過去問 公認心理師試験第6回 午前 一般問題 問8
みなさん、こんにちは。
公認心理師受験生Kidです。
さて、掲題の通り、問8です。
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問8
学習の転移の具体例として、最も適切なものを1つ選べ。
① 給食の時間に流れていた音楽が聞こえると、お腹が鳴る。
② フランス語の授業の後に英語の授業があると、発音を間違えてしまう。
③ 隣家から怒鳴り声が聞こえてから、小さな物音がするだけでも気になるようになった。
④ 目覚めに効果的なアラーム音を設定したが、 1 か月後には起きられなくなってしまった。
⑤ 学校という場所が苦手であったが、大学生になり大学のキャンパスではリラックスできている。
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正解、 ②です。
②では、フランス語に関する学習」が、その後の「英語の学習」に影響を及ぼしていて(つまり、学習の転移が生じており)、「発音を間違える」という点から負の転移が生じていることがわかります。
なお、①は古典的条件づけが生じていると考えられます。
音楽という無条件刺激と空腹時に提示することで、音楽が鳴るだけでお腹が鳴る(空腹時の反応=条件反応)という形になったというわけです。
また③は正確には判断しづらいですが、般化が近い印象を受けます。
般化は、古典的条件づけや弁別オペラント条件づけにおいて、条件づけの結果、条件刺激や弁別刺激だけでなくそれらに類似した刺激によっても反応が生起されることを指します。
怒鳴り声によって「音に対する覚知性」が上がった結果、類似した刺激である「音」によっても「気になる」という反応が生じていると考えられなくもありません。
さらに④は、馴化であると考えられます。
同じ刺激を繰り返し呈示されることで、その刺激に誘発される反応が減衰・消失する馴化であり、そこに新しい刺激を呈示すると減衰・消失していた反応が復活しますが、この現象を脱馴化と呼びます。
繰り返し「アラーム音」を提示されたことで、その音に誘発される「覚醒」という反応が減衰・消失したということです。
そして⑤では、「学校が苦手」とありますが、何を体験したことで「学校が苦手」という学習を得たのかわかりませんし、この「学校が苦手」という学習が、なぜ「大学のキャンパスはリラックス」ということになるのか不明です。
以上より、②が適切になり、①、③、④、⑤は不適切と判断できます。
引用URL:https://public-psychologist.systems/04-学習及び言語/公認心理師%E3%80%802023-9/