わがまま旅人は日常が好き | 暮らしに「ちょっとの特別」を
「旅人」と呼ばれるけれど
年に100泊〜200泊、旅する生活も3年目。俗に「旅人」と呼ばれるけれど、わたしはとっても「暮らし」が好き。旅も好き、でも、それと同じくらい。
実家が好き。自然が好き。
田舎が好き。そのままいつでも、あるものが好き。
大切だと思えるものを、大切にできる理由が暮らしにはたくさんある。旅はデートに誘うにはもってこいだし、家族に感謝を伝えるには良い機会だけど、
ちょっとの特別を日常に忍ばせて自分を試すのもまた、楽しい。そのギャップが人生を豊かにしてくれている感覚の中にいる。
そう、飾らない、美しい日々が大好きなのだ。
いつもカメラに映るのは、
居酒屋で飲んだ赤星、おもむろに始まった書初め、
富士のふもとを流れるシャボン玉。
店の名前もさすれたちょっと美味しい珈琲。映り込むパン。
こういう、いつもあるようで、特別、みたいな時間が好き。
わたしが特別と決めたから特別、みたいな日々が好き。
残したいし、終わらないでって思うのは、
キラキラした鞄を見つめるより、肉じゃがを作ってる日常のほうで
ネオンの街の中心に立つ瞬間より、富士を見上げた瞬間で
家族にありがとうって言えた瞬間で、
1Kの隙間にちょうどいい塩梅で優しさを降り注ぐ瞬間で。
小さなお風呂に入る瞬間で、
もらったお花を大切に育てる瞬間で。
ずっと、柔らかい日常のほうである。
旅人の、愛すべき日常。
暮らしを愛する人の、一生感動していられるような旅。
ふつうじゃない、そう言われるけれど
ふつうじゃなくて、いいじゃないか。
ほどよい旅の刺激と、心地よく乱れた生活のはざまが
欲張りな自分のホームなんだろうな。
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