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カターニア初日は愚痴大会でごめんなさい。

そういえば昨夜の段階でこんな夜遅くに可能なのかと思いつつも今日分のインターネット上でツアーの予約をしていた。

エトナ山には登りたいなと思っていたので、その山に関連するアクティビティ付きのツアーだったと思う。基本的にはツアーなしで自分で回るのだが、アクセスが悪かったり、しっかりと観光したい場合は一日ツアーを利用するようにしていた。

今回フランスでもモンサンミッシェルに行く際に利用していたTiqetsという会社のサイトで予約を確定し今日の早朝に指定の場所で待ち合わせとなっていた。10分前には着くようにとのことだったので少し早めに出て市場で朝ごはんを購入してから待ち合わせの場所には20分前くらいに到着。近くに観光客らしい人がいてどうやらツアーの待ち合わせ場所に間違いはないようだと安心していた。しかし、他の人々は違う旅行会社のツアーだったらしく、彼らの車は次々にやってきて次第にみんなその場からいなくなってしまった。

待ち合わせ時間も迫ってきている中で不安になっていく。そんな私を見かねた現地のおじいちゃんたちが話しかけてきてくれたのだが、英語での意思疎通はそこまで得意ではないらしく事情を中々理解してもらえない。私がエトナ山のツアーに申し込んでいるのだが迎えが来ないと言ってもおそらくエトナ山に行きたい部分だけは汲み取ってくれたようで向かいにあるバス停を指してあれで行けると教えてくれた。親切心はありがたいものの、誤解を解けずにめちゃくちゃ力になってくれようとする彼らに申し訳なく思ってしまう。電話を貸してくれようとするも、旅行会社の電話が使えなかったのか結局大丈夫だと彼らの行為をお気持ちだけいただいた。

とうとう時間が過ぎてもツアー会社の人は現れなかった。
おかしいと思い連絡したくても私には電波がない。先ほどのおじいちゃんたちがまた若い女の子に声をかけてくれて、彼女が親切心で私にスマホのテザリングをしてくれた。その会社のウェブサイトだったかアプリ上だったかにあるチャットサービスで迎えが来ない旨を伝えるものの、私が時間に遅刻したのではないかと言われ、そんなことはなく時間の20分前から待っていても来ない旨を伝えると何故か急に重くなってしまい会話ができず適切に対応してもらえなかった。この件に関しては結構怒りモードである。ツアー代もそれなりにしたし、結局待ち合わせ場所で1時間程の時間も無駄にしてしまった。もうTiqetsは使わない。ちなみにその後に泣き寝入りするサイレントクレーマーになるのは嫌だったので、改めて電波が安定している場所で返金対応の申請を行った。しかし、問い合わせをしてさらに詳細を求められたので私も数度返信をしたのにも関わらず、最後は調べる時間をくださいという旨のメールを送ってきて以降向こうからの音沙汰がなくなってしまった。この対応に全く誠実さが感じられないし、悔しすぎるがもうどうすることもできない。あまり愚痴は言いたくないのだが、本当に悔しかったことを思い出してしまった。
ただ、カターニアの方々、おじいちゃん達とおなご達には感謝だなと人の温かさに生かされる。

結局その日にそこに居続けても意味がないし、この時のプランでは明日の夜には移動予定で考えていたので絶対に今日エトナ山に行こうと気持ちを切り替える。事前に調べていた現地購入できるツアー会社に向かい、チケットを入手した。オンラインでツアーの予約はしていたことはあったのだが、こうした現地の旅行会社での申し込みは初めてだったのでこれはこれで面白い体験だった、

集合時間までには15分程度余裕があったので、近くのお店でライスコロッケを購入した。パレルモでも食べたシチリア名物で、安定に美味しかった。

ツアーは7人乗りくらいのバンに乗って向かうような小規模団体ツアー。目的地はエトナ山だけでなく、イゾラベッラ、タオルミーナといったカターニアの人気観光地を含めたものであった。移動のみで現地では個々人の自由行動になる。初めのエトナ山では昨日買ってもらったナイキの白い靴が汚れてしまわないか心配になりつつも登山を楽しむことができた。風が強過ぎて立っているのも大変な場所もあったのだが、その自然の雄大な景色には圧倒された。やはり山好きなのだと自覚する。車でエトナ山の上の方まで登ることができるのでしっかりと登山をするというよりも中腹部分を少し歩いてみるという内容だったので今度はぜひしっかりと登りに行きたいなと思った。

時間になり車に戻ると、同じグループの中国人女性がめちゃくちゃ文句を言っていた。どうやら、特に説明されずに乗り込んだ観光客向けの列車でもっと上まで行けるのかと思ったら下に行って帰ってきたのだという。お気の毒にと思いつつもこの場で自分の主張ができる強さに感心してしまう。

次に向かったイゾラベッラは日本でいう小豆島のエンジェルロードのような場所で、潮が引いている時は海の中に道ができるような美しい浜辺だった。11月半ばでも沢山の現地の方で賑わっており、水の中で楽しむというよりも浜辺で肌を焼いている人がたくさんいた。浜辺といっても小さな石が集まったようなタイプの地形だった。
私たちが訪れたときは潮が満ちていて道にはなっていなかったのだが、悩んだ末に私は入水してベッラ島に渡った。渡ったところで何かがあるわけでもなかったのだが行けて良かったと思う。しかし、他の人が渡っているのを見て行こうと決めたのだが、彼らの足を見た時には確かに水位は膝下で、人によってはふくらはぎの半分程度の水位だったはずなのに実際に入ってみると太ももまで浸水してしまった。おかげでジーンズはびしょびしょである。改めて身長の低さを恨まずにはいられない。まあ温暖な気候ゆえに直ぐに乾いたことが救いだった。

