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魅惑の地、フランス パリ モンマルトル。
2023/10/23 北京空港🇨🇳 ▷▷▷ パリ🇫🇷
私が今回最初の目的地としたのはフランスのパリ。
この旅で新たに21ヶ国程訪れる事になるのだが、憧れのヨーロッパで最初に訪れたい国として私はフランスを選んだ。それはヨーロッパの中でもより憧れの強い国であるフランスを自身ヨーロッパ初渡航先としたかった思い故である。
ただ、実を言うと小学生の時にギリシャ神話にハマっていた時期があり、ギリシャかフランスかで迷ったのだが。今回渡航時は3週間の旅程、時期や航空券の値段も相まって私はフランスに訪れる事にした。
また、私は卒業論文を執筆する身、その内容がまさにフランスの映画作家、ピエール・エテックスの作家論であったためにこの時期に旅に出ることの免罪符として実地調査のニュアンスも含めてみた事にする。
そんな事はさておき、私は北京空港から乗り込んだ飛行機でパリに向かった。
いつも機内食を撮影してしまうのだが、これはどこで日の目を見る写真なのだろうかと私自身も思っている。ここに載せてみよう。
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また、余談すぎる身内ネタだが、たまたま見た宇宙関連のテレビ番組に出てきた博士がとても私の母に似ていて、また私の祖父の雰囲気も感じられ、他人を通して実母の遺伝子の系譜を感じた。尚、私に似ているとは思わないのだが。
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彼女はとても楽しそうに宇宙について語っていた。本当に似ている。
私は移動時間もなんだかんだで楽しめる or 寝ていればついていると言うタイプの人間であるため、そこまで長距離移動への抵抗はない。ただ、この時は前日に北京空港で過ごしていた時間も含めると移動に2日は要したことも相まって少し疲れていた。到着時刻は現地時間で23日の19時過ぎ。日本時間では24日になっていた。
フランス パリ
だとしてもついた瞬間から憧れのパリ!空港内アナウンスのフランス語に心を躍らせ、消化器のデザインですら洗練されているように思われてとにかく興奮し浮き足立っていた。
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その一方でしっかりと海外の洗礼も受けていた。
今回はバックパッカーと言いつつ、3週間の旅路、前日まで迷ったのだが、結構な重さの荷物に恐れをなしてキャリーケースをチョイス。そのキャリーケースが中々出てこないのだ。
そしてまた自分の日本人らしさを感じたのだが、出てくる順番は変わらないのに何故か皆手荷物カルーセルに詰め詰めに押し寄せていて少し苛立ってしまった事を覚えている。皆我先に前へ前へと陣取り、大きなカートを近づけている人もいる。離れて見た方が皆自分の荷物が出てきた事に気づきやすいだろうし、彼らが塀のように立ち塞がっていると私のような身長の低い人間には太刀打ちできない。また、荷物をカルーセルから下ろす人の事は考えないのだろうか。
私はそんな事を考えつつ、人々の様子を少し離れたベンチに座って眺めていた。
空港からは鉄道で今夜のホステルに向かう事にした。
私は電波難民である為に電車と地下鉄の路線図と睨めっこしながらなんとか目的地を目指す。
最初の電車で席が隣になった夫婦に念の為電車の行き先を確認すると、彼らもイタリアからの旅行者らしく、あまり分かってはいなさそうだった。それでも私の為に電車を調べてくれたり途中まで一緒だからと同行させてくれたりと彼らの優しさに心が暖かくなる。
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空港からの鉄道を途中で地下鉄に乗り換えてホステルへ。
地下鉄ですら日本のそれとは違う雰囲気に海外に来たのだと徐々に実感が湧いてくる。到着駅で改札はなく、背丈以上あるゲート型の出口から出ていくシステムに興奮した。特にフランスは映画でよく見てきた場所で、そこに自分が入り込んでいる事がとても嬉しかった。
モンマルトル
