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宮殿とクルージング、半貴族体験気分。

2023/10/28  フランス ヴェルサイユ パリ 🇫🇷

昨夜はまさかのホテル移動を強いられたものの、新たな住処も快適に過ごすことができた。今日はヴェルサイユ宮殿へと向かう。パリの市街地からヴェルサイユへは電車を乗り継いで1時間強。navigocardでVERSAILLES CHATまでの切符を買った。

現在進行形で教えてくれる、日本にもあるよねの啓示
乗り換え駅にて
特急電車
VERSAILLES CHATEAU 駅

パリの郊外、駅は宮殿を目指す人々で溢れていた。20分弱歩くと宮殿が姿を現す。ルイ14世の騎馬像が我々を迎えてくれている。その規模の大きさに驚き感動を覚えつつ、インターネットで事前購入をしていたチケットで宮殿へと足を踏み入れた。
因みにヴェルサイユ宮殿もルーブル美術館同様30分間程度の間隔で入場時間が区切られているようだ。

オンラインで取得したチケット
ヴェルサイユ宮殿全体図
ルイ14世騎馬像
ヴェルサイユ宮殿
ヴェルサイユ宮殿外観

ルイ13世が余暇を楽しむための狩猟の館として建設を命じたのが1624年。1793年のマリーアントワネットの処刑も含め、様々なフランスの歴史上重要な役割を果たした宮殿である。現在は世界遺産に登録されており、パリ近郊の観光ととして人気を博している。婚礼の舞踏会も行われた鏡の間は必見であり、当時14歳であったマリーアントワネットとルイ16世の婚礼の儀が行われた王室礼拝室など豪華絢爛な建築装飾を楽しむことができる。

鏡の間
鏡の間
王室礼拝室
王室礼拝室天井絵
「王は神により選ばれる」という思想が絵画にて示されている。

観光客の人数も莫大なのだが宮殿の規模が大きすぎて意外にゆっくりと観光することが出来た。やはりその豪華絢爛な姿には感動するのだが、正直ガルニエ宮の期待以上度が高すぎてオペラ座の方がすごいのでは、と思ってしまったのはここだけの話にしておこう。
しかしここもやはり学生時代に歴史の授業で何度もその名を耳にした要所である。ベルばらも履修済み。存分に個人的感動箇所を堪能しつつ、私が知らない宮殿の細部の装飾や部屋の様子を見学することができ、とても貴重な経験となった。
弁明として、写真を見返しているとやはり感動した感情を強く思い起こした。ガルニエ宮が期待値以上過ぎたのとヴェルサイユが広大すぎて疲れてしまったから故の判定な気がしてくることを添えておこう。

出迎えて来れた彫刻
宮殿内の天井
ハリーポッターを連想させられた絵画
宮殿内天井
ルイ14世のレリーフ
ベルバラの登場人物の元になっているらしい?
宮殿内の展示
シャンデリア
細部まで豪華な宮殿内の装飾
アントワーヌ=ジャン•グロ『アブキールの戦い』
オスマン帝国に勝利を収めた戦いの様子を描いた作品
ナポレオン・ボナパルト
ナポレオン1世
「祭典の間」の中に聳え立つ柱
「祭典の間」天井
宮殿内の廊下

宮殿内の見学を終えて庭園へと出向く。宮殿だけでも既にその規模に驚かされていたのだが庭園の規模はその何倍にもなる。造園師ル・ノートタールにより設計された美しいこの庭園は実に800ヘクタールを超える広さを誇っているらしい。しかし私はその広大な庭園にも留まらず、折角だからと購入したチケットに含まれていたアントワネットゆかりの離れの方にまで足を運んだ。私は今日ヴェルサイユを徒歩で5時間は歩くこととなった。

