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脚本×演出×演技

NON STYLE石田さんの「答え合わせ」と令和ロマン くるまさんの「漫才過剰考察」を立て続けに読んで、面白いお笑いって何だろうかと自分なりに考えてみた。

私は、笑いの沸点が低いのでわりとなんでも楽しむ方。でもネタによって楽しいや面白いと感じるポイントが違うなと思って、分解して考えてみる。素人なので正しい分類じゃないと思うけど違ってても気にしないでね。
 
コントは、脚本×演出×演技 に分解できると思う。

さらに分けると、脚本は設定とセリフ。
演技は動き・顔の表情・声・間。表現。
演出はセットとか小道具、音や衣装、など。専門的には演技も演出の一部だと思うけど、あえて分けてみる。

最近面白かった作品の何が良かったか、改めて考えた。

キングオブコント2024のcacaoの野球部のネタ。これは演出。
みんなの動きと、音のタイミングに鳥肌が立った。
ロングコートダディの2本目の呪いを解くやつ。これは脚本と演出。
言葉の使い方と画面に表示されるタイミングとか。
THEゴールデンコンビの長田さん&じろうさんの病院のネタ(髪シリーズじゃなくて、次はどこ行く?ってやつ)。これは設定と演技。
普通に真剣な演技にひき込まれるのと、裏切られたときの落差。

この中で、今そのコンビ(トリオ)にしかできないものって何だろう。
私は3つめの病院のネタだと考える。
cacaoは、タイミングさえ合えば別の3人がやってもすごいと思うだろうし、正直誰が誰か区別できないままに面白かった。
ロングコートダディのネタを初めてみたときは2人を知らなかった。多分違う2人が出てきても同じように死ぬほど笑ったと思う。
でも、長田さんとじろうさんは、例えば役者さんとか演技上手い2人がやったら、真剣なオペシーンはできても最初の設定の演技はできないだろう。ふだんコントをやってるからこそ、どの年齢にもなりうると思うし、あぁそう来たかあっていう気持ち良い裏切り。

最近、AIが作ったコント映像とかネタとか見る機会が増えた。面白いのも確かにあった。だから脚本や演出はいずれAIも台頭してくるだろう。すでにそんな企画や番組があったりするし。
けど、演技は生身の人に勝てないと思う。現時点では。

演技ってその人にしか出せない味があると思うんです。だから演技が強い人はお笑いでも強いと思う。
私の好きなジェラードンは演技が圧倒的に強い。設定自体がイカれてて面白いのも数多くあるけれど。

ジェラードンの演技、特にかみちぃとアタックさんは、長田さんとじろうさんみたいに年齢の幅が広い。おじいさんからこどもまで。女性を演じても違和感ない。時々うますぎて、男性が女性を演じるという面白さが消えるほどだ。かみちぃのたかことか。

あとはキャラの幅が広い。いい人から悪い人、イケメンからクズまで、日本人からアジア人、人間からモンスター、こんなに演技の幅広いトリオいる?

その幅自体を活かしたコントも最近よく見るな。オムツの裸のアタック西本は、今日は赤ちゃんなのかおじさんなのか…ワクワクしながら見てる。

この生身の演技はAIには代われないと思うの。結論としては、ジェラードンは他に変えられない面白さを持ってるってことです。

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