〜ミシャ体制のコンサドーレを振り返る〜選手別雑感⑤(シャドー・FW編)

FW 都倉 賢(2014~2018)

 2014シーズンに加入して以降、エースとして不動の地位を確立し、2016シーズンのJ1昇格や2017シーズンのJ1残留に大きく貢献してきました。187㎝の長身を活かした打点の高いヘディングやパンチ力のある左足でコンサドーレに多くの勝利をもたらしてきました。

 ミシャ体制となった2018シーズンは前シーズン途中に加入したジェイがFWのファーストチョイスとなり、シャドーもチャナティップと新加入の三好で固定されたことでベンチスタートが多くなりました。しかし、途中出場で切り札としての役割を担い、限られた出場時間でチームトップの12ゴールをマーク。特に後半アディショナルタイムにリーグトップの5ゴールを記録する圧倒的な勝負強さで4位躍進の原動力となりました。相手からすると後半の体力が消耗したタイミングでゴールに向かうパワーのある都倉が出てくるのは相当な脅威だったと思います。

 メディアでも度々コンサドーレ愛を口にしており、今後もコンサドーレで活躍していくと思われましたが、2019シーズンにC大阪へ移籍。移籍前後の言動から、サポーターからの批判も多いですが、先発出場の機会が減っていた中で、高額年俸を提示されると移籍に気持ちが傾くのも理解できます。C大阪では大怪我もあり、思うような活躍ができませんでした。結果論ですが、コンサドーレに残留していればまた違った未来があったのかもしれません。

FW 内村 圭宏(2010~2018)

 J2時代のコンサドーレを牽引し、2度のJ1昇格の立役者となった内村ですが、2017シーズンは負傷離脱もあって出場機会が激減。ミシャ体制となった2018シーズンも新戦力の加入もあって序列は低いものでした。

 元々はスピードを活かしたスペースへの飛び出しや推進力のあるドリブル突破が持ち味のFWでしたが、ミシャ体制初年度のコンサドーレはシンプルにロングボールを前線に送るスタイルを容認されており、FWのポジションは必然的に高さと強さのあるジェイや都倉が起用されていました。シャドーでボールを引き出す役割もチャナティップや三好がいたことでレギュラー争いに食い込むことはできませんでした。第12節の鳥栖戦では、過密日程によるターンオーバーを採用したことで先発起用されましたが、前半途中で負傷交代となり、スタメン奪取のチャンスを逃してしまいました。

 負傷から復帰後もリーグ戦での出場機会が与えられることはなく、シーズン終了後に契約満了により退団。当時JFLの今治で1シーズンプレーした後現役引退となりました。ミシャ体制に合わなかったというわけではないと思いますので、もう少しプレーが見てみたかったところです。

MF 小野 伸二(2014~2019、2021~2023)

 W杯3大会連続出場の日本のレジェンドも2014シーズンにコンサドーレに加入して以降は度重なる負傷に悩まされていました。ミシャ就任後の2018シーズン以降は、多くの実力者が加入し、若手選手を積極的に起用していく方針だったこともあり、リーグ戦での先発出場の機会は与えられずにカップ戦での起用がメインとなっていました。

 キックの精度や足元の技術は衰えていませんでしたが、フィジカル的な衰えは否めず、J1の舞台で先発起用できる状態ではなかったことは否めないでしょう。2019シーズン夏に一度琉球へ移籍しましたが、2021シーズンに再加入。再加入後は足首のコンディションが上がらず、カップ戦での出場もなかなか得られない状態でした。

 試合に出場していなくても若手選手への助言などチームへ好影響をもたらしていましたが、2023シーズン限りで現役引退となりました。コンサドーレでのプレー時間は決して多くはありませんでしたが、クラブの発展に大きく貢献したことは間違いないでしょう。

MF ジュリーニョ(2016~2018)

 2016シーズンにJ2で12ゴールをマークし、J1昇格に貢献したブラジル人レフティー。2017シーズンは6月に右アキレス腱断裂の大怪我を負い、ミシャ体制となった2018シーズンは大怪我からの復帰シーズンでした。

 しかし、自身が離脱していた間にチャナティップや三好など多くの戦力が加入したこともあり、ミシャからの序列は低く、カップ戦要因の位置付けとなってしまいました。スピードがあり、突破力のある選手でしたが、逆に言うとオープンな試合展開で無ければ持ち味が発揮されない難点があり、J1の舞台でコンスタントに結果を残すのは厳しいなという印象でした。第12節の鳥栖戦では途中出場で2ゴールを記録して逆転勝利の立役者となりましたが、この活躍をもってしても序列を覆すことは出来ませんでした。

 2018シーズン夏に出場機会を求めてJ2山口へ移籍しましたが、山口でも負傷に見舞われて同シーズン限りで退団しました。大怪我が無ければもう少し日本で見られたかもしれないと思うと残念です。

