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主役の交代
若い世代へどう知的財産を渡し社会の運営を引き継いでもらうか、という議論は長い間「保留」にされてきた。なぜなら、あまりにも団塊の世代が元気だったからだ。あの団塊の世代の元気さはどこからきているのか、最近わかってきた。戦後、文字通り焼け野原だった日本の地面を今の状況まで立て直したエネルギーはすさまじい。ルール無視で結果重視でひた走って来た彼らは、リスクなど物ともしない。世の中は奪い合いであり、働くことで自己表現としてきたし、奪ったものは決して手放さない。結果、80近くまで権力にしがみつく人々が続出したのだが、完全にコロナ禍で勢いが止まった。ふと、人生について思い直してみて、もっと余暇を楽しみたいとでも思ったのだろう。コロナ禍明けの街を歩くと、それまでは見なかった若い人たちであふれていた。若いと言っても40代ぐらいまでは含むが。
団塊の彼ら、全く引継ぎなどしないで突然いなくなるのだから、残された人は溜まったものじゃない・・と思いきや、案外大丈夫だった。むしろ団塊の彼らのやり方が時代錯誤過ぎたのに強い握力で握っていた権力で無理矢理維持していたものだから、引き継がれても一から考えた方が早いことが多い。街を歩いても新しい業態の店が多く、ターゲットも若い人達になっているし、とてもいいことである。主役は、引き継ぎ無しに交代しつつある。やってみれば何でもできる、と言う活気にあふれている。
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