想い、にほふ
4月1日。
初めての土地、初めての人たち、初めての景色
誰も知らない。何も知らない。私を知らない。
でも、それが少し心地よかったり
洗剤を買った
懐かしいパッケージ
一日の終わりに、洗濯機を開けて、洗剤を入れる
懐かしいあの香り
初めて実家を飛び出して
一人暮らしを始めたティーンの私を思い出した
何もかもが初めてで、期待と不安が交差する。そんな香り。
寮の一室から夕日を見ていたあの頃の私が隣にいるような、そんな気持ちになる。
これからたくさんの人に出会って
たくさん傷ついて
たくさん泣いて
たくさん笑って
たくさんの人に支えられながら
あなたはあなたを生きていくから
あなたが思っているよりも、ずっと世界は大きくて
あなたが思っているよりも、ずっと人は複雑で
あなたが思っているよりも、あなたはずっと強くて美しい
だから、心配せずにひとつひとつぶつかって、ひとつひとつ胸にしまって
明日に期待しながら進んでほしい
もしできるなら、あの日の私にそう伝えたい
きっと何年先の私もこの香りを匂いながら今の私に何か伝えたいと思うのだろう
想いは香りにのって
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