FW ヘイス(2016~2018)

 かつてはオランダ1部リーグでも活躍した実績を持ち、大きな期待を背負って2016シーズンにコンサドーレに加入。稼働率の低さは気掛かりでしたが、足元の技術と決定力の高さを武器に2016シーズンのJ1昇格に貢献。J1での2017シーズンも12試合の出場ながら、ジェイと都倉に次ぐチーム3位の6ゴールを挙げてJ1残留に貢献しました。

 ミシャが就任した2018シーズンは前線の激しいポジション争いに敗れて控えに回りました。ミシャはシャドーに推進力とアジリティのある選手を好む傾向にあり、足元でボール受けて味方を活かしながら前進していくスタイルのヘイスはなかなか重用されませんでした。FWのポジションも高さと強さを求められていたこともあってジェイや都倉の牙城を崩すことは出来ませんでした。

 2018シーズン夏に海外クラブへの移籍を目指して契約解除となり、結果的に当時J2の新潟に加入しましたが、負傷もあって出場機会を得られずに退団。そのままブラジルへ帰国しました。当時のコンサドーレがもう少しポゼッションに重きを置くスタイルであれば出場機会を得られていたのかもしれません。

MF チャナティップ(2017~2021)

 2017シーズン夏にタイからやってきた時は後の大活躍ぶりを想像していた人は少なかったでしょう。158㎝と小柄ながら、俊敏なドリブルと正確なラストパスを武器に来日後直ぐにシャドーの定位置を確保。ゴールこそありませんでしたが、同シーズンのJ1残留に大きく貢献しました。

 2018シーズンからは新指揮官ミシャにシュート意識の向上を求められると、同シーズンはミドルシュートなどゴール前で怖さを見せられる選手に変貌し、都倉とジェイに次ぐチーム3位の8ゴールをマーク。チームの4位躍進に大きく貢献し、同シーズンのJリーグベストイレブンも受賞しました。2019シーズンも攻撃の中心として活躍し、ジェイや鈴木武蔵とリーグ屈指のトライアングルを形成。中盤でボールを受けて複数人を剝がして前進させていくだけの圧倒的な個の力があり、コンサドーレの攻撃の多くのタスクを担っていた選手でした。

 しかし、2020シーズンから筋肉系の故障が目立つようになり、負傷離脱が続きました。プレーのクオリティーも徐々に落ちていき、計算しにくい選手となってしまいました。2021シーズン終了後に約5億円もの高額な移籍金を残して川崎Fへ移籍しました。この移籍には多くのサポーターが落胆したと思いますが、稼働率の悪い選手を高額な移籍金で売ることができたという点では、コンサドーレにとって良い取引になったのではないでしょうか。川崎Fでは不慣れウイングでのプレーを求められたこともあって活躍できず、2023シーズン夏に母国タイのBGバトゥム・ユナイテッドへ移籍しています。

FW ジェイ(2017~2021)

 かつてイングランド代表にも選出された実績を持つストライカーで、2015シーズンから2シーズン所属した磐田でもエースとして活躍。磐田退団後は怪我の治療のため、フリーとなっていましたが、2017シーズン夏にコンサドーレに加入。途中加入ながらチームトップの10ゴールを挙げ、J1残留の原動力となりました。

 ミシャ就任後もFWのファーストチョイスとなりましたが、ミシャ体制ではポストプレーや味方を活かすプレーを増やし、フィニッシュに関わる機会を減らしました。ただ、当時のコンサドーレにおいてジェイのポストプレーは欠かすことができないものであり、チャナティップとともに攻撃面において大きなタスクを担っていました。鈴木武蔵がゴールを量産できたのもジェイが最前線にいた影響が大きかったです。

 2020シーズンにオールコートマンツーマンの戦術が採用されて以降は運動量の少なさから序列を落としていき、2021シーズンには得点も僅か1ゴールに留まったことでシーズン終了後に契約満了となりました。コンサドーレでのプレーを最後に現役を引退し、現在は母国イングランドで解説者として活躍しています。

FW 宮吉 拓実(2018)

 京都ユース出身で、京都で長らく主力として活躍しましたが、ステップアップとして移籍した広島では思うような出場機会を得られず、2018シーズンにコンサドーレに加入しました。シュート技術が高く、シャドーやFWのポジションで計算されていたと思います。

 しかし、当時のコンサドーレは前線の人員が飽和状態であり、前所属の広島以上に出場機会が得られませんでした。ミシャは宮吉の新たな起用法としてウイングバックでの起用も模索しましたが、元々中央のポジションが適正の選手ですので、上手くハマらなかった印象でした。リーグ初先発となった第8節の柏戦でいきなり得点という結果を残したように決して能力が低い選手というわけではなかったですが、ライバルがあまりにも悪すぎた格好となりました。

