしれない。

余談:実際の許可申請

ここまで東京都自然公園条例および同条例施行規則から読み取った自然公園でやってよいことを整理した。
ここでは一旦自分の山から離れ、実際の申請について簡単に記す。仕事で国立公園の特別地域内の許可申請について扱う機会があったので実際の許可申請で知ったことを箇条書きでまとめる。

  • 国立公園には「管理計画書」というものがあり、この管理計画書に細かな行為の制限内容が記されている。

  • 建築行為に対する制限は厳しく、道路や隣地境界からの離隔距離がそれぞれ20m・5m求められたほか、敷地面積に対する建築面積の割合も自然公園法によって最大20%と厳しく制限を受けた。

  • また、自然公園法における「建築面積」と建築基準法における「建築面積」の扱いが異なることがわかった。自然公園法では屋根の投影を、建築基準法では(簡単にいうと)柱芯・壁芯で囲われた部分をそれぞれ「建築面積」という。(そのため先の20%は、建築基準法でいう建蔽率とは若干異なる)

  • 建築物の形態にも制限があり、屋根は勾配屋根で切妻、軒の出は壁面から500mm以上となるよう求められた。

  • 試算してみると例えば、自然公園法の建築面積が300m2(20.0%)のとき、建築基準法の建築面積は最大260m2(17.3%)になり、2.7%分損した気分になる。

  • 色についても当然使用して良い色がある。

  • ほかにも造成をする場合は掘削量を計算して制限の範囲内であることを証明する必要があったり色々と面倒だった。

実際に申請手続きをしてみると法文や条例文を読んだだけではわからなかったことが色々と明らかになっていく。どのような手続きも実際にやってみてからわかることが多く初めから完璧に行くものではない。特に自然公園は各公園ごとに窓口(環境事務所)や管理計画書が異なっているため、申請や届出を行う場合には違った指摘や指導をうけることになるだろう。

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