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丸か角か、永遠に悩め。

15cm角        15cm丸


もしも丸と角のどちらが好き?と聞かれたら、わたしは「角」と答えます。

丸がもつ曲線や角のないなめらかな様は大変美しく、球体になるとさらに質感が加わって雅さえ感じます。和菓子が好例でしょうか。練り切りの手作業が生み出す美の世界は、ため息ばかり出ます。お饅頭のほっこりする丸は、いつでもいとおしいです。


人の手が生み出す芸術
precious.jp様からお借りしました。


一方で角の魅力とは。
どの点も直角で凛とした清々しさが滲み出ています。安定感や断面がよく見える利点があります。
角の和菓子も多く、流し物でよく見受けられます。

きれいに切れるものですね。
両口屋是清様からお借りしました。




さて、洋菓子はどうでしょう。

「トルテ(独:Torte)」
切り分けて食べる丸形のお菓子全般を指し「ケーキ」を表します。ドイツの伝統的な洋菓子で、美しい見た目と豊かな素材感が特徴です。
ザッハトルテ、キルシュトルテなど

ドイツ語で「ケーキ」には「トルテ」のほかに「クーヘン(Kuchen)」という単語もあります。「クーヘン」は焼き菓子全般を指し、チーズやアプリコットなどの具材を生地に混ぜて作るのが特徴です。

「シュニッテン(独:Schnitten)」
切り分けて食べる四角いお菓子
カーディナルシュニッテンなど
トルテと同じパートの構成のものを四角く仕立てると「~シュニッテン」という呼び方になります。

kurikuri-okashi.jp、AI による概要より引用



耳馴染みのある言葉かもしれません。
丸はトルテ、タルト、トルタ、タルトレット
ふーっ。ややこしい。


ザッハトルテ
es koyama様からお借りしました。


バームクーヘン
クラブハリエ様からお借りしました。


カーディナルシュニッテン
cotta様からお借りしました。



形は丸でも四角でも大抵のものは置き換えて作れるように思いますが、伝統菓子はこの形がベストマッチだと思わざるを得ない存在感です。

カジュアル系では。
ブラウニーは四角に焼いてカット、近年はチーズケーキも四角に焼いてスティック状に食べやすくカットして売っています。ミルフィーユも四角、プチフールも四角は多い。思いつきで書きましたが結構あります。あっ、キャラメルも。



思い立って丸と角で、同じ生地を同量流して焼いてみました。見た目の比較のため。
薄力粉を切らしていたので強力粉100%でマフィンのようなテキトー生地にて。

15cm角          15cm丸


生地は一度に仕込んで、均等に流しました。
誤差は1g程度です。


1年以上前に密造した河内晩柑と甘夏の砂糖漬け
そろそろ食べないとまずいので開封しました。


粉類(BP入り)は1回だけテキトーにふるいました。
表面の焼きムラは手抜きの影響か?
柑橘果皮の自己主張か?



型の材質が違うため、熱伝導に差が出たようです。
加えて、角は四隅近辺がよく焼けているので、形が起因しているかもしれません。


8等分にカット


パッと見、どちらを食べたいと思いますか。
うーん。

ここまで来て失敗に気づきました。
表面を平らに焼けるもので比較すべきでした。
これでは分かりにくいし、断面はさらにわかりにくい気がします。

うーん、ちょっと似てるわね。


うーん、双子
断面の穴ボコはふるい不足と混ぜ不足?



この角度だと微妙さが際立ちます。
比較も何もあったもんじゃなかったです、はい。

右の形は何というのですか?




同じレシピでも型を変えて焼くと印象が変わる(はず)ので、いろいろ試して悩み楽しんでみます。

と、強制終了の気配。

世には便利な早見表があるのでぜひ↓
丸→角、角→丸もできます。
cotta様からお借りしました。
ありがとうございます。




カステラ、豆腐、板チョコ、こんにゃく……

四角の食品が大好きです。
料理もスイーツも材料、味、プロセスに注力しますが、形にも目を向けてみます。

それにしても考えのない行動はただの徒労でした。
次回は計画を立ててスイーツ実験をしたいです。


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