降り立った駅は後から聞いたところ、あまり治安のいい場所ではなかったらしく、少し危ない匂いがした。住所は予約サイトからのメールで確認できたのだが、ホテルの位置を事前にGoogleマップに入れ込むのを忘れていた。失態ではあるがリカバリーは可能。旅先で困ったら人に聞くと言う術を私は身につけている。
但し既に夜となった街の治安もよく無さそうな場所、誰に聞くのが正解なのか5分程躊躇していた。そこに犬を連れた赤いコートのマダムが通りかかった。住所の情報だけを頼りに彼女に道を尋ねる。親切に教えてくれたのだが、どうやらただその道をまっすぐ行けば着きそうで安心した。
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建物に刻まれた数字を頼りに宿に辿り着く。
今回の宿はぎりぎり、北京空港で予約したモンマルトルの4人部屋ドミトリー。
値段は確か6,000円くらいだったと思う。モンマルトルは先に挙げたエテックスの馴染みの地でもあり、個人的な憧れと単純に観光のしやすそうな立地であった為に選出した場所であった。
普通の見た目の扉がエレベーターの扉となっており、そんな点にも興奮する。
シャワーが壊れていたがドミトリーにしては珍しくバスタブが付いている部屋で、宿としても快適だった。
チェックイン後、ぺこぺこにお腹を空かせた私は街へと繰り出した。
取り敢えず初の目的地として選んだのはジャン=ピエール・ジュネの『アメリ』のロケ地として有名なCafe des 2 Moulins (カフェ・デ・ドゥー・ムーラン)。
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映画内でも登場するクリームブリュレがこのお店の名物なのだが、お腹が空いていた私は店員さんにおすすめを聞いてフィッシュバーガーを注文することに。ボナペティとサービングしてくれ、パリに来た実感が得られて嬉しかった。
カウンター席に上品に座るわんこを含め、22時頃でも店内は賑わっていた。
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結構お腹がいっぱいになってしまい、残念ながらクリームブリュレにはあり付けず。
バーガーをお勧めしてくれた店員さんが途中話しかけてきてくれた。その流れで私が一人旅でヨーロッパを回るつもりだと伝えると、ハロウィンパーティーに誘ってくれるなど気にかけてくれた。結局参加はできなかったのだが。
大学院生である彼女はどうやら幼少期に移住してきたものの、チベット出身らしく、「チームアジアだね!」と言って今回の旅で初めての友達ができた。
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お腹を満たす為に街へ出たのだが、食べ過ぎてしまったので今度はお腹を落ち着けるために街を徘徊する。
映画の為にピエール・エテックスはモンマルトルの街でスケッチに明け暮れたらしい。スケッチこそしないものの、面白い煙突の形、パリの荘厳な石造の建物、地下鉄の入り口。彼が眺めたであろう風景や歩いたであろう道を私も歩んでいるのだと、追体験としても夜の徘徊を楽しんだ。
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街を歩いているだけで幸せなのだが、映画ではジャン・ルノワールの『フレンチ・カンカン』、日本では宝塚でもお馴染みのムーラン・ルージュの外観を拝み、モンマルトルの丘の上に聳え立つサクレ・クール寺院を眺める。既にパリの滞在を満喫した夜だった。
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23時半頃宿に戻る。初日は私の他にフランス人の婦人が同室であった。
彼女は英語が喋れず、あまり深く話すことはなかったが確かフランスの田舎から旅に来ている人だったと思う。このような旅は初めてなのだとも。
浴室にはドライヤーが設置されていた。但しいつもドミトリーでドライヤーを使用することが迷惑になりはしないかと気を使う。今日は同室の婦人が気にしなくていいと言ってくれ、気兼ねなく髪を乾かすことができた。
当初この宿での宿泊は3日間の予定。
この旅で最初で最後のジーンズとパーカーの洗濯をした。
因みに洗濯キットは持参。タイで買った粉用洗剤が役に立つ。
部屋干しをして就寝する。