 シーズン終了後、古巣京都へ復帰し、2021シーズンにはリーグ戦10ゴールを挙げて12シーズンぶりのJ1復帰に大きく貢献しました。今季からはJ2山口でプレー。まだまだ健在ぶりを見せてほしいところです。

MF 三好 康児(2018)

 2018シーズンの補強において駒井と並んで注目度が高かったのが三好です。川崎Fの下部組織出身でトップ昇格後もコンスタントに出場機会を得ていましたが、鬼木監督就任後は家長や阿部の加入もあって序列を落としたことで出場機会を求めてコンサドーレにレンタルで加入しました。

 足元の技術に長けており、相手の逆を突くドリブルや左足のラストパスによるチャンスメイクは目を見張るものがあり、コンサドーレでは右シャドーの定位置を確保しました。チャナティップとともに低い位置でボールを受けてチャンスメイクすることもできたことで、前後分断気味になりがちなミシャサッカーにおいて大きなアクセントとなりました。課題は決定力でしたが、第28節の鳥栖戦で移籍後リーグ戦初ゴールを記録して以降はラスト7試合で3ゴールをマークするなど成長を見せました。

 シーズン終了後、コンサドーレは完全移籍での買取を目指しましたが、高額な移籍金がネックとなり1シーズンで退団となりました。その後は横浜FMで半年間プレーして欧州へ渡り、ベルギー1部のアントワープで活躍。目標としていた東京五輪にも出場し、現在は欧州5大リーグの一つであるドイツ・ブンデスリーガのボーフムでプレーしています。コンサドーレでブレイクのきっかけを掴み、世界へ羽ばたいた選手と言えるでしょう。

FW アンデルソン・ロペス(2019~2021)

 2017シーズンに広島でリーグ戦10ゴールをマークしたものの、戦術理解度の低さが指摘されて退団となり、韓国でのプレーを経て2019シーズンにコンサドーレに加入しました。当時の主戦場はシャドーのポジションであり、プレースタイルはまったく異なりますが、退団した三好の後釜として期待されての加入でした。

 開幕後は鈴木武蔵との2トップのような形で起用され、第3節の清水戦で4ゴールを挙げる大爆発を見せてサポーターに衝撃を与えました。ただ当時は個人で強引に突破する傾向が強く、プレーの波も激しいことからシーズン後半戦は控えに回りました。2020シーズンはコロナでの中断期間中にブラジルへ帰国し、再来日が遅れたことで通年でのプレーはできませんでしたが、徐々に周囲との連携でゴールに向かうシーンを増やし、2021シーズンにはFWの定位置を確保。前半戦14試合のみで12ゴールと大活躍し、攻撃を牽引しました。ミシャ式のワントップはポストプレーなど身体を張ったタスクが多く、フィニッシュに絡みにくいという特長がありますが、その状況でこれだけゴールを量産したのは称賛に値します。

 ゴールを取り続けると引き抜かれてしまうのが、コンサドーレの規模のクラブの宿命です。2021シーズン夏に中国の武漢に引き抜かれて退団。ただ、中国には合わなかったのか僅か半年で横浜FMに加入してJリーグ復帰となりました。横浜FMでは2023シーズン、昨シーズンの2シーズン連続で得点王を獲得。ミシャの指導でストライカーとしての能力が覚醒し、Jリーグ屈指のFWとなりました。

FW 鈴木 武蔵(2019~2020、2024)

 2019シーズンにC大阪へ電撃移籍した都倉の穴埋めとして長崎から加入してきました。長崎ではJ1で11ゴールをマークした活躍に加え、加入時は25歳と若く伸びしろがあることからかなり期待値は高かったと思います。

 移籍後初先発となった第2節浦和戦で2ゴールを挙げると、続く第3節清水戦でも先制ゴールをマークし、すぐにチームにフィットした印象です。特にスルーパスが得意なチャナティップとの相性は抜群であり、持ち味のスピードを活かした裏への抜け出しから多くのチャンスを作り出しました。開幕当初はFWでの起用となっていましたが、中盤戦以降は右シャドーで固定され、チャナティップのお膳立てやジェイのポストプレーに導かれてエースの地位を確立しました。2019シーズンはチームトップのリーグ戦13ゴール、ルヴァン杯でも大会得点王となる7ゴールを記録するなどブレイクしました。

 2020シーズンも出場した公式戦5試合全てでゴールを挙げるなど大活躍し、夏にベルギー1部リーグのベールスポットへ移籍しました。ベルギーで2シーズンプレーした後にG大阪に加入しましたが、在籍1年半で僅か2ゴールに留まり、昨季レンタルでコンサドーレに復帰しました。長らくゴールから遠ざかったことで自信を失い、プレーも迷いながらしていたような印象でしたが、第24節浦和戦での2ゴール以降調子を取り戻し、後半だけでチームトップタイの6ゴールを挙げました。今季より横浜FCでプレーしますが、完全復活を証明できるでしょうか。