観光時間は1時間程度しか設けられていなかったのでやはり次回はもっとゆっくりリゾートを満喫する行程で訪れたいと思った。他の人たちは私が海を渡っている間に景色を見終わってからレストランで食事をしていたらしい。そういえば今日も観光重視で食べ物を食べるのを怠っていたことを思い出す。

最後の目的地はタオルミーナと呼ばれるシチリア屈指のリゾートシティだった。そしてなんと言っても目玉はギリシャ劇場の遺跡。ギリシャと遺跡好きな私はもう興奮するしかない場所だった。紀元前3世紀にギリシア人によって山を削って造られたこの劇場からの見晴らしは格別だった。当時この土地で演劇が行われ、人々が娯楽として楽しんでいたのかと思うと人間って凄いなとその壮大な歴史が感じられた。
劇場の観覧席の後ろでタンゴを踊っているカップルがいて、かっこいいなと思ったのを鮮明に覚えている。そういう社交文化にも精通したいなと実は思っているのだが未だその機会にはありつけていない。遺跡内にあるスーベニアショップでは肝心のタイトルを忘れてしまったのだが、マフィアに関する書籍も販売されていて興味が惹かれた。

街の方も散策してみる。タイル張りの地面が美しい広場からは夕陽に照らされたシチリアの街が見えて美しかった。ディオールのディスプレイが可愛くて撮っていると、おじさんが可愛いよねと言って写真を撮りだす連鎖が面白いし反応が可愛かった。

そういえば遺跡に近いところにあったジェラートの屋台でブリオッシュ・コン・ジェラートというブリオッシュと呼ばれるパンにジェラートを挟んで食べるシチリア名物を試してみた。私はこのブリオッシュが思っていたよりもパサパサで美味しくないなと思ってしまったが、ジェラートは美味しかった。まあ経験として試して良かったねということにしておこう。
また、リゾートシティなので、観光客向けのお店が多く並んでおり、飽きることなく滞在を楽しむことができた。

また書いていて思い出したのだが、連日の移動の疲れもあり、車内ではうたた寝をしてしまっていたのだが、それを見た運転手か他の客に次の移動区間は景色が綺麗だから寝ないようにねとアドバイスをいただいてしまった。なんだか少し恥ずかしくなったのを覚えている。

ツアーを満喫した後はカターニアの中心街に戻ってきた。
夜ご飯にレストランに入る。何かしらお肉のようなものを食べた気がする。ヨーロッパのレストランでは大抵パンをくれるのだが、途中青い袋に入ったものを渡してきたのでそれだと気づかずにこんなの持ってたかなと思いつつ他の荷物とまとめてしまった。宿で気づいた時に少し恥ずかしかった。幸い青い袋は紙袋だったのでお店の所持品でなくて良かったと思う。ちなみに、そのパンは今後の旅のお供にしたのだと思う。

宿に帰宅してからは今後の旅程を立てることにした。明日出発予定だったのだが、航空券を調べたところ、明後日の方が数千円安いことが発覚。少しでも節約しようと移動日を延期した。その間にマルタに行けるのではないかなど色々検討したのだが、流石に厳しいかと断念。またそれならばパレルモの方が宿も良かったので、滞在を延ばしたら良かったなと思いつつも今更言っても仕方がない。ずっと動いてきていたのでカターニアでゆっくり過ごすことにした。

共用のキッチンで昨夜ベッドを揺らしていた男の子と鉢合わせた。昨夜の女性の話になった折に彼ははちゃめちゃに文句を言っていたが、生理現象だし仕方がないと宥める。しかし彼は、それでもあのいびきは酷いし、そんないびきをかくのであればドミトリーのような共用の宿泊施設を利用すべきでないと強気の主張をしていた。そこまではっきり自分の意思を言えるのはすごいなと思ってまた感心してしまう。私は自分がそうではないかと心配になってしまうと話したらいびきをかいていたのは1人だけだし、君は問題ないよと言ってくれた。でも、そんな身の保身に走る自分のいい子振ろうとする姿勢が嫌だなと思うし、個人主義の世界では自分の首を絞めることになるのだろうと思ってしまった。私だってあのイビキは嫌だなと思っていたけど自分が我慢すればと思ってしまっていたのだ。それにベットを揺らしている人を怖いとも思ってしまった。もっと大きな問題になってしまったら嫌だなと。さらに、そう言いつつも彼はパンツいっちょでホステル内を彷徨いていたので私的には共用スペースそれもどうなんだと思ってしまう。ただ、彼だけでなく男女混合のドミトリーでも寝巻きはパンツいっちょというスタイルの方は結構いたのでそれは割と普通の感覚なのだと納得しておくことにした。まあ郷に入りては郷に従えなのかとヨーロッパの文化として受け入れるべきだなと自分を納得させることで争いを回避していたのだ。

そんなこんなでカターニア観光1日目の終了である。パレルモで出会ったアイルランドのおじいちゃんが一緒に行ったレストランでジェラートを食べている写真を送ってきてくれていた。出会いがあれば別れがあるという喜びと寂しさを感じながらも彼が元気そうで何よりだった。

イビキをかいていた方は既にチェックアウト済みらしく、今日は平和に寝られるなと思って目を閉じた。


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