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フィレンツェで喧嘩するほど仲が良いはきっと真。

2023/12/05  イタリア フィレンツェ 🇮🇹

朝はホテルで何かパンでも食べたのだろう。正直あまり覚えていない。
今日のまず最初のメインはウフィツィ美術館であった。

ここの魅力に関しても正直なところ、写真に任せて方が伝わり切るような気がする。この日本人からするとなんとも発音し難いウフィツィ美術館はイタリアで最も有名な博物館の一つであり、数多くの貴重な美術品が格納されている。

中でも有名なのとしてはサンドロ・ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』(1485)、ラファエロの『ヒワの聖母』(1506)等をあげることができるだろう。仮にこの美術館の名前を知らなかったとしても誰もが一度は目にしたことのある作品で溢れていた。

その中から厳選して私が感動したのは、ボッティチェリ等の有名な作品はもちろんのこと、特にピエロ・ディ・コジモの『アンドロメダを救うペルセウス』とバッチョ・バンディネッリの『ラオコーン』(1520-25)である。前者は大学の講義にて学んでいたので実物が見られ、個人的に感動していた。異時同図法を用いて書かれているこの絵は、漫画の先駆けのようなものだ。同じ面内に同一人物の異なる時間帯の姿を複数描くことで物語を語る修法である。ウフィツィ美術館内では小さい作品なのだが、しっかりとペルセウスの勇姿を見届けることができて満足だった。

そしてラオコーンはその迫力たるや。こちらはいつから知っていたのか分からないのだが、知っていた像と、彫刻作品であるが故の立体的な迫力に感動してしまった。
いずれにしても私が特にギリシャ神話が好きな趣味による選定かもしれない。他にもギリシャ主題のものはバッカスやメデューサをモチーフにしたものなどもあり、終始鑑賞を楽しむことができた。

あとは有名だと思うのだが、少々題名を特定するのに骨を折るのと知っていても羅列が大変なのでこちらに写真だけ示しておく。ちなみに、このオレンジ色の入った翼の天使は後にサイゼリアの壁画にてそのレプリカを見ることができ、その時は個人的に感動していた。

ルネサンス発祥の地として名高いフィレンツェのその名に恥じぬ貴重な作品の数々には圧倒されてしまう。そして、ウフィツィ美術館は何も過去の美術だけに焦点を当てているわけではないと言うのも驚いたポイントだ。確かにその館内は趣のある建築で収蔵されている作品の多くがルネサンスをはじめとした所謂一昔前のものであった。しかし、その中には現代美術が展示されている場所もあった。特に、一室分を丸々活用した空間アートの展示にはそれを一眼見ようと人の列ができていた。由緒正しき場所にこんなにも先鋭的なアートが出現する不思議を感じたことを覚えている。

そして、館内からはまたフィレンチェで有名なあのヴェッキオ橋を見ることが出来た。そしてこれまたフィレンツェといえばのドゥーモの姿もしっかり見ることができた。

ウフィツィ美術館は個人的に大満足の場所。しかしこれがまた家族との旅行の問題点。私のじっくり見たい派の周り方と、見たいけど計画的に観光地を周りたい派の姉との衝突が起こってしまう。確かにその都度その都度で変更してたらキリがないし、行きたい場所行き切れませんでしたも嫌ですよね。

美術鑑賞は好きでもなかなか体力を有する。鑑賞を終えたのちは昼食を求めて中央広場にやってきた。
様々な食材が売られている市場の中に、フードコートが存在し、ここでは魚料理やイタリアンなど様々な料理を味わうことが出来る。私たちはピザとニョッキとチーズ&バケットをシェアして頂き、姉はワインも注文していた。

市場の方も賑わっていてそしてカラフルな見た目が歩いていて楽しかった。一つのお店でまさかの日本人の方に遭遇。いろんなお勧めを教えてくれ、トリュフチーズパウダーやお土産用にイタリアのお菓子、自家製のビスコッティとアマレッティも購入した。アマレッティはマカロンの原型というか、これがフランスに伝わってマカロンができたとのこと。初めて知ったのだが、マカロン好きの私にはこちらのお菓子は大好物だった。むしろこちらの方が好きかもしれない。考えていると食べたくなってきてしまう。