MF 檀崎 竜孔(2019~2020、2022)

 名門青森山田高校では全国高校サッカー選手権優勝を果たし、大きな注目を集めて鳴り物入りでコンサドーレに加入しました。高卒ルーキーながら前年まで稲本が着用していた17番の背番号を与えられたこともその期待の表れだったことでしょう。

 スピードのあるドリブル突破は良いものがあり、ミシャはシャドーのポジションで早い段階からチャンスを与えました。4月のルヴァン杯湘南戦で初ゴールを記録し、第9節の横浜FM戦ではリーグ戦デビューを飾りました。しかし、ドリブルでスペースに突っ込むプレーが多く、味方を活かせなかったり、相手に潰されるシーンが多く見受けられたことで徐々にチャンスを失っていきました。出場機会増加のためにウイングバックにも挑戦しましたが、適応しきれずに2020シーズン途中からはオーストラリアのブリスベン・ロアーへレンタル移籍。オーストラリアでは得点能力が開花し、大活躍を見せましたが、コンサドーレ復帰後もチャンスを掴むことはできずに2022シーズン夏に再度オーストラリアへ渡り、そのまま退団することになりました。

 その後はスコットランド1部でもプレーしましたが、現在は再びオーストラリアへ戻り、ウェスタン・ユナイテッドFCでプレーしています。J1で活躍するにはプレーの幅が狭かった印象で、起用法がかなり限られてしまう選手だなと感じました。

FW 岩崎 悠人(2019)

 世代別の日本代表で活躍し、イタリアのユベントスなどビッグクラブからも注目された逸材であり、J1でのプレーを希望し、当時J2だった京都から2019シーズンに加入しました。複数クラブとの争奪戦を制して獲得していますので、クラブとしてもかなりの期待を持って高額な移籍金を投じたものだと思われます。

 持ち味はスピードですが、逆に言うとスピード以外のアピールポイントが少なく、シャドーで起用するにもチャナティップや鈴木武蔵、ロペスといった壁が厚く、ウイングバックで起用するには守備面での不安が大きいなという印象でした。京都時代もJ2で通算3ゴールと得点力に課題があり、コンサドーレでもルヴァン杯では10試合に出場しましたが、ノーゴールに終わりました。特にルヴァン杯プレーオフ磐田戦ではチームメイトの気遣いからPKキッカーを務めましたが、失敗してミシャから激怒されていました。

 コンサドーレに馴染みきれず本人も相当苦労していた印象で、翌シーズンからは湘南、千葉、鳥栖とレンタル移籍を繰り返すことになりました。鳥栖では左サイドのポジションで定位置を確保し、ようやく自分に合う環境を見つけました。昨季から福岡でプレーしています。コンサドーレからすると高額投資に失敗した選手の一人であり、経営的にも大きな痛手となってしまいました。

FW ドウグラス・オリヴェイラ(2020~2022)

 2020シーズンのキャンプ中にブラジルからやってきましたが、直近までプレーしていたのはブラジル3部リーグ。当時の野々村社長も「新卒の選手と同じくらいのコストで獲得できた」と語っており、補強というよりはポテンシャルを評価されての獲得だったのでしょう。

 188cm・88㎏の恵まれた体格を活かしたパワフルなドリブル突破やボールキープが持ち味でしたが、足元の技術はJ1水準とは言えず、身長のわりにヘディングが強くないなど長所と短所がはっきりしている印象でした。決定力にも課題があり、総合的に見てもJ1でプレーできるレベルではないなという感じを受けました。ミシャはポテンシャルを評価して途中出場から多くのチャンスを与えましたが、目に見える結果を残すことはできませんでした。

 2022シーズン終了後に構想外となり、2023シーズンはJ3の岩手へレンタル移籍。しかし、J3の舞台でも結果を残すことはできずに僅か1年で退団。その後コンサドーレ側からも去就が触れられていませんでしたが、現在は母国ブラジルのクラブでプレーしているようです。献身性があり、サポーターからも愛されていましたが、ポテンシャルを発揮するには至りませんでした。

FW ウーゴ・ヴィエイラ(2020)

 2017シーズンから2年間横浜FMのエースストライカーとして活躍。その後トルコや母国ポルトガルでプレーしていましたが、大怪我の影響でフリーとなり、2020シーズン10月に逆オファーのような形でコンサドーレに短期契約で加入しました。

 プレースタイルは生粋の点取り屋というような感じで、90分間のうち89分は消えているけど1分間で仕事をしてしまうという選手です。オフ・ザ・ボールの動き出しやシュート技術に長けていますが、当時のコンサドーレのFWに求められていたポストプレーがこなせるかという点では未知数の選手でした。リーグ戦では途中出場から3試合出場しましたが、コンディションは上がっておらず、出場時間も短かったことから良いかどうかの判断もできないような感じでした。

