タイトル募集
父が子供を褒めているところを見たことがない。
好きな食べ物は知らない、好きな飲み物は多分ビール。
吸ってたタバコはラッキーストライク、タール数は知らない。
思えば父は照れ屋だったんだろう。
自分の気持ちを人に伝えるのが下手だった。
色濃く受け継いでいる俺が言うから間違いない、俺は父に似ている。
ここまで書くのに20分かかってる、たった200文字に20分。
小難しい言葉を使って話してしまうのをやめたい。
多分これは父から譲り受けたものなんだろう。なんてものを遺してくれたんだ。息子の気持ちも考えてくれよ。
悲しかった、最後に父とやりとりしたのは
「今どこにいる?」「東京」「そっか、大人になったら一緒に酒飲もう」
という淡白なやりとりだった。
大人になったタイミングで父は死んだ。小学4年生から話していなかった。
人生の半分も自分に関わっていなかった人間が死んでも何も思わないと思っていた。
血の繋がった人が命を落としたらこんな気持ちになるのか、あんなに嫌いだったのに思い出すことがこんなにも綺麗に見えるのか。
今年は死ぬことと残すものについて考える一年にしよう と思い
去年の誕生日(6/17 覚えてください)から考える軸を「死」に定めるという不謹慎な日々を過ごしてきた。
死ぬことについて、死についてこんなにも考えた一年間は無かったしこれ以上考える一年間なんて想像もしたくない。
Twitterで見かける戦争のニュースを見て何もできなくなり
いじめで自殺した子供のニュースを見て何もできなくなり
人が死ぬ映画を見て何もできなくなった
おかげさまで人の死で感動を誘う演出が大嫌いになった
俺が死ぬときは何を残すんだろう。父は俺に歯並びと性格を残し、
頑固で下手に論理的な性格も残した。
まだまだあんまり上手く使いこなせていない。
理屈っぽくてやだなあ 自分の芯があって素敵
周りの人が取捨選択してくれるから、なんとか快適に過ごせている。
いつか俺が死ぬことになったら、葬式には喪服で来ないでほしい。
悲しい雰囲気を醸し出すBGMは流さないでほしい、ボカロとか流してほしい
お通夜と告別式のご飯は目一杯美味しいものを食べてほしい
自分の名前が大好きだから戒名はつけないでほしい。
欲を言うなら遺骨は何処かに撒いてほしい。
死にそうな時に教えるから、俺のLINEとかインスタとかTwitter見て、
仲良くしてそうな人を10人だけ呼んでほしい。
家族がいるならみんな呼んでほしい。
俺はその頃、みんなの頭に何を残せているかな。
こんなわがままを叶えてくれる人はいるかな。
「死んでよかった」なんて言われませんように。
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