そして次なる目的地は世界最古の薬局として有名なサンタ・マリア・ノヴェッラだった。現在では34カ国で300店舗以上が展開されているらしいのだが、このフィレンツェには、800年以上の歴史を持つそのお店の本店が今も変わらずその場所に佇んでいるのだという。薬局といっても香水をはじめとした美容品が主な商品となっているそこでは部屋毎にアロマキャンドルやフレグランスの展示がなされており、内装も楽しみながらゆっくりとショッピングができる仕様になっていた。

姉は前々からここで香水を買うと決めていたらしく、3人でひたすらに香水の匂いを嗅ぎまくる。日本語が話せる方もおり、丁寧に一つ一つの匂いについて日本語で解説してくれた。私もせっかく本店まで足を運んできたし香水も好きなので私も欲しいなと思いながら香水を選んでいくふたつまで絞って決め切れないその時間が楽しかった。

しかしここで問題発生。フィレンツェでの姉妹喧嘩勃発である。一緒に匂いを楽しく選んでいるところまでは良かった。姉が自分の買うものを決めて、私もこれにしようかなと言っていると私はお金を使いすぎだし買うべきではないと購入を阻害してきたのだ。自分は前々から計画して買うことを決めていたからいいが、私は衝動買いが過ぎるとのこと。私の言い分としては、姉に払ってもらうわけではなく、私個人の金銭状況次第なわけだから別に買わせてくれたっていいと思ってしまう。しかしまあ彼女は昔から模範生的というか、周りの親戚曰く、他の子には優しいし総じてにいい人ではあるのだが、妹の私には特に厳しいらしい。私もこんな喧嘩が起こってしまっては折角買ってもいい思い出としては残らないのではないかと思って購入を断念した。まあここまで詳細に語る必要もないというか、もう恨みつらみなく今でも仲はいいのでご安心を。

しかしその時、止める母を振り切ってお互いに店を出て別々の方向に歩き出す。母は途中で追いかけるのをやめたので、私は1人で回ることにした。別の方向に行った姉とすぐ近くの広場で鉢合わせてしまい、思わずお互いに笑ってしまった。起こっていたはずがこんなコメディチックなことがあろうかと。しかし、てっきり姉の方に行ったのだろうと思っていた母がいないことに気づく。これは大変なことになったと2人して慌ててしまう。宿は歩いてそれなりに距離があり、母は電波もなければ恐らく宿の場所も分からない。ここまでの旅も基本的に姉で若干私の先導によってなされており、完全に招待旅行的なムーブをしていた母がしかも母にとっては久々の海外で1人になってしまったのである。
姉も私の方に母が来ていると思っていたので、一番最悪なことになったととても焦っていた。2人して宿まで何度か往復する。鍵は母が持っていたので中で待つこともできない。
3度目に帰ってきた時に幸い、宿泊場所のアパートメントに母が帰ってきていた。なんと、母は1人でヴェッキオ橋を渡り、スーパーで買い物を楽しんでいたという。なんとなんと。それに電波や携帯のサポートがなくても母は地図を見るのが好きで道を覚えるのが得意だったので一度しか通ってないにも関わらず、ちゃんと土地勘が働いたおかげで帰宅できたとのこと。いや、凄すぎて脱帽である。喧嘩を掘り返したかったと言うよりこのエピソードが語りたすぎてつい詳細を喋ってしまった。

姉と鉢合わせた広場
母の戦利品

少しだけ3人で夜の街散策。

そして今日は迷っていたリモアを購入。最後の最後まで悩んで、それを見兼ねた店員が出してきてくれたハイブリットの白いリモアに決定。これが可愛過ぎる。
いくら私だけのキャリーじゃないとはいえ、確かにこれを買ってたら香水は買うべきじゃないかもな。

そして宿の近くに行列ができていた巨大なサンドイッチを夕食に購入。普通に大き過ぎるので誰かとシェアすることをお勧めするが、この時の私は全部平らげてしまった。胃袋の大きさが凄まじい。

1人で夜風にあたろうと夜の散歩に出かけた。ウフィツィ美術館付近からヴェッキオ橋を眺める。何やらプロジェクションマッピング的なものの準備をしているようだった。ヴェッキオ橋を渡ってみることにする。すでにお店は閉店していたが、橋にはそれなりに人の姿があった。
再びその姿を外から眺めようとウフィツィ美術館の方にやってくる。そこでどこ出身だか忘れたが、1人の青年が話しかけてきた。なんかめんどくさい感じだったので早々にお別れを言って引き上げることにする。思ったより早い期間だが、アパートメントの居心地もいいし今日はシャワーを浴びてちゃんと休息を取ろうと思ったのだった。

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