 おそらく首脳陣は普段の練習も見た上で、厳しいと判断し、翌シーズン以降の契約更新はなく僅か3か月弱で退団となりました。実力は申し分ないのであと半年間でもプレーを見たかったなという印象です。

FW 小柏 剛(2020~2023)

 明治大学在学時は大学No1アタッカーとも呼ばれ、複数クラブとの争奪戦の末コンサドーレに加入しました、大学在学中からミシャからの評価は高く、2020シーズンは特別指定としてリーグ戦4試合に出場しました。

 持ち味は圧倒的なスピードと初速の速さであり、相手DFの競争はほとんど負けないほどです。動き出しの質も高く、2021シーズンは開幕スタメンを勝ち取り、2アシストと鮮烈なデビューを飾りました。同シーズン前半戦はシャドーでの起用が多かったですが、ロペスの移籍後はFWでの出場が増え、金子と並んでチーム2位タイの7ゴールを挙げました。しかし、2022シーズン以降は筋肉系の負傷が増え、離脱を繰り返すようになり、2022シーズンは僅か13試合の出場に留まりました。

 2023シーズンはFWでの起用が増加し、浅野、金子とともに素早いカウンターで爆発的な得点力を見せました。DFを背負いながらのプレーの質も大きくレベルアップしたことも大きな成長でした。その活躍ぶりを評価されてシーズン終了後に高額な移籍金を残してFC東京へ移籍しました。決定力を上げて、負傷癖が治れば海外でも活躍できる選手だと思います。

MF 青木 亮太(2021~)

 現在のコンサドーレの攻撃において最も多くのタスクを担っているといえる選手でしょう。テクニカルなドリブル突破と正確なラストパス、威力抜群のミドルシュートと攻撃面で大きな違いが作れる選手です。

 名古屋時代の2017シーズンにJ2で11ゴールを挙げ、J1昇格に大きく貢献しましたが、度重なる負傷もあって出場機会を失い、2021シーズンにコンサドーレに加入。初年度は途中出場が多かったですが、2022シーズンはシャドーの定位置を確保し、チームトップの8ゴールをマーク。特に第28節C大阪戦の劇的な決勝ゴールはチームの大ピンチを救うものでした。2023シーズンは負傷に悩まされたものの、昨季はシャドーや左ウイングバックなど複数ポジションをこなし、チームトップタイの6ゴールをマーク。青木が離脱した第15節の柏戦から第21節の新潟戦までチームは全敗するなどその存在感の大きさが浮き彫りとなりました。

 昨季で契約が切れ、複数のJ1クラブから獲得オファーがあったようですが、全て断り、J2降格となったコンサドーレに残留することになりました。近藤とともに青木を残せたのは最大の補強といえるでしょう。岩政新監督は青木をトップ下のポジションで起用するとのことで、中央で攻撃の核としてコンサドーレをJ1へ導いてくれることでしょう。

FW ミラン・トゥチッチ(2021~2023)

 2021シーズン夏に中国へ渡ったロペスの後釜としてコンサドーレに加入しました。母国スロベニアやベルギーでプレーしてきた経歴を持ち、欧州からの新ストライカーとしてサポーターからの期待は大きかったと思います。

 途中加入ということもあってチームへのフィットには時間がかかると思っていましたが、同シーズン第37節柏戦で2ゴールを挙げ、翌シーズン以降の新エースとして名乗りを上げました。しかし、2022シーズンは興梠やシャビエルの加入もあって定位置確保には至りませんでした。シュートの技術は高いものの、一人でシュートチャンスを作れる選手ではないことから、周囲のサポートが必要な選手という印象でした。2022シーズンがチャンスメイクに長けたチャナティップが退団し、同じような役割を担える選手がいなかったこともトゥチッチにとっては不運だったと思います。

 結局2021シーズンの柏戦の2ゴール以降はリーグ戦でのゴールはなく、ミシャからも見切られてしまったようで、2023シーズン限りで退団となってしまいました。助っ人としては物足りなかったのは事実でしたが、味方との組み合わせ次第ではもう少し活躍できたのではないかと思います。

FW 中島 大嘉(2021~2023、2025~)

 188cmの長身を活かした打点の高いヘディングとスピードを併せ持ったストライカーとして国見高校から2021シーズンにコンサドーレへ加入しました。日本人離れしたフィジカルからポテンシャルの高い選手です。

 2021シーズンはプロデビュー戦となったルヴァン杯グループステージの福岡戦で初ゴールをマークし、天皇杯のソニー仙台戦ではハットトリックを達成。そのポテンシャルを見せつけると、2022シーズンには4月までで公式戦6ゴールを記録してブレイクの予感が漂いました。しかし、5月以降は相手の厳しいマークに苦戦し、プロの壁に直面。ゴールから見放されることになりました。2023シーズンもカップ戦要因の立ち位置は変わらず、夏に名古屋へレンタル移籍することになりました。

