パヤパヤ毛の本当の原因と効果的な解決方法：美容師が教える髪の悩みの真実
美容師をしていると「髪の表面にパヤパヤ出る毛」に悩まれるお客様が非常に多くいらっしゃいます。
・髪の毛全体にそこまでうねりは無いけれども、表面にパヤパヤとした短い髪の毛が出てくる。
・湿気が多い時に、朝アイロンをしても、髪の表面に短い髪の毛が浮いてくる。
・朝アイロンしても出勤してオフィスに着くとアイロンしたのが意味なかったんじゃないかと落ち込む。
そんなお悩みを抱える方がよく美容室にいらっしゃいますし、決まって希望するメニューはなるべくトリートメントで髪の毛をまとまらせたいというご希望が多いです。
しかし、実はお悩みと解決方法（希望メニュー）がずれてしまっていることが多々あります。今回はこれを解説していきたいと思います。
● パヤパヤ毛の原因は、髪の毛のダメージではなく、癖であることがほとんど。
表面の短い髪の毛に悩まされるお客様が決まっておっしゃることは、
「特に髪の癖は無い」
「髪の癖はもともとなかったけど、急にパヤパヤ出てきた」
「髪の毛が痛んでいてパヤパヤする」
→そして髪の毛のパヤパヤを落ち着かせたいから、トリートメントでダメージを補修してほしいと言われることがほとんどです。
しかし、今まで美容師を続けてきた経験上、髪の毛がパヤパヤ出てくる原因のほとんどは、髪の毛の癖です。
もちろんブリーチやその他の原因で短い髪の毛が目立ちやすいケースもありますが、それらの方はご自身で短い髪の毛が出てきている原因を理解しており、「ブリーチしてパヤパヤ毛が出ているんですけど」とご来店されるケースは稀です。
● 特にうねる癖がなかったとしても、パヤパヤの髪の毛が「パヤパヤする癖」
多くの美容師さんの発信を見ていると、同じようなことを言っている方が多いですが、改めてお伝えします。
お客様の認識として「自分は直毛で、最近ダメージしているからパヤパヤしている髪の毛が出てきた」と思われがちですが、
美容師としては「もともと直毛ではあったが、年齢とともに髪の毛に癖が出てきて、その結果パヤパヤした髪の毛が表面に出てきやすくなっている」と診断します。
つまり、【髪の毛は健康なのに癖があることでパヤパヤと傷んでいるように見える】ということ。 また、髪の毛の形状を変えるには薬剤の力が必要なので、トリートメントでは癖を抑えて綺麗に見せる効果は根本的に期待できないということです。 このケースで悩まれる方、本当に多いです。
これは、どんなにホワイトニングをしても歯並びが良くならないことや、どんなにスキンケアをしても一重が二重になることはないのと同じです。
どんなに髪の毛が健康になったとしても、髪の毛が癖でパヤパヤしているのであれば、トリートメントで解消できる可能性は極めて低いです。
可能性としては、しっとりと重めのトリートメントをすることで、重さによりパヤパヤした髪の毛が抑えられることはあります。 しかし、重めのトリートメントで抑えるのであれば、スタイリング剤を使って抑えてあげたほうが簡単で持続しますし、自然だと思います。
● 髪の癖は、きれいに伸ばしましょう。
癖由来のパヤパヤ毛の解決には今のところ縮毛矯正以外にはありません。（もちろん、メリットの裏にはデメリットもあります。必ず美容師さんとのカウンセリングが必要です。）
美容室では、来店前にお客様がメニューを決定される場合がほとんどだと思います。 しかし、髪の病院でもある美容室では、お悩みに対して適切なメニューを美容師側がご提案させていただくのが本来の形なのではないかと思います。
正直に言うと、今まで施術したことがない方に対して縮毛矯正（ストレート）を施術することには慎重になります。 ヘアスタイルにもよりますが、デメリットもあるため、しっかりとお伝えした上でお客様に選んでいただいています。そのため、せっかくご来店いただきお時間を作っていただいたのに、施術自体を断念してお帰りいただくケースもあります。
メリットばかりをお話しして後から後悔してしまうよりも、デメリットもメリットもきちんとお話しした上でお客様に施術を選んでいただくのが良いと思っています。 髪の毛の悩みは、人に言えなかったり、理解してもらえなかったり、1つが良くなってもまた別のことが気になったりと様々だと思います。
しっかりと時間をとって相談し、お話ができる美容師さんと巡り会えると良いですね。