過去問 公認心理師試験第6回 午前 一般問題 問39
みなさん、こんにちは。
公認心理師受験生Kidです。
さて、掲題の通り、問39です。
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問39
不登校児童生徒の集団生活への適応、基礎学力の補充、学校生活への復帰等を通じて、社会的な自立を支援することを主な目的とした教育委員会が設置する機関として、最も適切なものを1つ選べ。
① 通級指導教室
② フリースクール
③ 発達障害者支援センター
④ ひきこもり地域支援センター
⑤ 教育支援センター(適応指導教室)
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正解、 39です。
教育支援センターとは「不登校児童生徒等に対する指導を行うために教育委員会及び首長部局が、教育センター等学校以外の場所や学校の余裕教室等において、学校生活への復帰を支援するため、児童生徒の在籍校と連携をとりつつ、個別カウンセリング、集団での指導、教科指導等を組織的、計画的に行う組織として設置したものをいう。なお、教育相談室のように単に相談を行うだけの施設は含まない」とされています。
前提には「教育支援センター整備指針(試案)」があり、こちらによると設置の目的は「センターは、不登校児童生徒の集団生活への適応、情緒の安定、基礎学力の補充、基本的生活習慣の改善等のための相談・指導(学習指導を含む。以下同じ)を行うことにより、その社会的自立に資することを基本とする」とされています。
文部科学省的には「教育支援センター」という名称を推し進めていますが、まだ「適応指導教室」という表現の方が馴染み深いかもしれません。
さて、文部科学省が示した「不登校児童生徒への支援は「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があること」という方針を前面に出し、不登校児の支援方針に「在籍校への復帰」を入れることを頑なに拒む人がおりますが、あくまでもその子どもの状態像に応じて、また保護者や本人の意思を踏まえて「在籍校への復帰」は目標の一つにすべきですし、それを意識的・無意識的に除外することは支援者としてあってはならないと考えられます。
そして、教育支援センターをはじめとした学校と連携を取る機関が「在籍校への復帰を目指していない」のであれば、多くの場合、その連携の根っこの部分で相違があるということになりかねないといえます。
もちろん、学校も「どう頑張っても、現時点では復帰は困難」である場合や、「学校には行けないけど、教育支援センターには行ける」という子どもがいることは承知しており、その場合には次のステージ(進級・進学など)に向けて、より適応的・自立的な姿になれる場として教育支援センターを活用していくことになります。
ただ、教育支援センターで過ごすうちに適応状態が改善し、在籍校への復帰を目指せる例も数多くあることから、在籍校への復帰やそのための連携は子どもたちやその将来に向けて非常に重要になってくることを忘れてはならないと思います。
なお、教育支援センターの在り方は設置している教育委員会、規模、支援員の力量によってかなり異なります。
個人的には、教育委員会が配備されている支援員を信頼し、その支援員に力があり(力とは、連携する能力、子どもの状態によってアプローチが多彩であること:ただ優しいだけ、ただ厳しいだけではなく、子どもの状態に応じて必要な関わりを選択できる等)、それほど規模が大きくない教育支援センターが、子どもたちにとって良い変化をもたらす印象を持っています。
規模があまり大きくなると、例えば、送迎が必須になる、できることが狭まる(人数が多いほど、多くの人がそれなりに安定して過ごすためのルールが多くなる)など、どうしても「こういう家庭・子どもなら受け入れられる」という範囲が自然と限定されてしまいます。
学校組織に適応が困難な事情がある場合、規模が拡大することで教育支援センター自体が「組織的」になってしまって、子どもたちが適応できないという論理矛盾が生じてしまうと想定できそうです。
しかし、教育委員会が設置するという前提がある以上、どうしても教育支援センターの規模は教育委員会のある市や町の規模とイコールになりやすく、あまりいじれないところだなとも想像します。
いずれにせよ、教育支援センター(適応指導教室)とは「不登校児童生徒の集団生活への適応、情緒の安定、基礎学力の補充、基本的生活習慣の改善等のための相談・指導を行うことにより、その社会的自立に資することを基本とする」教育委員会が設置する機関であり、これは本問の記述と一致することがわかります。
よって、⑤が適切と判断できます。
引用URL:https://public-psychologist.systems/13-教育に関する心理学+法律/公認心理師%E3%80%802023-39/