
学校数学をアンラーニングすれば仕事の進め方が変わる
ビジネス環境や人々の価値観が大きく変化するなかで、アンラーニング(学習棄却)の重要性が高まっています。古い価値観による不祥事で失脚する芸能人、セルフレジや配膳ロボットが当然になった店舗……価値観の変容や技術革新は否応なしに進んでおり、誰もがアップデートを求められているのです。
そしてこのアンラーニングは、弊社がご提供している「ビジネス数学研修」でも欠かせないテーマとなっています。
今回は、ビジネスにおいて、なぜ学校数学の考え方をアンラーニングする必要があるのかについてお伝えしたいと思います。
アンラーニングとは
アンラーニング(学習棄却)とは、現在の環境や業務に合わなくなった知識やスキル、価値観などを整理して、有用なものにアップデートする取り組みです。「知の断捨離」と表現されることもあります。
リスキリングとセットで語られることが多いため新しい言葉と思われがちですが、1960年代にはピーター・ドラッカーが言及している概念であり、実は日常生活においても誰しもが一度はアンラーニングを経験しています。例えば、就職を機にビジネスパーソンとしてのマナーを身につけることもアンラーニングのひとつです。
上に挙げた例のように、これまでアンラーニングは、ライフステージの転換期や異業種への転職といった大きな節目に求められるものでした。
しかしVUCA時代と呼ばれる現在では、技術革新や価値観の変容が目まぐるしく進み、日常生活のなかでさえも様々なアップデートが求められています。実際、セルフレジや配膳ロボットに慣れず、避けてしまうという方も少なくないでしょう。また価値観の面においても、十数年前まで黙認されていた不祥事によって失脚する芸能人が相次いでいます。
ビジネスにおいても、生成AIを活用できるかによって大きな差が生まれようとしています。このようにアンラーニングは、現代を生き抜くうえで欠かせない取り組みとなっているのです。

ビジネスでは学校数学のアンラーニングが求められる
弊社がご提供する「ビジネス数学研修」では、学校数学の考え方をアンラーニングする重要性をお伝えしています。学校の算数・数学は理論や公式を覚えることが中心であり、用意された100点の正解を目指して課題に取り組みますが、この考え方はビジネスで求められるアプローチやアクションとそぐわない部分があるからです。
ビジネスで数字やデータを扱うときは、正解に導いてくれる理論や公式があるとは限りませんし、もちろん誰かが100点の正解を用意しているわけでもありません。また、経理などの専門職でない限り必ずしも100点を目指す必要はなく、むしろスピード感が増す今のビジネスシーンでは素早く70点の回答を出すことが正解となることもあります。
例えば「スタッフの営業成績や売上額から、来月の○地区の売上を予測せよ」という指示が出たとしましょう。一見すると数学の問題のような指示ですが、これに100点の正解は存在しません。現実では、完璧に未来を予測することはできないからです。
このときビジネスとして求められているのは、与えられたデータからざっくりと素早く予測を立て、具体的なアクションプランを練ることです。学校数学の頭では「正確に予測しなければ」と考えてしまいますが、この指示の真意は予測の先にあり「予測からどのようなアクションを起こすか(提案するか)」なのです。
このように、学校数学の考え方をアンラーニングできていないと「仕事が遅い」「言われたことしかできない」といった評価を下されてしまいがちです。ただ逆にいえば、仕事が遅いのはスキルや実力が劣っているわけではなく、考え方のアップデートが済んでいないだけという可能性もあるわけです。
そのため、弊社の研修においても「学校数学とビジネス数学の違い」は、最も大切にしているプログラムの一つとなっています。「ビジネス数学」と聞くとテクニカルスキルの向上を目指すとイメージされるかもしれませんが、実はビジネスで大切な考え方を磨く人材育成プログラムなのです。
弊社の事業や「ビジネス数学」について、少し興味を持っていただけたのではないでしょうか。学校数学のアンラーニングに取り組んでみたいと思った方は、ぜひ弊社のオンラインサロン「社会人の数字力向上サロン」や、企業向け研修「ビジネス数学研修」をご利用ください!