 フィジカル面でのポテンシャルは大きいものの、メンタルの振れ幅が大きくそこがプレーに反映され、安定感を欠いていた印象です。昨季は前半は藤枝、後半は水戸にレンタル移籍。特に水戸では半年間で4ゴールと結果を残し、飛躍のきっかけを掴んだと言えるでしょう。水戸では4ゴール全てを逆足の左足で決めるなど大きな成長を感じさせるものでした。1年半ぶりの復帰となる今季はレギュラー争いに名乗りを上げられるでしょうか。

FW 興梠 慎三(2022)

 浦和で長らくエースストライカーとして活躍し、ACLなど数々のタイトル獲得に貢献してきましたが、2021シーズンに浦和の指揮官となったリカルド・ロドリゲス監督に冷遇され、出場機会を求めてコンサドーレにレンタルで加入しました。

 全盛期のようなスピードこそありませんでしたが、巧みなポストプレーでジェイの抜けたFWのポジションを務めました。ただ、コンサドーレ在籍中は膝の状態が悪かったようでコンディションが上がらず、本人の思ったようなプレーはできませんでした。オールコートマンツーマンの戦術をするにはジェイ同様に運動量がネックとなっており、チームにフィットしきれなかったという表現が正しいのかもしれません。シーズン後半はコンディションを取り戻し、第33節広島戦では全盛期を彷彿とさせるようなプレーぶりを見せました。

 シーズン終了後は浦和がロドリゲス監督を解任したこともあり、移籍期間満了で浦和に復帰することになりました。2シーズンプレーした後、昨季限りで現役引退。コンサドーレの在籍は僅か1年でしたが、多くの選手の手本になったと思います。

MF ガブリエル・シャビエル(2022)

 2022シーズンに川崎Fへ移籍したチャナティップの後釜として加入しました。名古屋では背番号10を背負うなど、攻撃の中心として活躍。精度の高い左足から繰り出させる長短のパスとミドルシュートを武器としています。

 チャナティップの後釜として加入し、得意なポジションからプレースタイルも似ていると思われがちですが、チャナティップは低い位置からゲームメイクに関与することができる特徴がある一方で、シャビエルはアタッキングサードでゴールやアシストといった仕事を得意としています。ボールを供給する側とされる側という表現がわかりやすいでしょう。そうしたプレースタイルからミシャはシャビエルをシャドーのみならず、FWでも起用。不慣れなポジションだったこともあり、フィットには時間を要しました。

 シーズン後半は完全にチームにフィットし、ラスト8試合で3ゴール2アシストと目に見える結果も残しましたが、シーズン終了後にブラジルへ帰国することになりました。昨季は岡山に加入し、Jリーグ復帰を果たしましたが、シーズン途中に退団し先日現役引退を表明しました。家庭の事情とのことで、体力的にはまだまだプレーできたと思いますので残念です。

MF スパチョーク(2022~)

 チャナティップでの成功を受けて、タイ路線を継続するべく2022シーズン夏に加入しました。左シャドーを得意としますが、チャナティップよりはシャビエルに近いプレースタイルであり、アタッキングサードでのラストパスやフィニッシュを得意としている選手です。

 2022シーズンは途中出場からリーグ戦で3アシストを記録しましたが、前線からの守備戦術の理解に課題があり、序列は低かったです。2023シーズンも同様の状況が続きましたが、ルヴァン杯や途中出場のリーグ戦で活躍してミシャの信頼を掴みました。リーグ後半戦は左シャドーでの先発起用を増やし、後半戦のみで6ゴールとその実力を示しました。特に左のハーフスペースは彼の得意なシュートレンジと言えます。

 昨季もチームトップの5アシストを記録するなど結果を残しましたが、代表活動との両立による疲労蓄積からか筋肉系の故障が目立つようになりました。同胞の先輩チャナティップもコンサドーレでのラスト数シーズンは同様の負傷に悩まされていましたので、なんとか克服して欲しいところです。

FW キム・ゴンヒ(2022~)

 2022シーズン夏に深刻な得点力不足解消の切り札として加入した元韓国代表ストライカー。韓国の強豪水原三星でプレーし、打点の高いヘディングと両足でのシュート精度に長けているとの触れ込みで加入しました。

