いつまでも技術力を磨き続けるために 心の在り方10選
はじめに
私が20代だったころは、50代60代になると最新の技術からは取り残され、過去の遺産と築いた実績で生き延びる、というイメージがあったが私自身がそうはならなかった。
いつまで経っても職場で「一番詳しい人」で在り続けているがこれは特別な心構えがあったのではないか、という仮説を持っている。でなきゃ、多くの40代50代は皆「名人」になっていそうなものだがそうはなっていない。
日々の積み重ねの中で、どこに差別化要因があったのだろうか。実体験からどんな心の在り方だったのかを分析する。様々検討した中でも、これは大事だな、と思っている10のトピックを話そう。
心の在り方10選
①最もリスクのある仕事を引き取る
働く=チームで仕事する、であることがほとんどである。仕事は多彩にあり、どれを誰が担当するかという話題に必ずなる。仕事を選べるようになるのはベテランになってからだとは思うが、それでも選択肢があることは多い。調整によって仕事を割り振るのはどなたも日常であろう。
その際、好きな仕事とか、やったことがある仕事、みたいな基準で選択する人はかなり多いと思うが私はこれをしない。リスク、で考える。未熟で失敗可能性が高かったり、やったことがなくて苦労しそうだとか、納期が短くて不安だとか、リスクは色々である。ハイリスクハイリターンと言う言葉とはまた違う。ハイリスクがハイリターンかどうかは案件次第である。かつ、リターンのことを考えてまで細々としたタスクを選り好みする暇は普通ない。
ローリターンになるかもしれないが、それでも高いリスクである方を取る。なぜか。ドキドキするからだ。緊張感があるからだ。失敗しないために脳のリソースを自然とたくさん使うからだ。たくさん脳が動くときは、習熟度が上がる。どうせ仕事をするならば、習熟度が上がる仕事の仕方をしたほうがいい。
失敗したら?、会社員なんだから致命的なダメージを受けることはない。それは、責任は仕事を自分にアサインした上司に押し付けるとして、自分は仕事の成功のために全力を尽くせばいい。結果がどうあろうが、最大限の習熟を得られるはずである。
②難問に立ち向かうときに時間が溶ける
難問を解いていると苦しいが、集中した結果、時間が溶けていることがないだろうか。もう一日過ぎたか、と驚くくらい集中できることがある。難問は解けない間ストレスになり逃げたくなる人もいるが、私はこの溶ける時間こそが成長の源泉だと考える。
つまらない仕事の時間の過ぎないこと。そういうつまらない仕事はさっさと終わらせることを逆に重視する。時間をかける価値のある難問に対して時間が取れるように工夫をして仕事に向かってきた。
特に、他人は難問を嫌い避ける傾向にあるので、難問をゲットするのは案外難しくない。そして粘り強く立ち向かい何回か解いていると、難問ならば私、みたいなフローが現場に出来上がるので、そしたら、仕事しているだけで成長できる仕組みが出来上がる。
難問に立ち向かうことは大事な心掛けだ。
③明らかにできることは他人に任せる
自分の時間をできるだけリスクの高い、難問に対して使いたいので、明らかにできるよ、という仕事は、できるだけ避ける。
そして不思議なことに、明らかにできることを好む人は必ずいる。仕事はできるだけ「楽」がいい、なんて人は周りにいなかったことがないので、ぜひお願いする。嬉々として引き取ってくれる。
もともと難問の形をしていた仕事も、私が色々と立ち向かって様子がわかって来て、結果手順も明確になり誰でもできるかたちになる。そうなったら、明らかにできること、に成り下がっているので、そこでどなたかにお願いすることは勝ちパターンとして捉えている。
渡した人にとっては未知・未経験かもしれないので、WIN-WINであることも多い。息を吸うためには息を吐かなければいけないように、仕事はいつまでも手元に持っていては自分が成長する隙間がなくなる。
もう自分には絶対できる仕事だな、と思った時点で手放す時期が到来している。そういう仕事をダラダラやっている人は、成長できない。
④暇つぶしの仕事が突破口になる
効率を極めて、そして仕事の波を潜り抜けると、どうしても暇になるときがある。暇な時は私にとって苦痛の時間になりえる。時間がすぎないまま在席していることはつまらない。その時に、何とか暇を潰そうと、職場の色々な情報を確認して見逃している情報、暇な時じゃないと取り組めないテーマなどを見つけ出す。
この暇つぶし、とも言える行動自体が、実は次の仕事を作っているケースを何度も経験してきた。
暇だと成長しないのではなく、暇だからこそ成長の種を探すのである。普段の忙しさの中では見つけられない何かは必ず見逃されており、後は見つけるかどうかだ。職場に本当に見つからないのなら、転職の目も出てくるが、私の経験ではそこまで職場に何も無いという状況はなかった。
暇、という苦痛がモチベーションとなり、次の仕事が生まれるというのは良くできた話である。利用しない手はない。
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