Akihiro Hasegawa

株式会社ライブアンドワールド 代表取締役 人/組織に関わり約20年。研修会社、組織開発コンサルティング会社を経て独立。オンラインを通じて長期に渡り企業組織の組織開発を伴走型で支援するパートナーシップサービスを提供しています。https://liveandworld.jp/

Akihiro Hasegawa

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最近の記事

人的資本経営を考える~人的資本経営ウォッシュとやらされ人的資本経営~

2020年9月に経済産業省が「人材版伊藤レポート」を公表し、それを皮切りに人的資本情報開示の重要性が日本国内でも広まりました。人材への投資が欧米に比べて格段に低く、それが競争力の減退につながっていることに端を発しています。経営戦略と人材戦略の連動がうまく合致しておらず、経営効率を重視する過程で人材を管理としての対象としてしか見てこなかったこれまでの経営のあり方、結果として社員一人一人の個性や自律性がそがれてしまったこと、これらが変化にうまく適応できない企業が増えていき、結果と

    • チーム2.0時代OSの職場の実態

      前回チーム5.0時代への幕開けとして企業組織の変遷について書いてみた。これまで様々な形で組織の活性化の支援に関わってきたからこそ言えることは、実際この変遷はあくまで企業全体のスローガンとして進んできたと捉えるのが正しく、職場単位でみるとグラデーションになっており、OSが進んでいるところとそうでないところが混在しているのが実態であるように思う。その混在によっておこる「スローガンとOSの実態の不整合」こそ、組織の様々な問題の根幹に存在しているように思う。 昨今、組織のエンゲージ

      • チーム5.0時代の幕開け

        ここまで「Withコロナ時代の」というテーマで記事を書いてきましたが、もうそろそろ具体的な名称をつけて新しい時代を表現していく必要もあるのではないかと感じています。企業組織についてもコロナ初期にあったインフラ関係も落ち着いたりリモートワークも定着するなど混乱も落ち着き、新しいフェーズに入ったと感じています。そこで、とても良い区切りではないかと思い、過去から現在までを振り返り、主に日本社会を前提とした企業にみられるチーム(職場ととらえていただいてもOK)の在り方の変遷を時代とと

        • コロナ禍に問う差別問題と私たちのあり方とは

          今回アメリカで起きたミネアポリス事件。改めて事件の一部始終の映像を見ながら、現在のアメリカ国内の暴発の原点にしっかり寄り添おうと思いました。 コロナによって、この社会の様々なことが炙り出されるといわれていますが、この人種のみならず"差別"と言う問題は、まさにその一つなのだろうと痛感させられます。それはアメリカだけではなく、人類全体の闇であり、超えていくべく残課題なのだとも思います。多様性を本当の意味で受け入れ合い、協調と調和できる世界にシフトできるのか。あえてコロナによって

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          経験しながら学ぶ Withコロナ時代のリーダーシップと組織への向き合い方⑤

          前回の記事では、2極化の兆候から最適化への道について書いていた。その後、世界はどうだろうか。懸念していたことが現実化するかのように香港をめぐる米中間の対立・ミネアポリス事件・ブラジル国内の対立が起こっている。書いた直後から比較的大きな対立が急に表面化してきた。コロナと直接的な関係があろうとなかろうと、この期間でコロナをきっかけに生み出されていた世界の多様な2極化がきっかけで、分断や最適化に向かわない要素同士の間に、強力に「対立」の力学が連鎖的に働き始めているのではないかと危惧

          経験しながら学ぶ Withコロナ時代のリーダーシップと組織への向き合い方⑤

          経験しながら学ぶ Withコロナ時代のリーダーシップと組織への向き合い方④

          緊急事態宣言の延長と同時に一部解除も決まり、また一つフェーズが変わろうとしている。そこでタイトルからは【緊急】という文字を取ってみた。なんとなく時代が緊急時とは異なったフェーズに入ってきた感覚があるからである。ここからまたどうなっていくのか、経験の中で見えてきているものをシェアしてみたく今回も記事にしてみたい。 まず、この時点で改めて確認してみたくなったのでここから。それはこのwithコロナ時代において、私たちが全世界で握っている2つの目標。 ①感染拡大がピークアウトし、

          経験しながら学ぶ Withコロナ時代のリーダーシップと組織への向き合い方④

          【緊急テーマ】経験しながら学ぶ Withコロナ時代のリーダーシップと組織への向き合い方③

          これまでの2回ではWithコロナ期におけるリーダーの認識(パラダイムとその自覚)について、そしてこの時期を前進すべく自他ともに成長のゾーンに導くあり方について述べてきた。そして、今回は成長ゾーンに入ったリーダーが何を羅針盤に進むと良いかについて考えてみたい。 昨日いよいよ全国に緊急事態宣言が発令された。この全国への緊急事態宣言が発令される前から多くの方が実感していること。それは世界中でどんどんと『空間』と『移動』に関する制約が増えていくことである。すなわちそれは人が認識する

          【緊急テーマ】経験しながら学ぶ Withコロナ時代のリーダーシップと組織への向き合い方③

          【緊急テーマ】経験しながら学ぶ Withコロナ時代のリーダーシップと組織への向き合い方②

          前回に続き、withコロナ時代のリーダーシップと組織の向き合い方についてこの時期を過ごしながら触れた知恵や経験をベースに形式知化したものを発信してみたい。どなたかにとって少しでもこの時代に前を向ける一助になれたら嬉しい。 前回1次と2次のパラダイムを表現し、自分が生きている世界に自覚することについて触れてみた。それを踏まえて次に触れたいのはwithコロナ時代の『あり方』である。 この時期、どういう状態に陥るのか、心理学ベースにマズローの欲求段階説で考えた場合、多くの場合欲

