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過去問 公認心理師試験第6回 午前 一般問題 問50

みなさん、こんにちは。

公認心理師受験生Kidです。

さて、掲題の通り、問50です。

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問50
心理的支援に関わる概念化や理論化について、最も適切なものを1つ選べ。

① 事例研究は、心理的支援の理論化には寄与しない。

② 心理的支援のランダム化比較試験は、理論の構築を直接の目的としている。

③ 心理的支援の理論は、理論化がなされた文化の文脈を考慮して適用する必要がある。

④ 実践的研究においては、研究者は現場において支援に直接関わる実践者である必要がある。
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正解、 ③です

参考例として、心理的支援の理論の一つに森田療法がありますが、こちらは「自己内省的・完全主義的な傾向に加え、よりよく生きたいという生の欲望を有する、生得的・先天的な素質としてのヒポコンドリー性基調(神経質で心気的な素質)に、環境要因が加わり、心身の感覚や情緒的反応に注意が集まる傾向」を対象にしています。

これを「森田神経質」と呼びますが、こうした状態像自体が当時の日本でよく見られた不適応の特徴と一致していたわけです。

もちろん、現在もこうした「森田神経質」がいないわけではありませんが、やはり、現代の文化の文脈では数が減ってきていると推測されます。

つまり、森田療法が理論化された当時の文化の文脈では適用できる事例が多かったと言えますが、現代では少なくなっていると推察されますし、更に言えば、他国の文化になると適用できる事例も、(もちろん国にもよるのでしょうが)一般的には少なくなると考えられます。

病理の出現の仕方も文化圏によってかなり異なると考えられます。

例えば、日本の統合失調症では幻視はかなり少なめとされていますが、インドではかなりの割合で幻視が見られるとされています。

このような違いがあると、当然統合失調症へのアプローチも変わってきますし、そのアプローチを別の文化圏に持ってきたからといって即座に効果があるとは言えないのは当然といえそうです。
中井久夫氏の『分裂病と人類』では、統合失調症の起源を人類の文化史にさかのぼって解き明かすとともに、執着気質の歴史的背景と西欧精神医学背景史に迫っています。

こちらに限らず、その時代時代の歴史的背景によって生み出される問題、人のこころに影響を与えるものが変わってくるわけです。

このように、その支援法や理論が設定されたのは、それなりの文化的背景があってですから、当然、それらを適用するには文化的背景を考慮した上でなされることが重要になるわけです。

以上より、③が適切と判断できます。

引用URL:https://public-psychologist.systems/16-心理学における研究、心理学に関する実験/公認心理師%E3%80%802023-50/

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