【動画対談アーカイブ】本人の力を取り戻す役どころが、「看護の力」。在宅医療×被災者支援のこれまでとこれから (JP only)
オレンジグループの川瀬を迎えた、紅谷による対談シリーズ4回目の3回目。動画の内容をnote記事にてアーカイブします。
【動画】【令和6年能登半島地震】在宅医療×被災者支援のこれまでとこれからを語る。対談③ 紅谷浩之×川瀬佳苗(33分)
3回目の対談も、活動中に撮った印象的な写真を見ながら、話を進めていきます。
人の優しさは災害の場所でも発揮される
川瀬:私は1/13から1週間、輪島の福祉避難所で活動してきました。私が輪島入りした時期、雪の日の間の晴れ間で、外に出ました。写真の真ん中の男性は認知症とともに暮らしていて、左にいる女性に非常に紳士的、優しい声掛けをされていて、こんな時になっても「人の優しさって、こんな災害の場所でも発揮されるんだ。人ってすごい」そう思って撮った写真です。私はこの散歩の後は施設の中で電話をとったりする役割が多かったので、建物の外に出ることがなかったんです。手探りの1週間でしたね。
紅谷:人のいいところ、「人ってすごい」っていう瞬間をどうやって引き出していったんですかね?理屈っぽく言えば、ケアされる側に当てはめられることが多い状況ですよね。ケアするされる、という関係性が解き放たれると視点が変わるなぁ、ってそう思います。
川瀬:例えばこの方だと認知症があったって、生活の場所だから(迷子になったとしても)避難所から出ていっちゃだめわけではない。困った人、ではないし。100歳近くの方の輪島に対する愛も感じた。それが印象に残っています。家も仕事も無くなった方々。でも避難所で自分の出来ることをやってくださっていた、そう思います。待ってみたり、自分で出来ることをやってもらっているのを、じっと見ていたり。手を出す出さないかを必死に考えていた。
「今日はスローペースで」と発信した朝
紅谷:(輪島の福祉避難所で貼ってあった標語のような)「支援者に対して、「座りましょう」「ゆっくり動く」「腰掛ける」」。これは誰がどんな背景で貼った?
川瀬:みんな支援者として動きすぎていて、すぐ立って動いてしまう。何かしてあげる風になるし、不安を感じさせてしまうパワーバランスになってしまうなと。それで貼りました。避難所でのお看取りがあったことも重なって、「今日はスローペースでいきましょう」と発信した朝がありました。ばたつき感、スタッフの疲労感を考えて、迷いもありつつ、その日は避難者の受け入れを限定して。
紅谷:避難所でばたついているのが標準になりがち。なかなか真似できないだろうなって思うんですよね。
本人の力を取り戻す役どころ
紅谷:「看護の力が必要」と、1/2の社内mtgで発信しましたよね。もう少しこの時の気持ちを教えてもらえますか?
川瀬:これまでオレンジとして熊本、千葉の災害支援にいったことがあるんですが、看護師は医療と暮らしの間をつなげることができるし、一緒に暮らしを作っていくことに看護師は一番適任だ、とそう思っていたので。生活をみれる。本人の力を取り戻す役どころ。だから「看護の力が必要だ」そう思ったんです。
実際、断水なら外の雪を溶かして水にしよう、というアイディアだったり、家族のフォローだったり。現地に先に入っている看護師の方たちの力を感じたんですよね。
紅谷:ぼくも本当にそう感じています。
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書き手:医療法人オレンジグループ
文責:藤岡聡子(医療法人オレンジ/診療所と大きな台所があるところ ほっちのロッヂ)
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