Orchestra Fontanaメイングラフィックとチラシのデザイン・コンセプト紹介
執筆者:dan
Orchestra Fontanaのデザイン周りを担当しています、デザイナーのdanです。
この記事では、本演奏会のメインビジュアル・チラシのデザインについて、どういうイメージで制作したのかを紹介します。
楽団コンセプトと初期イメージ
初めに運営の方からいただいたコンセプトの概要は以下のようなものです。
また、世界に実際にある噴水からイメージに沿うようなものの写真をいくつか見せていただきました。
世界の噴水についてはこちらの記事をぜひ読んでみてください。
ロゴマークのデザイン
楽団コンセプトをもとに、まずはロゴマークの制作を行いました。
完成したロゴマークは以下です。
ロゴマークについてはこちらのエイプリルフールネタばらし記事で詳しく紹介していますので、未読の方は是非ご覧ください。
メインビジュアルのアイディア
お話をいただいた時点で、「噴水+(自分探しをしている)人」というイメージが気に入ったので、メイングラフィックとしてはこのイメージをそのまま使うのがよいと考えました。
さらにそこに「音楽」や「オーケストラ」に引き寄せたテーマを盛り込めないかと考えたときに思い浮かんだのが、社会人として働きながらアマチュア演奏活動を続けている団員の皆さんの姿でした。
会社員等の立場で社会人として働いて過ごす日常の中には、誰しも大小の辛いことや大変なことを抱えているものだと思います。
一方で「演奏会」というのはそうした日々から少し離れた非日常の時間です。何十人もの人が楽器を手に集まって、時間とお金をかけて準備をし、場所を用意して音を合わせるという体験は、そう簡単に得られるものではありません。特に社会人団体となればその難しさは尚更です。そしてそうして用意された非日常空間であるステージでは、楽団員一人一人がプレーヤーとして音楽の中で自分を表現します。
そのような日常と非日常の対比、「平日は社会の中で働くごく普通の人、休日は楽器を持ってステージに立つ表現者」という姿のテーマを「自分探し」のモチーフに組み合わせられないかと考えました。
メインビジュアルコンセプト
上述のようなアイディア発想を経てできたメインビジュアルのコンセプトが以下のようなものです。
これをもとに制作したメインビジュアルはこのようになりました。
正面奥の楽団ロゴがあしらわれた垂れ幕と壁面で赤×ゴールドのイメージを作りつつ、水面の青と合わせて色味のバランスを取りました。
空間としては現実にはあまり存在していなさそうですね。ゲームの中に登場するような景色、非現実的だけれどどことなく綺麗に見える空間を作ろうと意識しました。
チラシのデザイン
メインビジュアルを用いてデザインしたチラシの完成版はこのようになりました。
都会的で大人なイメージにしたいと思い、書体は全体的に角張ったクセのあるものを用いています。10/9の日付を書いている書体と、ロゴタイプ(Orchestra Fontana)の書体を全体にわたって使用してまとめています。
文字情報は4隅を埋めるように配置して、中心の「噴水と人」のビジュアルに目がいくように構成しました。
楽団カラーについて
最後に、ロゴを作成するときに定めたイメージカラーをカラーコード付きで紹介しておきます。
ボルドー(深い赤色)は仕事の傍らアマチュア演奏活動に取り組む演奏者の皆さんの熱量、エネルギーを象徴し、
落ち着いたゴールドは、この団体が学生オケOBを中心とする「社会人の=大人の」楽団であること、高貴で格調高いイメージを表現しています。
最後に
制作者本人が文章にしたからといってここに書いてあること全てが解釈の絶対の正解ではありません。
グラフィックを見てイメージしたことや考えたことがあればぜひSNS等で反応していただけると嬉しいです。
ここまでお読みいただきありがとうございました!