下北沢
ある日、とてつもなく死にたい日。
行きたかったライブのチケットを譲ってもらい下北沢のライブハウスに行った。
ビール3杯とディタオレンジ2杯飲んでタバコを吸ってかなりベロベロになった。
帰りにカレーでも食べて幸福度を上げて帰ろうと思い行ってみたかった店に行くとまだ営業時間なのに閉まっていた。仕方なく行ってみたかった居酒屋に行ってみると行ってみたかった居酒屋はカレー屋に変わっていた。まぁ、カレー食べたかったしちょうどいいじゃんと思いなんとなくその店に入りカウンターに座った。
座ったタイミングで隣の1人の男性が「お会計で」と店員さんに声をかけたので何回かきたことあるかもしれないと思い私は「おにいさんのオススメなんですか??」と声をかけた。私は顔を見た瞬間驚いた。みんな一度は名前を耳にしたことある芸人だった。こういうのは気づかず知らないふりをきっとした方がいいと思い普通の顔をしてなんとなく「帰っちゃうんですか?」と声をかけたら案外すんなりもういっぱい飲もうかなともう一度席に座った。そこからお互いの仕事の話、価値観の話を私が一方的に話し彼は少し笑ったり静かに頷いてくれていた。
このあと三軒茶屋の今日オープンの芸人バーに行くんだと言っていた彼に私もついていっていい?と聞くとまたすんなりいいよと言ってくれた。その日のお会計は全て彼が払ってくれて余裕があるように見せてるのかなと思った。
彼は今日はもう帰る、また昼間に会おう。そう言った。
私はまだ帰らないでほしいと言った。それは彼と一緒にいたかったからじゃない。とてつもなく死にたい夜だったからだ。そしたら彼は俺のツケで朝まで飲んでと言ってこれは好きに使いなといい一万円をくれた。
外まで彼のことを見送ると彼は甘えた声でまた会える?連絡するからねと言っていた。キスをせがまれなんでもないただ触れ合うだけのキスをして酔ったと言っていた彼の帰る足取りは軽かった。
もう傷つきたくないからしょうもない恋愛はしたくない。この人とはもう会わない。そう決めてもといた席に私は戻った。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?