 2022シーズンは途中加入ながらすぐにスーパーサブとして活躍し、加入後2試合目となった第28節C大阪戦で同点ゴールを挙げてチームを逆転勝利に導きました。以降も第31節川崎F戦での小柏の決勝ゴールのアシストや最終節清水戦の同点ゴールなど勝負強さが光りました。2023シーズンは興梠とシャビエルの退団によりFWのファーストチョイスとして期待されましたが、プレースピードの遅さや狭いスペースでのプレーでクオリティー不足を露呈し、負傷もあって序列を落としていくことになりました。ジェイや興梠のようなポストプレーがあるわけでもなく、小柏や鈴木武蔵のようなスピードがあるわけでもないので、チームとして活かし方が見つけられなかった印象も受けます。イメージとしてはシンプルに味方を活かすことが得意な感じがするので、どちらかというとポゼッションサッカー向きのFWといったところでしょうか。

 昨季も開幕から度重なる負傷に悩まされ、リーグ戦僅か9試合の出場に留まりました。FWの人員が飽和状態ですので、昨季限りで退団かと思っていましたが、契約が残っているようで今季もコンサドーレでプレーすることになりました。J2ならば二桁得点は十分狙えると思いますので、コンディションを整えてほしいところです。

MF 浅野 雄也(2023~2024)

 広島では満田の台頭もあってスキッペ監督に冷遇され、出場機会を求めて2023シーズンにコンサドーレに加入しました。日本代表FW浅野拓磨の弟ということで、スピードが売りと思われがちですが、足元の技術に優れ、左足の強力なミドルシュートを持っていたりと、兄に比べてプレーの幅は広い選手です。

 開幕戦では右ウイングバックで起用されましたが、孤立するシーンが目立ち、第2節以降は右シャドーを主戦場とすることになりました。第3節新潟戦で得意のミドルシュートから初得点を記録すると前半戦はゴールを量産。特にスピードに長けた小柏や金子との相性が良く、速攻スタイルで爆発的な得点力を発揮しました。金子の移籍後はウイングバック起用も増えたことで得点のペースを落としましたが、チームトップの12ゴールと大ブレイクしました。ミシャのサッカーだとシャドーがフィニッシュする機会が多くなりますので、シュートレンジが広く、精度にも長けた浅野のシャドー起用は非常にハマったと思います。

 2年目の昨季はキャンプから度重なる負傷に見舞われて22試合4ゴールと前年から大きく数字を落としてしまいました。シーズン終盤に復帰した際も明らかに身体が重そうで本調子とは程遠いパフォーマンスでした。今季からは名古屋へ完全移籍。2023シーズンのようなプレーを見せることはできるでしょうか。

MF 小林 祐希(2023~2024)

 元日本代表でオランダやベルギーでもプレーした実績を持つレフティーで、2023シーズンの補強の目玉として、コンサドーレに加入しました。左足のキックやテクニックに優れる典型的な10番タイプの選手ですので、ミシャがどのように起用するのかは興味深いところでした。

 開幕からベンチスタートが続きましたが、第4節の横浜FM戦では攻撃時はトップ下、守備時は最前線からプレスをかけるというワントップとトップ下の可変のような形でプレーし、移籍後初ゴールをマークするなど勝利に貢献しましたが、第6節の川崎F戦で負傷離脱。復帰後は運動量に長けた駒井が小柏、浅野と前線を構成することになり、序列を落としていきました。速攻をベースとしたスタイルでチームの結果が伴っていたことも、ゲームをコントロールしながらクオリティを発揮するスタイルの小林にとっては逆風でした。金子の移籍後は速攻が機能しなくなったことでスタイルの変更が必要となっていましたが、小林の序列が上がることはありませんでした。

 昨季は負傷者続出のシーズン前半に先発出場の機会を得ましたが、結果で応えることはできず、後半戦は大型補強の影響もあってベンチ入りすらままならない状況でした。補強の目玉でありながら、ミシャのスタイルに合致しない選手だったことはフロントの失態と言われても仕方がないと思います。昨季限りで契約満了により退団し、現在は移籍先を探している状況です。

FW 大森 真吾(2023~2024)

 2023シーズン唯一の新卒選手であり、フィジカルに長け、巧みなポストプレーもこなせることから新たなストライカーとして期待されましたが、キャンプ中に疲労骨折の重症を負い、シーズン前半を全休することになりました。

 夏場に戦列復帰を果たし、第25節の川崎F戦でようやくデビューを飾りました。ルヴァン杯準々決勝の横浜FM戦ではPK失敗の悔しさを味わいましたが、リーグ第33節FC東京戦ではセンターライン付近から超ロングシュートを沈めてリーグ初得点を記録。2年目のブレイクの予感が漂い、2024シーズン開幕前のトレーニングマッチはチーム最多の得点を記録しましたが、開幕直前に負傷離脱。復帰後もチャンスを掴むことはできず、夏場の大型補強で立ち位置は厳しいものとなりました。

