Tim Tamから学ぶ「可逆的とはこういうことなのか」
前職、前々職は、分野は違えど食関連に身を置いていました。トータル16年在籍したので、食べて見て試作してまた食べて食べて食べ続けたのです。
甘味も結構な量を食い尽くしました。一生食べなくてもいいくらい。総量何百キロなのか。
辞めて半年間は働かないと決めた時に、最初に手がけたのは食生活の見直しでした。食べる量を減らす、もちろんその中には甘味も含みます。規則正しい生活時間をキープしつつ、ゆる発酵食ゆるグルテンフリーもどきを少しずつ取り入れて、毎日がかなり楽しかったのです。
その結果、あれだけ欲していた甘味にはあまり関心が向かなくなり、以前の1/10も食べなくなりました。買わない、置かない状態にすっかり慣れて、聖人君子のような振る舞いに。外食時に楽しむ程度です。
少しずつ身につけた贅肉(バラ肉、肩ロース)が落ちて見た目がスッキリしました。それもうれしかった。麗しき9ヶ月間。
昨年年末にカルディの福袋を申し込んで運よく当選し、元日に初対面を果たしました↓
今から思うと、運がよかったのか悪かったのか。
福袋特有のドキドキ感を全身の細胞で受け止めながらの開封作業は、YouTuberさながらでした。
飴、お茶、調味料以外のおやつ系食品はすべて味見してほとんどを1人で食べる始末。どこがグルテンフリーだ!意味わかっとんか!
お正月だしー、久々のおやつガッツリだしー、快適な食生活はキープできているしー!太らなかれば多少はいいじゃない!
ヒトはとことん己に甘く、すぐに目を瞑り耳を塞ぐ。
我を忘れる飽食の中でも、ひときわ心を激しく揺さぶったのがTim Tamでした。
そもそも外国のお菓子は鼻血が出るくらい甘く、そんなにおいしくないとの刷り込みがあるので、いくつかの菓子しか食べた経験がなくて新規開拓もしていませんでした。だから余計にTim Tamが沁みて沁みて。
即時に火がつきました。何がいいって、形大きさ甘味チョコサクサクすべて。なぜ今まで食べなかったのか。おやつ人生に関わらせなかった自分を責めました。思い込みは本当に罪だから。
それからです、模範的食生活に少しずつ狂いが生じ始めたのは。
ジワジワ甘味を食べる回数が増えて、常に自宅には何かがある状態に変わり、ふたたび小麦粉を普通にバンバン食べ始め、ついに砂糖へのガードがはずれたのです。それから約11ヶ月経過しました。
9ヶ月間清らかだったのに、元の甘味生活に戻ろうとしている。可逆的にやられた……。Tim Tamよ。
きっかけって、後から気づくもの。その時はピンと来ない。今だからわかる。
正月に買ったカルディ福袋に入っていたTim Tamを食べてから甘味の道へと逆戻り(可逆的)しました。
先日Tim Tamを見つけてしまい、危険承知で1つ購入しました。正月以来、好きが高じて恐怖を覚えて食べなかったのです。11個入りを取り急ぎ1個食べました。
「(あーっ……)」声になりません。おいしくて。やっぱり好き。
翌日また1個食べました。残り9個です。家族にも勧めたところ1個食べました。またわたしが1個家族が1個、わたしが1個家族が1個、連日の個人プレーです。積極的に家族が参戦するのはかなり珍しい。
そして先日、ついに家族が(一気に)2個食べて0になりました。
職場から帰宅すると「わたし(=家族)はお菓子の袋を取っておいたりしないのに、これはおいしいから取っておいた(見本)。また買って!」といいました。
たまたま家には他のお菓子やチョコレートなどの甘味やくだものが多数あって目に青葉状態。
「何を食べて、おいしいからまた買えと言っているのか?」
……ま、ま、まさか、……てぃ、てぃ……
悪そうな顔をした家族が手にしていた包装は、チョコレート色の舶来TTでした。
わたしに続き、後期高齢者までも狂わせた!
強力ハリケーン並みの勢力で、私たちの理性をなぎ倒して走り去った。その後、家族も甘いものが欲しくて食べたくて状態だそうです。
Tim Tamは悪くない。悪くないよ。
悪いのは可逆的なわたし。
なぜそうなるのかを考察したいから、また買うよ。