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韓国のサイクリングジムに行ってきたお話 Part.1

Instagram の投稿で流れてくる韓国のサイクリストからの情報(主にスクールらしきリール動画)を目にする機会が増えたことをきっかけに、その文化のルーツに興味を持ち始めて半年。日本で自転車文化が少しでも発展するためのヒントにならないかと思い、いくつかのアカウントに連絡を取るも、ほとんど連絡がなかったのだが、今回伺った施設は連絡をくれた1件でもあった。その名もOK Cycling。

施設の外観


その開校は2013年。僕が開業した2015年よりも2年早く活動していた。案内してくれたパクさんは、2005年から2020年まで韓国のプロサイクリストとして活躍しつつ、実はお父さんも元韓国代表の選手だったようだ。彼が現役時代に知人に『スクールを開校しないか?』と誘われたことから始まったらしい。


場所は市営スポーツ施設の一画で運営されており、 自転車以外にもプールがあった。しかしそのサイクリング施設を利用するには会員登録が必要で、月額100,000W(ざっくり1万円)で、レッスンを受けたい場合は別途費用がかかるシステムだ。レッスンを中心としている僕の事業形態とは異なり、面白い。

施設を月1万円で提供しているだけなのだが、日本でいうジムに通う感覚で使われているようだ。僕はレッスンを開催する曜日に来てもらい指導するスタイル。


にも関わらず会員登録者数は多く、マジで驚いた。その証拠というのもなんだが、生徒は自転車を預けて置くらしい。預けられている自転車の数は、こんな感じ。

でも実際の会員数は、預けられている自転車の数以上に多いのだとか。ちなみに自転車お預かりサービスは20,000W(約2,000円)。これだけでも良い稼ぎになるよね。


取材しに行っている最中、数名のお客様が利用されていたが、全員3本ローラーであった。

この3本ローラーは日本のMINOURAやアラゴではなく、韓国企業であるsamchang(サムチョン)が作っている。こちらの企業もサイクリングジムを持っているのだが、韓国国内ではとても大きなシェアを占めているようだ。

ちなみにこちらのsamchangにも伺った。事前に連絡しても連絡が取れなかったのだが、でもどうしても伺いたかったので、OK cyclingに伺う前に突撃訪問した。その記事はまた今度。

トレーニングしている利用者の中には女性もいた。なにやら自撮り棒を置いてトレーニング風景を撮影していたが、聞く話によるとなんとインフルエンサー女子らしい。これは日本とは違う事情だが、韓国での女性インフルエンザーの役割は "女性サイクリストに対する起爆剤" になっていそうである。女性が女性を刺激するという。話が大きく異なりそうなので、この意味はまた今度。


様々な質問をしていると、顧客に対するパーソナルコーチングの時間になった。どのようなコーチングをしているのかを見たくて、見せていただいた。

指導内容はライディングフォームとペダリングについて。彼のコンセプトは『痛みなく快適に、なおかつ効率的に速く走る』らしい。そのため、何度も感覚を伝えるための技術指導を行っている。彼がいうにはファンクショナルトレーニングだそうな。確かにその考えはロードバイク上でとても意味をなす。

間にはフィードバック→漕ぐ→フィードバック→漕ぐを繰り返しおこなう指導。実は彼、どうやら博士号を取得しており機能解剖学を専門に指導するらしい。モーションキャプチャーを活用している動作解析の企業と連携して、サイクリストの動作の統計を取得しており、それを元に指導しているようだ。指導内容は論理的で面白かった。


指導を終えた後、改めて韓国の自転車市場の現状や、なぜロードバイクに乗るのか、ハイエンドのバイクばかりに乗っているのか、集客方法、顧客の層、なぜジュニアがいないのか、クライアントのニーズなどを聞くことに。すると、点になっていたものが急速につながり始めるのであった。


話は長くなるので、また次回。

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ORCA CYCLING SCHOOL
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