みんなで作るディスコグラフィ Discogsの愉しみ(第1回:調べる/探す)
突然ですが、みなさん「Discogs」ってご存じ? いきなりだが、詳しくはこちらの記事「音楽に掛ける情熱の作り方。Discogs創業者ケヴィン・レヴァンドフスキーが語る」を見てもらうとして、Discogsは世界最大の音楽カタログのデータベースのひとつでマーケットプレイス機能も持つWebサービスだ。
サービスの起源は2000年あたりに遡り、自分も開始初期にアカウント登録していたけど、調べ物に使うくらいだった。ただ、インタビューにあるとおり、2014年あたりからSNSの勃興やグローバル化を背景に急速に成長している。詳しくは後述するが、自分も「貢献者」として参加するようになってからというもの、今や一番楽しく使っている&参加しているWebサービスと言える。
そんなDiscogsだけど、あまり日本人ユーザーの話は聞かない。お友だちもあまりいない。なので、複数回に分けてDiscogsのおもしろさについて紹介してみる。記事のヘッダー画像は僕のプロフィールページだが、大きくできることは4つある。第1回は、この中の「調べる/探す」について。
1.調べる/探す
2.データベースの質の向上に貢献する
3.売る/買う
4.交流する
調べる
調べたいリリースが具体的にある場合はSearch、音楽ジャンルやリリースされた国・年・フォーマットなどから探す場合はExploreを選ぶ。たとえば、検索ボックスに「yellow magic orchestra」と入力した時にはこうなる。軽快に検索結果がEverything(全体)も含めて4カテゴリでリスト化され、自分が所有しているものは緑の丸、欲しいものは赤の丸で表示される。
探す
一方、「フランス」で「1980年代」の「1980年」にリリースされた「レコード」で、「シンセ・ポップ」というジャンルの「エレクトロ」というスタイルのリリースを探すと、こうなる。全く知らなかったものに出会えるのはこちらだが、個人的には信用頻度は少なめ。
個別ページ(リリースが複数種類ある場合)
お目当てのリリースをクリックすると、各国盤や再発など複数のヴァージョンがある場合、まずMaster Releaseが表示される。左カラムにはオリジナルのリリースの概要。右カラムには「データベースの向上に貢献する」ためのデータ編集の入り口、「売る/買う」ためのリンクと最安値、所有者数などの参照データ、関連映像などが整理される。「Versions」にリスト化されているが、事項の個別ページだ。
個別ページ(リリースが単一種類しかない場合)
音楽カタログ上、単一のリリースしか存在しない場合は、Master Releaseを介さず個別ページに行き着く。Googleなどの検索エンジンからの流入は、この個別ページであることがほとんどだ。掲載情報はMaster Releaseと似ているが、個別のヴァージョンごとのページなので、クレジットなどのデータ詳細(違い)、「所有しているもの/欲しいもの」への追加と削除、売買相場などの詳しい参照データが見える。
膨大なデータの内容に特定の管理者がいない!
とまぁ、本当に駆け足で見てきた訳だけど、1000万カタログに及ぶ膨大なデータベースが、Wikipediaなどと同じく集合知で形成〜管理されているのがおもしろい。冒頭に紹介したインタビュー記事から、CEOのケヴィン・レバンドフスキー氏の言葉を引用する。
実はDiscogsのスタッフには、情報を訂正したり情報を追加する専任スタッフは存在しないんだ。スタッフの仕事は主にDiscogsのサイトのメンテやフレームワークの運用、そしてサイト利用のガイダンスを提供することだ。データはユーザーたちの領域だよ。Discogsのスタッフ全員が、投稿されたデータは我々が専有する情報じゃないことを理解しているよ。
これをして、「Discogsの掲載データは間違いが多い」「信用できない」とする人もいる。けれども、コントリビューター(貢献者)たちが活発に議論を行っているアーティストやジャンルのデータは、間違いは淘汰されていくし、他の情報源では知り得ない価値の高いものが多い。そもそも、日本人アーティストやJポップなどのリリースに対するデータのニーズ(浪曲や民謡のSPレコードに対する関心も高い)、限定版や帯・カセットなど日本盤の特殊仕様を知りたがっている人たちの多いことに驚かされる(なのでぜひ参加して!)。
…ということで、次回は「第2回:データベースの質の向上に貢献する」の予定。こうご期待!
※この記事は、noteの使い方を知る習作として書いてみました。
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