〜王者に死角はなし〜22-23シーズン展望(レアル・マドリード編)
リーガ・CL連覇は現実的な目標に
昨季は低かった下馬評を覆し、2シーズンぶりのラ・リーガ制覇に加え、4シーズンぶり14回目のチャンピオンズリーグ制覇も成し遂げたレアル・マドリード。今夏も派手さはないものの、堅実なピンポイント補強により戦力を整えてきている。
今夏はマルセロ、カゼミーロ、ガレス・ベイル、イスコといったジダン政権下でのチャンピオンズリーグ3連覇に貢献したベテラン選手達がチームを去り、更に世代交代を進めた。特にカゼミーロのマンチェスター・ユナイテッドへの移籍は不動の中盤三銃士の解散を意味しており、マドリーの一時代が終わりを告げたと言ってもいいだろう。
そんなカゼミーロが移籍した中盤にはモナコでブレイクを果たしたフランス代表のオーレリアン・チュアメニを獲得。アンカーとインサイドハーフの両方でプレーが可能であり、フィジカルの強さを活かしたボール奪取や前の推進力は大きな魅力だ。
今季、アンチェロッティ監督はトニ・クロースとルカ・モドリッチの2人に出場機会を減らすことを告げており、新加入のチュアメニや昨季加入の19歳エドゥアルド・カマヴィンガといった若手選手を重用する可能性が高いだろう。伸び盛りの若手株とルカ・モドリッチ、トニ・クロースといった百戦錬磨のベテランでローテーション可能な陣容は他クラブを凌駕している。
主将のマルセロが抜けた最終ラインにはチェルシーからドイツ代表のアントニオ・リュディガーをフリーで獲得。チェルシーでは3バックの左でプレーしていたが、マドリーでは本職のセンターバックに加え、左サイドバックでのプレーも想定されている。一昨季には主力としてCL制覇も成し遂げた実力者をフリーで獲得できたのは大きなプラスだ。ダビド・アラバ、エデル・ミリトンといった昨季のレギュラーも健在であり、選手層は増した印象が強い。
一方で前線はパリ・サンジェルマンのキリアン・エンバぺの獲得を目指していたが、加入直前でまさかの破断となり、補強はゼロとなった。エースのカリム・ベンゼマや昨季ブレイクしたヴィニシウス・ジュニオールは今季も絶対的な存在となっているが、右ウイングのポジションは定まっていない。本職中盤のフェデリコ・バルベルデの起用が多くなっているが、本来は中盤で起用したいところである。21歳のブラジル代表ロドリゴや昨季二桁得点をマークしたマルコ・アセンシオには更なる活躍を期待したい。
若きセレソンがキーマンか
キーマンとしてはブラジル代表の21歳ロドリゴを挙げたい。昨季もレギュラーではなかったもののCL準決勝のマンチェスター・シティ戦での2ゴールなど勝負所でチームを救ってきた。左右両方のウイングでプレー可能であり、絶対的な存在がいない右ウイングで定位置を勝ち取る可能性は十分。昨季のヴィニシウスのようにブレイクできればリーガ・CLの連覇、三冠達成も十分に狙えるだろう。
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