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アムステルダム博物館 Amsterdam Museum オランダ/アムステルダム ~大規模改修で「国立」に比肩する存在となった市立歴史博物館

※ 訪問記は2014年6月の情報です。その後2022年に仮移転しているようです。

こちらは2011年、前回リノベーションの際のトレイラー。

Amsterdam Museum 公式サイト

「歴史」が取れて、「アムステルダム歴史博物館 Amsterdam Historisch Museum」から「アムステルダム博物館 Amsterdam Museum」に改称しました。おそらくこのタイミングで博物館全体の改装もしていて、以前とは比べ物にならないくらい(何倍ってレベルで)広くなりました。内部はまるでダンジョンで、ぜんぶきちんと見たら半日必要な規模になりました。


中央の吹き抜けの回廊にある大型の絵画の数々。ここは博物館内に入らなくても無料で見られるエリアでもあります。以前は集団肖像画がメインでしたが、今は現代の作品なども並べられているようです。下から眺めるも良し、2階展示室から見るも良し。

Govert Flinck (1648) ミュンスター条約締結時の自警団 In Wikimedia Commons

この大きさだとよくわかりませんが、幅5mはありそうなこういうでかい絵が、何枚も並べてあります。

入口からすぐの赤を基調にしたエリアは「Amsterdam DNA」と称され、アムステルダムの成り立ちを中世から現代まで追っています。非常に電子的なつくりになっていて、各国語(日本語もあり)の無料パンフをもらい、各所に置いてある読み取り機に表紙のQRコードをかざすと、モニターに画像が映し出されその国の言葉で説明が入ります。この、モニターの無い音声だけの説明箇所も複数あり、そちらは蘭語と英語のみです。

DNAコーナーの角には、1600-1700年部屋があり、ビッガー家をはじめとしたアムステルダムのレヘントの肖像画がこれでもかってほど並んでいます。その中にこっそりデカルトもいました。 1Fの隅のほうに、「グロティウスの本箱」のような長持ばかり階段状にずらっと並べた部屋があったんですが、当時の大商人や金貸しはこれを金貨入れに使っていたらしいですね。千両箱とか宝箱(にしてはより大きく細長い感じですが)みたいな使いかたです。アムステルダムがどれだけ金持ちだったか、という事実の一端を垣間見る思いです。

なお、期待していなかっただけに、0.5番の部屋にオルデンバルネフェルトやナッサウ家の肖像があったのはちょっと嬉しい。とくにここで驚いたのは、ダニエル・メイテンス(父)による1611年のマウリッツ全身像。制作年とまったく同じポーズからいっても、おそらく国立博物館のミーレフェルト版と同時にあるいはコピーとして描かれたもので、ガーター勲章も提げているし、鎧はより金色味が強いです。こういうのってあちこちの博物館や閉架にたくさんあるんでしょうね。残念ながらカラー版画像無し。

Daniël Mijtens (1611) マウリッツ公全身像 In Wikimedia Commons

逆に、現地で見た覚えはないのですが、所蔵品には19世紀ロマン主義歴史画が相当数あります。このサイトの中でも要所要所で使用しています。下記リンクから。

収蔵品検索

アクセス

2022年より、エルミタージュ別館のところに仮移転しているようです。

本来の場所は、アムステルダム中央駅から1km以内。トラム1, 2, 4, 5, 9, 14, 16, 24, 25番で5分くらい。ダム広場なんかを経由して歩いても良いですが、トラム1日券を買って乗り倒すのも可。国立博物館と中央駅とのちょうど真ん中くらいの位置です。

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