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老いる
ボロアパートで息を潜めてやっとの生活。
「今の楽しさ」だけを優先し続けてきたから貯金はない。
楽しみはネットの掲示板で20代になりきることだけ。
セックスなんてもう7年くらいしていない。
あそこの勃ちも悪く、尿漏れ、大便漏れがひどくなってきている。
額は上がり髪は抜け落ち、唯一の自慢だった肌と体は衰えた。
膝や関節が重くすぐ痛む。
重力に勝てないシミだらけの老いた肉体を鏡に映しては
裸になれば簡単にセックスができたあの頃を思い出す。
あの頃は本当に楽しかった。
趣味がセックスで~(笑)なんて笑いながら騒いでた2丁目のゲイバー。
あの頃の友人は自殺、病死、行方不明・・・
あんなに眩しく輝いていたのが噓みたいな今。
電話ももうずっと鳴っていない。
肩で風を切って歩いた二丁目。
今は冬の隙間風が神経痛を悪化させる。
若いというだけで男が群がった20代。
脂がのってモテモテだった30代。
まだまだ若いねと言われた40代。
人間関係が希薄になり始めた50代。
そして 周 り に 誰 も い な く な っ た 60代。
ボロボロのカビ臭い布団に顔を隠して泣きながら眠りにつく毎日。
早くお迎えが来て欲しいと願いながら床に就く。
今朝、X(旧Twitter)で見かけた文章(原文のまま)
おはようございます、俺です
自分が書いたのかと思ったよ。ちょっと違うところはあるけど、近い未来の自分を見た気がした。
そうだね、20代になり切って、画像はAIを駆使して、SNSの中で生きてやろうか、と思ったこともあったもんね。
ひと昔前 『シャイニーな・・・』 という言葉がSNSを賑わしたことがある。シャイニーを上手く説明は出来ないけど、湾岸の高層マンションに住んで、毎日のようにホームパーティーを楽しんでる 『輝いてる俺』 をSNSに上げてたゲイがいたよね。
高層マンションに住んだことはないけど、ホームパーティを毎日やってたわけじゃなけど、俺にだって輝いてた時代があった。
昨日、買い物に出た街で、俺が好きなファッションを上手に着こなしてる若者がいた。そして俺の着ている服と見比べて、若いからあれでいいけど今の俺には・・・、と思い直した自分がいた。今もそれなりに輝いている。と自分では思ってるよ。老いる自分と上手に付き合ってる、と自分では思ってる。いつまでも現役でいたいじゃんね(笑)
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