          【緊急テーマ】経験しながら学ぶ Withコロナ時代のリーダーシップと組織への向き合い方②

          【緊急テーマ】経験しながら学ぶ Withコロナ時代のリーダーシップと組織への向き合い方①

          昨日緊急事態宣言が発令されたこともあり、このタイミングで自分が書くことを通じて世の中にできることをしたく緊急テーマを設けてみた。ここから短くテーマを設けながら書いていこうと思う。 また、組織の変革に関わる身としてもこの状況は未曾有の状況のため、過去の理論よりもこの状況に身を置いて新たな視点を交えながら考察してみることに本質があるように思っている。そのため、今を経験しながら洞察し、形式知化したものを表現してみることにした。精度に未熟な部分があるかもしれないが、正解のないこの時

          【緊急テーマ】経験しながら学ぶ Withコロナ時代のリーダーシップと組織への向き合い方①

          「自分を活かすセカイ」を拡張する時代

          時代と共にだんだんと企業組織のあり方も変化してきていると異口同音に語られてきている。私は上図のように表現することが多い。「決まった方向にむかって機動力を高め、効率的に人を動かし、勝利する」というパラダイムが左である。そして「答えがないからこそ、多様性を高め、柔軟に人が関わり合って動ける環境を創り、社会をともに豊かにする」というパラダイムが右である。左が悪く、右が良いということではなく、左が限界を迎え、右に移行しているということである。日本では2011年の震災以降右のシフト

          「自分を活かすセカイ」を拡張する時代

          周囲の「感謝」を創り出している”自分らしさ”

          前の記事にある「私の考えるポスト資本主義へのシフト(前編)」において、人を活かすという発想のシフトについて書いた。その人のユニークな部分を開花させて新しい役割や事業を考えるような発想が大事であるということである。 昨今、自分らしさの探求の重要性は高まる一方である。個人がメディアにもなるこの時代において欠かせないことかもしれない。一方でこれからの時代、その自分らしさの発揮が同時に誰かの救いになることの重要性は以前記事にも書いたとおりである。 改めて「誰かの救いになってい

          周囲の「感謝」を創り出している”自分らしさ”

          人が人らしくあれる環境をつくる

          人が人らしくあれる環境をつくる これは私のポスト資本主義創造のビジョンにおいても土台となるコンセプトで、現在私の活動の半分以上はこのために企業組織に入り込む。 『心理的安全性を起点に組織の土壌を整える』というコンサルティングだ。 心理的安全性という言葉は2016年頃グーグルが自社の中で生産性の高い職場を研究し、その共通点として見出した言葉として世に広く広まった。ものすごく簡単に言うと、自分が自分らしく存在し、発言やふるまいを他人の目や評価を気にすることなく、必要なことを

          人が人らしくあれる環境をつくる

          私の考えるポスト資本主義へのシフト【後編】

          もう少し具体的に言うと、「あなただからこそ救いになれるソーシャルマイノリティ」が見えると、それをより具体化する必要がある。つまり、より自分の思いに臨場感を持たせることである。世の中には根本的に思いの重なる人が多くいる。それは組織の中であれ、外であれ、見つけていこうとすれば現在ではオンラインサロン、NPO、NGO、他多数のコミュニティが複数存在しているはずだ。もはや、会社の中だけで成長できる時代ではない。なければ自分で作るもよしである。そんな風にして様々なコミュニティに参加しな

          私の考えるポスト資本主義へのシフト【後編】

          私の考えるポスト資本主義へのシフト【前編】

          今回はポスト資本主義について考えてみたい。この手前の3つの記事にも関連し、重複することもあるが、私の基本コアコンセプトでもある。もしよかったらこの前の記事も併せてご覧いただきたい。なるべくシンプルに表現したいが長文となりそうなため、前編と後編に分けて書いてみた。 1.資本主義と組織に働く原理まず、みなさんは資本主義をどのようにとらえているだろうか。一般的な定義としては「資本家が資本を増やすために生産手段を使って労働者を雇い、生産を展開する仕組み。」という表現がシンプルかもし

          私の考えるポスト資本主義へのシフト【前編】

          人と地球にとって最良・最善のものが循環する世界

          昨年、グレタ・トゥンベリさんが世界に怒りをあらわにした。 「あなたたちが話しているのは、お金のことと、経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。恥ずかしくないんでしょうか」 世界に向けて投げかけられた「未来の大人」からの問いでもある。 ちょうど企業向けにサステナビリティについて考えるためにセミナーを主催していたタイミングでもあったため、とても記憶に残った。彼女の言葉の正当性や不都合な未来の確実性をここで述べるわけではない。ただ、どう意味づけてこの時代を生きるかが大事

          人と地球にとって最良・最善のものが循環する世界

          社会課題解決よりも社会創造を

          初めに言っておきたいのは、社会課題解決が必要でないと言いたいわけではない。社会課題解決も必要。それ以上に社会創造に力が入ればと願っているということだとご理解いただきたい。 ここ数年企業に関わっていて、ビジネスの目的が社会課題解決にシフトしてきていることを切に感じている。SDGsの追い風もあり、一昨年あたりから加速しているように感じる。普段NPOの方々と接することもあり、社会課題とは何かについて知ることも多くなった。知れば知るほど疑問に思ったこと。 それは、 「理想状態は

          社会課題解決よりも社会創造を