見出し画像

2歳児との風景

2017年6月29日、23時過ぎ。予定日ギリギリに産まれた我が子は、2ヶ月前に2歳になった。

時折、中耳炎になったりもするけど余り熱は出さず、概ね健康で、良く食べ、とにかく良く動く。

じっとしてる時は電車の動画を見ている時くらいではないかと思うくらい、常に動いている。あと喋られるようになって楽しいのか常に何か発している(言語にはなっていないけれど)。好きなものはとにかく電車。

私は平日は働いていて、保育園に預けている分、なんとなく後ろめたさがあり、休日は電車を見に行ったり、好奇心を刺激するような場所へ連れて行ったりする。先日は遅めの夏休みを取得し、子供も少し大きくなったので、やや遠出して横浜まで行った。

大好きな京急に乗っているからか、初めて行った場所に刺激を受けたのか、長時間の電車で疲れたのか飽きたのか、楽しいのか、親と言えど子供のことは皆目見当もつかないので、何がどうしてそうなったのかわからないけれど、子供はキャーというような高音ボイスを頻繁に出していた(言い訳ではないけど、子供は日頃は割と大人しく、外食してもちんまり座っているだけのこともある。多分よほど楽しかったのだろうと推測する)。

遅めの夏休みと言えど世間は平日、帰り時は帰宅時間の通勤電車。なんとなく周りの目が冷たく感じ始め、「シーだよ」などと嗜めるも2歳児には通用しない。困ったなぁ…動画見せてしまうかと悩んでいると、隣に座っていた初老が突然

「いい加減うるさいんじゃないか。

うちにも子供がいるけどそんなうるさくないぞ」

と話しかけてきた。

どう若く見積もっても60代後半と言った男性に、こんな小さな子供がいるというのか?孫ではないのか…?と思いながら、とりあえず謝ったがまぁ謝って静かになるような生き物でもない。むしろ子供は「静かにしよう」と声をかけるほど騒ぎだす。

いつぞや、精神科医が言っていた。

「静かにさせようとすればするほど、イヤイヤ期の子供なんてうるさくなる。今この状態がベストなのに、わかってない人間が多すぎる」

という言葉、その時は子供は0歳児だったのでピンときてなかったけど、イヤイヤ期を迎えた今、すんと、腑に落ちるものがあった。

恐らく子の男性は、こんなにうるさくない、というその子供と、1日中1人で外に連れ出した事も家で相手にしたこともないんだろうなぁ…と思った。

別に子供の声を許容しろと言うわけではないが、じゃあ子供をどこにも連れて行くなと言うのだろうか?子育て中の女性は引きこもっていろと…?というような怒りは自然に湧いた。

とはいえ、大体の人はとても優しい、というか、2歳をすぎた今になるまで、こんな目に遭ったことがないのが幸せなことだったのかもしれない。

優しくしてくれる人に敬意をもとう。

そしてうるさいと言われたら、速やかに席を移動しようと決めた(うるさいと思う人が移動すればいいとも思うのだけど)。

子育てはなかなかにせつないことも多い。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?