ヴェルサイユ庭園
宮殿側から見た庭園の様子
ラトナの噴水
庭園の道

専用のカートに乗る人々を見て羨ましく思いつつも、仕方がないので1人歩を進める。宮殿の群衆は消えており人もまばら。宮殿に来てもプチ・トリアノンの方まで観光に来る人は少ないのだろう。しかし私の好奇心というのか折角来たのだからと思う勿体無いのケチ精神からなのか、とにかく私は行き尽くさないと後悔が残る性の人間である為、その広大な敷地を歩き続けた。
友人やこれを読んでくれている人には絶対に友人と来るべきだとお伝えしたい。散歩をする分には非常に心地の良い庭園で、私も1人でなかったら常に優雅な心を絶やさず幸せな観光ができたのではないかと思わずにはいられないからだ。まあ私の場合なんだかんだ思索に耽っていたら楽しめるのと、ここまでしっかりと私に合わせて回ってくれる友人を見つけることの方が困難であるようにも思われるのだが。

敷地内移動用のカート

マリーアントアネットの離れ、プチ・トリアノンは彼女が愛した離宮であり現在も彼女が愛用していた家具や食器などが当時の様子そのままに展示されている。彼女はここで王妃のマスクを脱ぎ、1人の女性として過ごしていたらしい。
ところで、こちらの庭園もヴェルサイユ宮殿には及ばないにしてもそれなりに広く、奥の方まで進んで行くと王妃の村里と呼ばれる農家を模して建てられた家々や家畜に出会うことができた。

プチ・トリアノン全体図
プチ・トリアノン
噴水
室内の様子
プチ・トリアノンでの企画展展示
サイレーンだ!と思い撮影
王妃の村里
王妃の村里
秋ですね。
村里にいた豚
メデューサ

自分の行っておかないと後悔するという欲望を満たしきり、ヴェルサイユ宮殿の庭園に戻ってこられた折には流石の私でも観光が終わって良かったと思った。ただ、庭園もまた広いのでまだまだ歩かなくてはいけない。
また丁度噴水のショーが始まり足を止めて眺める。そう言えば昔、国語の教科書に日本の美と欧米の美が水を通して語られていた文章があったななんて事を考える。
ところで、元々ヴェルサイユの地は沼地であり、水が豊富にあったわけではなかった。ルイ14世が水なき地に水を、その権力を誇示し、民衆を魅了させる目的で引かせたという背景があるらしい。庭園の造設には実に40年の歳月を要したというのだが、その噴水の多さからも建設時の苦労は想像に難くない。その恩恵を存分に受け取った。

噴水ショー
庭園内の噴水
噴水のオブジェ
噴水のオブジェ
庭園
庭園の道
ヴェルサイユ宮殿外観、帰還

観光を終え、なんとか駅まで戻ってきた。市街地へと向かう。
この日殆ど何も食べていないことに気づくが、観光をしていると好奇心が満たされ、食欲が二の次になることを実感する。

ところで、なんのチケットとセットで購入したのかは忘れてしまったのだが、実はゲットしていたセーヌ川の遊覧船に乗る予定が残っていた。マティアスとは時間が合えば一緒に乗ろうと話していたのだが、何せ私が電波を持っていないものだからこの時は落合う事ができなかった。私が宮殿観光を終える頃、彼は既に乗船していたらしい。一応時間は気にしていたのだが仕方ない。まあこんなものだ。

市街地に着き、地下鉄の駅を出るとピエールエルメのお店がそこに。私が最も好きなフレーバーであるバニラのマカロンを食べていなかったなと甘いもので小腹を満たす事にした。マカロン目当てで入店したのだが、ホットチョコレートに魅了されてしまった。マカロンに併せてホットチョコレートをオーダーする。散々歩いたのだから糖分による休息も大事だという事で良しという事で。
ホットチョコレートは思ったよりもほろ苦く、大人の味がした。マカロンも安定に美味しかった。幸せを感じる。

