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お金に困らない人生
一番お金がないと思ったのは、大学生のときかな。
上京してきて、いきなり家賃がアホみたいに高かった新宿の近くに一人暮らしの家を構えたときから詰んでたんだけど。
そこから、引っ越しを何度も重ねて、だんだん都心を遠ざかった。お金がないから当然だ。郊外の方が家賃が安いからね。
社会人になって、だんだん、年収は増えて行ったけど、いろいろライフイベントもあって、収支は釣り合ってしまう。
たくさん貯金できるとか、お金のことを考えないで支出する、なんてことは、おそらくこれからもできないな。
あれだな、宝くじでも買って10億円当てるとかじゃない限り、むりなんじゃなかろうか。
庶民なんてそんなもんよ、それはほぼ正しい。
でも、いるんだろうね、中には。親の資産があって働かなくても問題ないとか。収入が多すぎて使いきれないとか。
おそらくだけど、そういう「お金に困らない人生」を送れる人を、社会は抑制してると思う。なぜかというと、たくさんの人がそうなったら、誰も働かないでしょ、って話。
なんとなくお金に突き動かされて、みんな社会で何らかの役に立とうと行動するわけで、社会の行動原理である以上、どんなふうにしたって、お金には困るようになってるんだろうなと邪推してる。
だから、あれだ。どんなに、お金をたくさんもらったとしても、何らかの理由で出て行くので、おそらく、どこまで行ってもお金には一定の気を払って、気を遣いながら、ささやかに生きていくというのが、ごくごく普通のことなんだと思う。
だからといって、破たんすることはない。なーんとなく、収入がどうなろうが、人はちょっと不安を抱えつつ、働いて、生きて行けるようになってるんだろう。
面白いもんだよ、社会の仕組みって。
みんな、お金の不安を持たされて、役に立つことをしようと日々思ってるんだもん。これを、面白いと言わずに何と言うか。
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