 昨季先発出場した第23節神戸戦ではリーグ屈指のCBであるマテウス・トゥーレル相手にも堂々と渡り合うなどフィジカルの強さとポストプレーの質はJ1水準だと思いますが、シュート精度やエリア内でのプレーの質が大きな課題となっています。昨季後半はJ3北九州へレンタル移籍。J3でも結果を残すことは出来ませんでしたが、今季はJ2山形へレンタル移籍。覚醒の3年目となるでしょうか。

MF 長谷川 竜也(2024~)

 かつてはスーパーサブとして川崎Fの4度のリーグ優勝に貢献し、川崎F退団後は横浜FCや東京Vの昇格にも貢献した技巧派MF。横浜FCや東京Vではシャドーのポジションで活躍していましたが、コンサドーレではウイングバックでも起用されました。

 スピードというよりは相手の逆を取って剝がしていくドリブルと右足からの高精度クロスに特徴があるチャンスメーカーというような選手です。コンサドーレのシャドーは選手層が厚く、ウイングバックとしては守備面での不安があることから、途中出場で流れを変える役割を担いました。第7節G大阪戦では右サイドからの高精度クロスで宮澤の決勝点をアシストし、チームを初勝利に導きました。以降も欠場者が多い際は先発出場もありましたが、途中出場が主な起用法となっていました。

 シーズン後半は大型補強や自身の負傷離脱もあって、出場機会が激減してシーズンを終えましたが、今季もコンサドーレでプレーします。岩政監督のもとではトップ下、FW、ウイングバックとあらゆるポジションで試されているようです。レギュラー定着のチャンスを掴むことはできるでしょうか。

FW ジョルディ・サンチェス(2024~)

 母国スペインの下部リーグを渡り歩き、2023-24シーズンはポーランド1部リーグで公式戦二桁得点をマーク。J1残留向けた大型補強の一環としてコンサドーレに加入しました。

 スペイン人選手というと小柄で足元の技術に優れた選手が多い印象ですが、サンチェスはまったく真逆のプレースタイルで、抜群のスピードと屈強なフィジカルを活かしたプレーが持ち味です。両足のシュート精度が高く、動き出しも鋭い選手ですが、足元の技術はそこまで上手い選手ではなく、周りに活かしてもらうストライカーという印象を持ちました。ただ、周囲にパサーがいればゴールを量産できる可能性も大いにあると思います。

 昨季はルヴァン杯プレーオフの横浜FM戦で記録した1ゴールのみという期待外れの結果に終わりましたが、J2で戦う今季は大きく覚醒する可能性を秘めています。熾烈なポジション争いを制してコンサドーレの新エースになることはできるのか注目しましょう。

FW 白井 陽斗(2024~)

 昨季前半戦はJ3琉球で得点王争いを繰り広げ、ルヴァン杯では古巣のJ1G大阪相手に決勝ゴールをマークするなど大活躍を見せて、夏にコンサドーレに加入しました。スピードを活かしたスペースへの飛び出しを得意としています。

 同じタイミングでサンチェスやバカヨコが加入し、鈴木武蔵も調子を取り戻したことで加入当初はベンチ外の試合も多かったですが、初先発となった第33節G大阪戦で先制ゴールをマーク。この試合でサンチェスとバカヨコがミシャからの信頼を完全に失ってしまったこともあり、以降の試合では途中交代の切り札として重宝されました。プレースタイルは小柏に近い感じで、シャドーや1.5列目からの飛び出しが一番持ち味が発揮されるシーンなのかなと思います。

 今季より新監督となった岩政監督からはウイングバックでも試されているようですが、本職のFWのポジションでもスタメンを獲得することは十分可能でしょう。フィジカルに優れたライバルが多いので、違ったキャラクターとしてアピールしたいところです。

FW アマドゥ・バカヨコ(2024~)

 イングランドの下部リーグやスコットランドリーグで活躍してきた現役シエラレオネ代表ストライカー。アフリカ人特有のスピードが売りであり、獲得時に三上GMからカウンターで効果を発揮する選手として紹介されていました。

 ビザの関係で同時期に加入した選手の中で最も選手登録が遅れてしまいましたが、練習からミシャの評価は高く、選手登録完了直後のリーグ第27節鳥栖戦でデビューを飾り、PKでいきなり初ゴールを記録しました。その後ルヴァン杯や天皇杯では先発起用されましたが、思うような結果を残せず、鈴木武蔵から先発の座を奪うには至りませんでした。第33節G大阪戦では1点リードの後半に途中出場しましたが、軽率なボールロストを連発して相手の波状攻撃を受ける要因となってしまったことでミシャからの信頼を完全に失い、以降の試合では干されてしまうことになりました。

 スピードがあり、三上GMが言うようにカウンターで持ち味が発揮される選手だというのは間違いないですが、足元が柔らかく、上手さがあり、サンチェスよりもプレーの幅は広い印象を受けました。岩政監督のもとで信頼を掴めればチームのエースにもなれる選手だと思います。






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