日向坂46「全員選抜派」の欺瞞
これまで「全員選抜」のもと、メンバー全員が表題曲を歌うという形を取ってきた日向坂46ですが、11thにしてついに選抜制が導入されましたね。28人中16人が選抜として活動し、それ以外は乃木坂・櫻坂と同じようにアンダーとして活動することが予想されます。
これに対して一部のファンからかなり批判的な意見が出ています。
フォーメーション発表というのは必ず批判が出るものです。〇〇がセンターじゃないのはおかしい、〇〇よりも△△を一列目にしろ、というような批判が出るのは当然です。誰しも、応援しているメンバーにスポットが当たってほしいと願います。
ですが、今回の批判については、それらとは少し異質なものです。というのも、選抜メンバー・フォーメーションに対する批判というよりも、選抜制導入そのものに対する批判が多かったのです。
このnoteは、そういった全員選抜派の中でも、「全員選抜は日向坂にとって最大の武器だった」という論を特に取り上げ、その立場は欺瞞であるということを示すものです。
(以下では期を全てアラビア数字で表記します。)
「全員選抜は日向坂の最大の武器である」
上記の通り、この記事は「全員選抜は日向坂の最大の武器である」という主張を批判するものです。そのためにまず、この主張が実際になされていることを示します。
以上がXより抜粋した主張例になります。ごくごく一部ですので、調べればもっと膨大に出てきます。
実際にこの論の存在を示したので、ここからは反論を書きます。
反論①そもそも全員選抜ではなかった
そもそも4期生が加入した『月と星が踊るmidnight』以降、全員選抜ではありません。
日向4期よりも先に加入した乃木坂5期生は即センター、後に加入した櫻坂3期生も表題曲でフロントを務めました。それにもかかわらず、日向坂4期生は8thから10th、アルバムリード曲には入っていません。
つまり、「全員選抜派」が唱える全員選抜とは1〜3期生全員が選抜に入ることであり、4期生も含めた日向坂46のメンバー全員が選抜に入ることではないのです。これは明らかに欺瞞であり、間抜けな主張です。
上記の例2のように、「全員選抜派」は箱推しについて言及していることが少なくありません。しかし、彼らが指す箱の中身は、私たちが知っているものよりも名前が12個少ないのです。
この章では、「全員選抜派」に対し、4期生加入後はそもそも全員選抜ではない、という形で反論しました。次章では、全員選抜は新規獲得に不向きだ、という反論をします。
反論②全員選抜は新規獲得に不向きである
例1や例5では新規ファン獲得について言及されていますが、端的に言って、全員選抜は新規獲得に不向きです。何故なら圧倒的に見づらいからです。そしてこれは秋元系アイドルのオタクなら全員気が付いているはずです。
歌番組を思い浮かべてください。2分程度の出番の中で、あなたの推しは何秒抜かれましたか?歌が上手いあの子は世間に見つかりましたか?
現実問題として、三列目のメンバーが単体でカメラに抜かれることは少ない(か、あるいはごく短い時間)です。どれだけ歌が上手くても、フロントじゃない限りソロパートをもらえません(もっと言うと、ほとんどの曲でセンター以外ソロパートは無い)。
冷静に考えてみてほしいのですが、一つのグループで一気に20人弱出てくるのなんて、アイドル界を見ても秋元系だけです。人数が増えれば増えるほど一人がクローズアップされる時間が減るのは明白です。その結果、晩年の欅坂や『Actually...』での乃木坂のように、ファンでさえ「センターとバックダンサー達」と言わざるを得ない状況になってしまう。
それなら全員選抜をやめて、人数を絞った方が一人一人が目に留まりやすくなり、新たなファンを獲得する可能性も増えます。
言うまでも無いですが、新規のファンが増える=分母が増えることは良いことしかありません。
次章では、そもそも日向坂の魅力はメンバーである、という反論をします。
反論③日向坂の最大の武器はメンバーである
例1・3・5では、全員選抜が日向坂46のアイデンティティであり、他グループと比べて “唯一の特徴” とまで言われています。ナンバリングでは③にしましたが、正直、私が1番違和感を覚えたのはこの部分です。日向坂46の1番の強みであり、たらしめているのは他でもないメンバー(とその魅力)でしょう。それを差し置いて形式的な部分を上げるのは、もはやファンではなくアンチ側です。
彼らが言っていることが正しいなら、櫻坂46が『Start over!』で3期生以外全員を選抜に入れた時点で日向坂のアイデンティティは一度消えたことになります。また、メンバー全員ではないにしろ、乃木坂46『しあわせの保護色』では残っていた1期生が全員福神に入り、山下美月卒業の35thでは3期生が全員選抜入りしています。
このような状況でも彼らがなお同じ主張をするならば、そもそも彼らは日向坂46にほとんど魅力を感じていないと言えるでしょう。アンチのくせにファンを装って意見するなど、文字通りの欺瞞です。
本来選抜に対する不満は「あの子はあんなに魅力があるのにそれが正当に評価されていない!」というものなはずです。しかしながら、「全員選抜派」は制度そのものを拠り所にしています。それならば最初から選抜なんてないグループを応援すればよい。正直なところ、坂道よりも音楽面で優れているアイドルなんていくらでもいるでしょう。それらを応援して、曲が出るごとに「ああ、今回も誰も選抜落ちしなくてよかったな」と安堵すれば良いだけの話である。
ここまで3つ反論を書きました。次の章ではこれらの意見に対する予想される反論と、それに対する再反論を記述します。
予想される反論「2チーム制にすればよい」と、それに対する再反論
「全員選抜派」の一部は、次のように反論するでしょう。それは、「選抜を2つのチームにすればよい」というものです。
これならば、全員が表題曲を歌える(=反論①の解消)かつ、見やすさも担保できる(=反論②の解消)ということです。
しかしながら、この方式はどっちつかずの事なかれ主義と言わざるを得ません。それどころか、煩雑になり、かえって新規獲得に支障が出ることは免れません。
仮に半分の14人ずつに分け、それぞれが歌番組に出演できたとします。仕組みがわかっている既存のファンにとっては得かもしれません。しかし、新規にとっては、先週見た「日向坂46」のメンバーが今週はまるっきり変わっている、ということになります。ただでさえ坂道=乃木坂と捉えている人が多い中で、このような組分けは理解を妨げるだけです。
アイドルに限らず、コンテンツはシンプルであればシンプルであるほど新規参入が見込めます。
2チーム制というのはどっちつかずの悪手でしかありません。
結論:選抜制導入は正しい
結論として、「全員選抜」をやめ、選抜制を導入したことはグループにとって良いことだと考えます。16人という数も悪くないと思います(個人的にはフロント3人の14人がベストだが)
とはいえ、日向坂を応援してきた身として、全員選抜がいいというのも感情論としては理解できます。
何か意見や反論等あれば気軽にコメントしてください。応答すると思います。
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