
薪ストーブは怖くない
キャンプが好きなくせに、焚火がやや苦手です。理由は「燃え広がる」のと「爆ぜる」のが怖いからです。
芝のサイトを焦がしたらどうしよう、とか、爆ぜた焚火がテントを焦がしたらどうしようとか。薪ストーブを初めてみた時はこれなら爆ぜないじゃん‼️と大喜び。
あれこれ悩んでポモリーの薪ストーブを購入しました。理由は軽かったことと、ピザオーブンがついてきたからです。当時は10kg以上の薪ストーブが主流で、非力のワタシは6キロが限界。ポモリーはチタン製で軽かったためこれならいけるかも・・と注文したわけです。
はじめの頃は失敗ばかりでした。
薪ストーブには吸気口がだいたい2か所あります。扉の下にあるスライド式の空気孔と煙突の連結部のダンパーです。これらを閉じてしまうと薪が燃えないし、煤が発生します。煤がテント内に逆流して何度涙目になったことか。あんまり失敗続きで疲れ切っ てしまい、しばらく使わなかった時期もありました。最近はようやく慣れてきました。
そこで、今回は「安全な使い方」を共有したいと思います。
一酸化炭素について
一酸化炭素は有機物(炭素を含む物質)が燃焼する際に酸素が不足して、不完全燃焼を起こし発生します。言い換えると、燃焼で発生する二酸化炭素が増えて酸素が不足していくと、この二酸化炭素と炭素が接触して一酸化炭素が発生します(CO2+C=2CO)。ちなみに一酸化炭素は、赤血球中のヘモグロビンと結合し、血液の酸素運搬能力を阻害します。
練炭による自〇は、まさにこの方法を使っているのですね。
一酸化炭素を最も排出してしまうのが練炭・豆炭などの炭だそうですが、キャンプでの一酸化炭素事故は石油ストーブが多い様に感じます。
密閉度が高い、狭めのテント内で石油ストーブを焚くのが危険ということですね。石油ストーブに限らず、ガスストーブ、薪ストーブも同様です。呼気や燃焼による二酸化炭素と炭素が反応しないようにするには、新鮮な空気を絶やさないということが必要です。
しかし換気の頻度って難しい。心配性の私は、ずっと開けっ放しにして風邪を引いたこともありました。
今は低い所と高い所にベンチレーションを設けています。高い所にベンチレーションがあるテントが多いと思いますが、低い所にはないことも多いですよね。そんなときは出入り口のジッパーを20センチ程度開けています(洗濯ばさみで固定)。冷たい空気は重いので幕内の下のほうに流れていきます。他方、暖房により暖められた空気は上昇しベンチレーションから排出されます。幕内に空気の流れが生じ、新鮮な空気が自然と入り込むようになります。警報機を付けていますが反応したことはありません。石油ストーブと薪ストーブ、両方をつけた場合は、さらに隙間を大きくするか、反対の入り口を開けています。

他に使い方の注意点が見えたのでちょっとご紹介。
1.設置編
薪ストーブは、テントから5,60cmは離します。窓付きならリビングに窓を向けて、扉は薪の出し入れしやすい位置にします。リフレクタはあってもなくても大丈夫です(重たいので私は使いません)。小さい薪ストーブは高さが低いことが多いので(腰を痛めないよう)台に載せると良いと思います。
初心者はなるべく出入り口の近くに薪ストーブを設置することをお勧めします。焚き付け時には煙が出やすいのでテントの入口を開けっ放しにして火が安定したら閉めます。出入り口のテント生地を焦がしてしまわないよう、洗濯ばさみで束ねるといいです。

煙突はテントより高いほうが良いと思います。煙突の頂上にスパークアレスタ―をつけたほうがいいでしょう。
私は煙突ガードを付けています。このため巻煙突は辞めてチタンの連結式に変えました。こうすることで、煙突にガイロープを張って固定することができるようになりました。

2.操作編
薪は、あまり詰め込まないこと。ガンガン焚くと変形します。ダンパーを開放し、フロントの空気孔も開けて、着火します。薪はなるべく窓から離すこと。窓と接触すると煤がつきます。煤は拭けばとれますけどね。
炎が大きいうちは追加の薪はくべずに、炎が安定⇒やや弱くなりかけのタイミングで薪を追加します。広葉樹は火持ちがいいので楽です。
以前は焚き付けに針葉樹を買ったりしていましたが、今は広葉樹だけです。
小割もしません。ホームセンターの薪は優秀です。よく乾燥しており、あまり爆ぜません。キャンプ場で売っている薪は「玉石混交」です。慣れるまではホームセンターでの購入をお勧めします。
設営時は晴れていたのに、設営が終わったころ雪となりました。
結構寒かったですが、幕内は石油ストーブと薪ストーブでほかほか。
(足元は寒い)午後3時半頃から9時半まで薪ストーブを使い2束弱消費しました。雪を眺めながらのキャンプ、最高でした。
薪ストーブをご利用の際はどうぞご安全に!