ホットチョコレートとマカロン
幸せの詰まったショーケース

船はどうせなら夜の街航海にしようと思ったのか当時の状況は忘れたのだが散策に繰り出す。DIORのイベントか何かがやっているとの情報を得てブランド品店の通りを散策してみる事にした。イベント会場らしき所に着いたものの、自分の場違いさを痛感して断念する。人だかりが出来ていたし予約制なのかなんなのかすら分からないので今回は厳しそうだった。ブランドのウィンドウショッピングが出来ただけで楽しかった。特にミセスハリスを観た直後だったので、当時のパリに想いを馳せ更に心が躍った。現代でそれを受容することは難しいが、オートクチュール、響きがいいよなと思う。

PRADA
DIORのディスプレイ

途中、大勢の人々が一台の車に群がって撮影していた。高級な車なのか、有名人が乗っていたのか私には分からない。運転したいと思うわけではないのだが、車はかっこよかった。

ブランド街で見かけた車

この時間の散策で通りかかった橋。造形が美しかったので記憶に残っている。
時刻は17:00頃。一度ホステルに戻ることにした。地下鉄の駅が混んでいてこんな事初めてだよなと少し困惑する。何かイベントがあったのだろうか。

橋の装飾
橋の女神
地下鉄の駅

ホステルでは電波と少しの休息を得て再び街に出る。クルージングの為に夜の街を彷徨う。乗船場は複数あるようで、私のチケットの場所は少し分かりにくかった。
Google mapを駆使してなんとか辿り着く。待合室は遊覧船を待つ観光客で埋め尽くされていたので外で待つ事にする。既にエッフェル塔が見えていて、待ち時間に一度シャンパンフラッシュを見る事ができた。それなりに時間があったので待ち時間にコーヒーを飲もうとしたのだが、コインが詰まってしまい結局買う事ができなかった。お金は係員に伝えて無事回収。私達の船が来た。

船着場
シャンパンフラッシュ
20:30出港の約25分間セーヌ川クルーズ

船に乗り込み中の席を確保する。実は雨も降ってきており、レインコートだけではとても寒かった。それでもまたまた折角なのだからと外に出てみる事にした。一度出てしまうと寒いけれどこの景色を逃したくないというジレンマに陥る。結局殆どの時間外で過ごした。案の定1人の客は少なく、また寂しい思いを多少感じてしまう。それでも景色が素敵過ぎる。既に訪れていた観光地を現実に回想していく時間、パリの滞在も残す所明日のみとなった私には終始充実した遊覧だった。

ノートルダム大聖堂
エッフェル塔
帰港

流石に疲れたなと思いながら帰路に着いた。

駅の歴史を感じる写真
帰路にて

帰宅すると私のベットの下に泊まっていた韓国人の彼と流れで挨拶を交わす。流れで彼と会話を始める。彼は勤めていた会社を辞め、現在はヨーロッパを旅をしているらしい。今日ディズニーランドに行って来たそうだ。英語はあまり得意ではなさそうだったが私たちは遠いパリの街で出会った隣国の隣人としてそこに絆が生まれた。他の宿泊客メンバーはガラッと変わっていた。昨日は遅くまでみんな話している雰囲気だったのだが、今日の客は違うようだ。小声で話していたのだが、同室の女性に話すなら外に出ていって欲しいと注意されてしまった。話は途中だったのだが、仕方なく会話を終え就寝準備に取り掛かる。私がシャワーを浴びにベットから降りた時に再度彼と目があった。そこでインスタを交換する。私は今年(2024年)の3月に渡韓した際にお勧めのご飯屋さんを教えてもらったのだが、まさかの現在はバンクーバーにいるという。私もこの先カナダに滞在予定なのでそこでの再会が楽しみな人物となっているのだが、これはまた別のお話。

パリでの滞在も残すところ後一日。明日は日曜日だ。様々なハプニングにより滞在が計画よりも伸びに伸びてしまったのだがあっという間だったなと振り返る。

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